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'''1/N展開''' (<span lang="en">1/N expansion</span>) は、主に量子論的[[場の量子論|場の理論]]で用いられる[[非摂動論]]的近似法の1つ。[[数学]]的観点からは[[摂動|摂動法]]の1種だが、[[物理学]]では非摂動論的近似法に属する<ref>[[物理学]]において[[摂動]]展開と言った場合、暗黙の了解として[[結合定数 (物理学)|結合定数]]を摂動パラメータとする摂動展開を指す。 一方、<math>1/N</math>展開の摂動パラメータは結合定数ではないので、摂動の各次数には、結合定数を展開パラメータとした場合、結合定数の無限次まで展開した計算結果が一部とは言え含まれているだろうと考えられる。このことから、非摂動的と呼ばれる。</ref>。[[量子色力学|QCD]]の[[クォークの閉じ込め]]問題の解決を期待して1970年代に開発、研究が進められたが、この問題の解決という観点からは期待はずれな結果に終わった<ref name="sakita_kikkawa">[[崎田文二]]・[[吉川圭二]]共著, 径路積分による多自由度の量子力学, 岩波書店, 1986, {{ISBN2|4 00 005313 2}}</ref>。 [[場]]が[[特殊ユニタリー群|SU(N)]]や[[直交群|O(N)]]などの[[対称性]]を持つ理論において、 場のスケーリングや[[補助場の方法]]([[物性物理学]]の分野ではしばしば、 ハバード・ストラトノヴィッチ(Hubbard-Stratonovich)変換とも呼ばれる)を利用して、 [[相互作用]]項の係数が<math>1/N</math>に比例するように[[ラグランジュ力学|ラグランジアン]]を 変換し、<math>1/N</math>を[[摂動]]パラメータとして摂動計算をおこなう。 実際の計算では、展開の1次で計算をストップしてしまうことも多い。 多くのモデルでは、<math>N</math>は2か3であるが、 [[自然単位系]]では [[量子電磁力学|QED]] における[[結合定数 (物理学)|結合定数]] <math>e</math> は <math>0.3</math> 程度であり、QEDの摂動計算が非常によい近似を与えていることを考えると、展開して得られた結果が定量的にも悪くない結果を与えるはずであると[[エドワード・ウィッテン|ウィッテン]]は指摘している <ref name="witten">E. Witten, "Baryons in the 1/N Expansion," Nucl.Phys.B160:57,1979.</ref>。 == 参考文献 == 以下の教科書に計算例が載っている。 *NJL([[南部陽一郎|南部]]=ヨナ=ラシーニョ)模型の計算例<ref> [[九後汰一郎]]著, ゲージ場の量子論II, 培風館, {{ISBN2|4 563 02424 4}}</ref> *[[直交群|O(N)]][[非線型シグマモデル|非線形シグマ模型]]の計算例(latticeでの計算)<ref name="sakita_kikkawa"/> *<math>\phi^4</math>理論、[[デイビッド・グロス|グロス]]=ヌヴー(Gross-Neveu)模型,<math>CP^{N-1}</math>模型,[[ヘーラルト・トホーフト|トゥフーフト]]('t Hooft)模型の計算例<ref name="coleman">S. Coleman, Aspects of Symmetry, Cambridge University Press, 1985, {{ISBN2|0 521 31827 0}}</ref> == 脚注 == <references/> {{physics-stub}} {{DEFAULTSORT:1/nてんかい}} [[Category:素粒子物理学]]
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