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{{Chembox | 出典={{ICSC-small|0045}} | Name =1,2-ジブロモエタン | ImageFile = 1,2-Dibromoethane v2.svg | ImageSize = 120px | ImageAlt = 1,2-Dibromoethane | IUPACName =1,2-ジブロモエタン | OtherNames =エチレンジブロミド<br/>EDB<br/>臭化エチレン<br/>二臭化エチレン | Section1 = {{Chembox Identifiers | CASNo =106-93-4 | KEGG = C11088 | SMILES=C(Br)CBr }} | Section2 = {{Chembox Properties | Formula =C<sub>2</sub>H<sub>4</sub>Br<sub>2</sub> | MolarMass =187.86 | Appearance =無色液体 | Density =2.2, 液体 | 相対蒸気密度=6.5 | 融点=10 | 融点注= | 沸点=131 | 沸点注= | 昇華点= | 昇華点注= }} }} '''1,2-ジブロモエタン'''は[[分子式]] C<sub>2</sub>H<sub>4</sub>Br<sub>2</sub>、[[構造式]] CH<sub>2</sub>Br−CH<sub>2</sub>Br で表される[[有機化合物]]である。藻や昆布などにより少量が合成されるため海にごく微量が存在しているが、大半は人工的に合成されている。無色の液体で甘い臭いがする。 == 合成 == [[エチレン]]と[[臭素]]の[[求電子付加反応]]により合成される。 : <chem>C2H4\ + Br2 -> C2H4Br2</chem> == 利用 == [[有機合成化学]]において、[[グリニャール試薬]]の調製時に[[マグネシウム]]の活性化剤として用いられることがある。これは1,2-ジブロモエタンがエチレンとマグネシウムブロミドになり、マグネシウム表面の皮膜に覆われた部分を取り除くというものである<ref>Maynard, G. D. "1,2-Dibromoethane" in Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis (Ed: L. Paquette) 2004, J. Wiley & Sons, New York. DOI:[https://doi.org/10.1002/047084289X.rd039 10.1002/047084289X.rd039].</ref>。詳細は項目[[グリニャール試薬#ハロゲン化アルキルとマグネシウムの反応]]を参照のこと。 [[1,2-エタンジチオール]]のような様々な1,2-置換エタン誘導体の合成の前駆体ともなる。また、[[カルバニオン]]をブロモ化するために用いられることがある。 一時期は[[有鉛ガソリン]]の添加剤にも用いられ、[[エチル コーポレーション]]社などから販売されていた。 === 殺虫剤、燻蒸剤としての利用 === 農業やかんきつ類や野菜、穀草などの保存では殺虫剤として用いられていた。アメリカ合衆国では[[アメリカ合衆国環境保護庁|アメリカ環境保護局]](EPA)の指導により1984年から使用が禁止されている。その後丸太に対してシロアリや甲殻類の駆除に用いられたり、[[ミツバチ]]の巣箱の害虫除け、色素やろうの原料などに用いられる。日本では1956年9月22日に農薬登録を受けたが、[[1986年]]以降、農薬として出荷されることはほとんどなくなり<ref name=webkis>[http://db-out.nies.go.jp/kis-plus/Ed_top2.php?cas_id=106-93-4&cas=106-93-4 日本国 国立環境研究所 Webkis-plus 1,2-ジブロモエタン]</ref>、1990年12月18日には登録が失効した<ref name="Sanseido">{{Cite book|和書 |author=植村振作・河村宏・辻万千子・冨田重行・前田静夫著 |year=2002 |title=農薬毒性の事典 改訂版 |publisher=三省堂 |isbn=978-4385356044 }}</ref>。 == 健康への影響 == 吸入することによる人に対する影響は未知数である。 大量に飲むと、赤い炎症や水ぶくれ、口内炎や胃潰瘍などができる可能性があり、最悪の場合は死に至る。しかし、少量の場合は死に至る可能性はほとんどない。 ラットの場合、短時間に高濃度の蒸気を吸入すると死に至る。低濃度の場合は[[肝臓]]、[[腎臓]]に障害を与える。吸入させたり餌に混ぜたりすると、生殖能力が低下したり精子異常が起きたりするなど[[変異原|変異原性]]があることが確認されている<ref>「[http://www.jaish.gr.jp/anzen/gmsds/0586.html 製品安全データシート]」 安全衛生情報センター。</ref>。また次の世代に対する悪影響もあることが確認された。 人間に対する影響の詳細は調べられていないが、生殖能力に悪影響を与えるのではないかと考えられている。また発がん性もあると考えられており、[[国際がん研究機関]]による発がん性評価ではグループ2Aの「発がん性の可能性が高い物質」に分類されている。 == 法的規制 == 日本では[[毒物及び劇物取締法]]により[[毒物及び劇物取締法#分類|劇物]]に指定されている。また日本、アメリカ合衆国などでPRTR法の対象物質ともなっている。 == 関連項目 == * [[ブロモエタン]] * [[1,2-ジクロロエタン]] == 参考文献 == <div class="references-small"><references/></div> {{DEFAULTSORT:しふろもえたん1,2}} [[Category:有機臭素化合物]] [[Category:失効農薬]] [[Category:劇物]]
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