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'''1 + 2 + 4 + 8 + …'''は[[無限級数]]の一つで、[[数学]]において、その項は連続する[[2の冪]]である。初項[[1]]、公比[[2]]の[[等比数列]]として特徴付けられる。[[実数]]の級数で、[[無限|無限大]]に[[発散級数|発散する級数]]として、普通には実数の和を持たないとされる。より広く解釈すると、この級数は ∞ の他の値、即ち −1 に関連付けられる。 == 概要 == 1 + 2 + 4 + 8 + の部分和は、{{nowrap|1, 3, 7, 15, …;}}であり、この列は無限に発散するので級数も無限に発散する。それゆえ{{仮リンク|totally regular|en|totally regular summation method}}な[[発散級数#発散級数の総和法に関する定理|総和法]]では、[[チェザロ和]]や[[発散級数#アーベル平均|アーベル和]]も含めて、その[[総和]]は∞になる<ref>ハーディ p.10</ref>。しかし、{{nowrap|1 + 2 + 4 + 8 + …}}の和は有限の値[[−1]]に収束するという一般的に役立つ手法も少なくとも1つ存在する。これに関連した[[冪級数]] :<math>f(x) = 1+2x+4x^2+8x^3+\cdots+2^n{}x^n+\cdots = \frac{1}{1-2x}</math> は、[[0]]を中心とする<sup>1</sup>/<sub>2</sub>の[[収束半径]]しか持たないので、{{nowrap|1=''x'' = 1}}では収束しない。それにも関わらず、定義された[[関数 (数学)|関数]]''f''は、点{{nowrap|1=''x'' = <sup>1</sup>/<sub>2</sub>}}を除いた[[複素平面]]へただ一つの[[解析接続]]を持ち、それは同じ方法{{nowrap|1=''f''(x) = 1/(1 − 2''x'')}}で与えられる。{{nowrap|1=''f''(1) = −1}}となるので、原級数{{nowrap|1 + 2 + 4 + 8 + …}}は−1にsummable (''E'')といい、-1はその級数の(''E'') sumである(この定義は[[ゴッドフレイ・ハロルド・ハーディ]]によって、[[レオンハルト・オイラー]]の『オイラーの無限級数和』を参考にしてなされた)<ref>ハーディ pp.8, 10</ref>。 殆ど同一の解法(そのうち一つがオイラー自身によって作られた物)は、全ての[[係数]]が1の冪級数であると見なす物である。即ち、 :<math>1+y+y^2+y^3+\cdots = \frac{1}{1-y}</math> の冪級数に''y'' = 2を[[代入]]した物である。もちろん、これらの2つの級数は''y'' = 2''x''の置換で関連している。 (''E'') summationを{{nowrap|1 + 2 + 4 + 8 + …}}の収束値として割り当てる事は、一般的な方法が完全に正規(totally regular)の物ではない事を意味する。しかし、この事は総和法として、安定性と[[線型性]]を含んだ望ましい性質を持っている。これらの2つの[[公理]]は、実際に総和を −1に収束させる。その理由は、公理によって以下に挙げる計算法が有効になるためである。 :<math>\begin{align} s & = 1+2+4+8+\cdots \\ & = 1+2(1+2+4+8+\cdots) \\ & = 1+2s \end{align}</math> ある意味、''s'' = ∞ は、[[方程式]]{{nowrap|1=''s'' = 1 + 2''s''}}の根である(例えば、∞ は[[リーマン球面]]上の[[メビウス変換]]{{nowrap|1=''z'' → 1 + 2''z''}} における2つの[[不動点]]のうちの1つである)。もし''s''として普通の数、すなわち ∞ でない値を返す物としての総和法が知られていれば、その値は簡単に決定される。この場合等式の両項から''s''を[[減法|減じ]]てもよく、{{nowrap|1=0 = 1 + ''s''}}という式になり、{{nowrap|1=''s'' = −1}}となる<ref>{{nowrap|1=''s'' = 1 + 2''s''}} の2つの根は Hardy p.19 で手短に触れられている。</ref>。 上記の操作は十分強力な総和法の文脈から外れて -1 になるということを要求されるかもしれない。基本的な収束概念を含む最も有名で直接的な和の概念において、正項級数が負の値に収束することは不条理である。これに似た現象が[[発散級数|発散幾何級数]][[1-1+1-1+…|1 − 1 + 1 − 1 + · · ·]]において起こる。[[整数]]からなる級数が非整数の和<sup>1</sup>⁄<sub>2</sub>を持つのである。これらの例は、[[循環小数]]、例えば0.111…や特に注目すべきなのは[[0.999...|0.999…]]、に暗に含まれている級数に対して類似の議論を行うことに潜在的な危険があることを示している。この議論は結局はこれらの収束級数に対して正当化され、{{nowrap|1=0.111… = <sup>1</sup>⁄<sub>9</sub>}} や {{nowrap|1=0.999… = 1}} であることもわかる。しかし、根本的な証明は無限和の解釈を注意深く考えることを要求する<ref>Gardiner pp. 93–99; p.95 における {{nowrap|1 + 2 + 4 + 8 + …}} に対する議論はわずかに異なるが同じ精神である。</ref>。 この級数は、実数とは異なった数の体系、即ち[[p進数|2進数]]において収束する級数としても捉えることができる。