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{{連続体力学}} [[Image:Barotrope.svg|thumb|right|300px| 順圧の流体の構造図。黒は等圧面、水色は等密度面。]] [[流体力学]]において、[[流体]]が'''順圧'''(じゅんあつ)である、あるいは'''バロトロピック'''({{lang-en-short|barotropic}})であるとは、[[圧力]]が[[密度]]のみに依存すること、すなわち、[[等圧面]]と等密度面が一致することをいう。 [[天体力学]]で、[[恒星]]内部の流体のモデルとして使われる[[ポリトロピック]]流体(圧力が密度のべき乗で表せる流体)もバロトロピック流体のよく知られた例である。また、密度一定の流体(''ρ''=constant)もバロトロピック流体の一つである。 == 静水圧平衡と順圧 == [[保存力]]のもとで[[圧縮性流体]]が静止状態になるためには、順圧性が必要条件である。 以下、流体にかかる外力と[[圧力勾配]]が釣り合う場合([[静水圧平衡]])を考える。力の釣り合いの式は :<math> -{1\over\rho}\nabla p + \boldsymbol{f} = 0 </math> :( ''p'':圧力、''ρ'':密度、'''''f''''' :単位質量あたりの外力) である。ここで、[[重力]]や[[遠心力]]のように、外力が保存力の場合を考える(保存力の[[ポテンシャル]]をΩとする)。 :<math> -{1\over\rho}\nabla p - \nabla \Omega = 0 </math> 両辺の[[回転 (ベクトル解析)|回転]]をとると <math>\operatorname{rot}\operatorname{grad}\Omega=0</math> だから、 :<math>\begin{align} 0 = \nabla\times\left(-{1\over\rho}\nabla p\right) = {1\over\rho^2}\left(\nabla \rho \times \nabla p\right)\\ \therefore \nabla \rho \parallel \nabla p \end{align}</math> となる。傾き∇''f'' は ''f'' の等値面に垂直だから、∇''ρ'' と ∇''p'' との平行性は ''ρ'' と ''p'' の等値面の一致、すなわち順圧性を意味する。 順圧性が成り立つなら、密度が圧力の関数(''ρ''=''ρ''(''p''))になるので、単位質量あたりの圧力勾配が :<math> -{1\over\rho}\nabla p =-\nabla \int {\mathrm{d} p\over\rho} </math> と表せる。この性質により、非粘性バロトロピック流体では[[ベルヌーイの定理]]や[[ケルビンの渦定理]]が成立する。 == 参考文献 == * Tritton, D.J.,『トリトン流体力学<上>』 川村哲也訳 インデックス出版 2002年4月1日初版発行 ISBN 4901092251 (原書 ISBN 0198544936) * 今井功 『流体力学(前編)』裳華房、1973年11月25日発行、ISBN 4785323140 * 木村竜治 『地球流体力学入門』東京堂出版、1983年4月10日発行、ISBN 4490200684 == 関連項目 == * [[圧縮性流体]] * [[傾圧]] {{気象要素}} {{DEFAULTSORT:しゆんあつ}} [[Category:流体力学]] [[Category:大気力学]]
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