2進数の級数として、上記の結果と同じ値−1に収束する<ref>{{cite book|author = Koblitz, Neal|title = p-adic Numbers, p-adic Analysis, and Zeta-Functions|series = Graduate Texts in Mathematics, vol. 58|publisher = Springer-Verlag|isbn = 0-387-96017-1|year = 1984|pages = chapter I, exercise 16, p. 20}}</ref>。 == 関連項目 == * [[1−1+2−6+24−120+…|1 − 1 + 2 − 6 + 24 − 120 + · · ·]] * [[1−2+3−4+…|1 − 2 + 3 − 4 + · · ·]] * [[2の補数]], 負の数を表現するデータの扱い方であって、-1 がまるで <math>1+2+4+\ldots+2^{n-1}</math> であるかのように表現される == 脚注 == {{reflist}} == 参考文献 == {{refbegin}} *{{cite journal |author=レオンハルト・オイラー |authorlink=レオンハルト・オイラー |title=De seriebus divergentibus |journal=Novi Commentarii academiae scientiarum Petropolitanae |volume=5 |year=1760 |pages=205–237 |url=http://www.math.dartmouth.edu/~euler/pages/E247.html}} *{{cite book |last=Gardiner |first=A. |authorlink=w:en:Anthony Gardiner (mathematician) |title=Understanding infinity: the mathematics of infinite processes |year=2002 |origyear=1982 |edition=Dover |publisher=Dover |isbn=0-486-42538-X}} *{{cite book |author=ゴッドフレイ・ハロルド・ハーディ |authorlink=ゴッドフレイ・ハロルド・ハーディ |title=Divergent Series |year=1949 |publisher=Clarendon Press |id={{LCC|QA295.H29 1967}}}} {{refend}} == 発展文書 == {{refbegin}} *{{cite journal |author=Barbeau, E.J., and P.J. Leah |title=Euler's 1760 paper on divergent series |year=1976 |month=May |journal=Historia Mathematica |volume=3 |issue=2 |pages=141–160 |doi=10.1016/0315-0860(76)90030-6}} *{{cite journal |last=Ferraro |first=Giovanni |title=Convergence and Formal Manipulation of Series from the Origins of Calculus to About 1730 |journal=Annals of Science |volume=59 |year=2002 |pages=179–199 |doi=10.1080/00033790010028179}} *{{cite journal |last=Kline |first=Morris |authorlink=w:en:Morris Kline |title=Euler and Infinite Series |journal=Mathematics Magazine |volume=56 |issue=5 |year=1983 |month=November |pages=307–314 |doi=10.2307/2690371 |jstor=2690371}} *{{cite web |last=Sandifer |first=Ed |year=2006 |month=June |title=Divergent series |work=How Euler Did It |publisher=MAA Online |url=http://www.maa.org/editorial/euler/How%20Euler%20Did%20It%2032%20divergent%20series.pdf|format=PDF|accessdate =2013-08-31 |}} *{{cite journal |last=Sierpińska |first=Anna |title=Humanities students and epistemological obstacles related to limits |journal=Educational Studies in Mathematics |volume=18 |issue=4 |year=1987 |month=November |pages=371–396 |doi=10.1007/BF00240986 |jstor=3482354}} {{refend}} {{級数}} {{DEFAULTSORT:/1いちたすにたすよんたすはちたす}} [[Category:級数]] [[Category:実数]] [[Category:数学に関する記事]] [[Category:P進数]]
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