DSSP (水素結合推定アルゴリズム)のソースを表示

{{Infobox Software
| 名称 = DSSP
| ロゴ = <!-- ロゴ画像。[[ファイル:example.png|50px]]のようにウィキ構文で指定する -->
| スクリーンショット = <!-- スクリーンショット。[[ファイル:example.png|100px]]のようにウィキ構文で指定する -->
| 説明文 = <!-- スクリーンショットの説明文 -->
| 開発者 = {{仮リンク|クリス・サンダー|en|Chris Sander (Scientist)}} <br />Wolfgang Kabsch<br />Maarten Hekkelman<!-- 人物の名前 -->
| 開発元 = {{仮リンク|分子・生体分子インフォマティクスセンター|en|Center for Molecular and Biomolecular Informatics}}<!-- 組織の名前 --> （CMBI、オランダ）
| 初版 = 1983年<!-- 初版の発表日。{{Start date and age|年|月|日}} 等のテンプレートが便利 -->
| 最新版 =4.0.5
| 最新版発表日 = {{Start date and age|2022|05|03}}  <!-- 最新版（安定版）の発表日。{{Start date and age|年|月|日}} 等のテンプレートが便利 -->
| 最新評価版 = 
| 最新評価版発表日 = <!-- 最新評価版の発表日。{{Start date and age|年|月|日}} 等のテンプレートが便利 -->
| リポジトリ = https://github.com/PDB-REDO/dssp
| プログラミング言語 = [[C++]]
| 対応OS = [[Linux]]、[[macOS]]、[[Windows]]
| エンジン = <!-- ソフトが使用しているエンジン。ウェブブラウザにおけるレンタリングエンジン（Gecko、WebKit）など -->
| 対応プラットフォーム = <!-- CPUアーキテクチャなど -->
| サイズ = <!-- バイナリのサイズ -->
| 対応言語 = 
| サポート状況 = 
| 種別 = [[計算化学]]
| ライセンス = [[Boost]] Software License - Version 1.0
| 公式サイト = http://swift.cmbi.ru.nl/gv/dssp/
}}
'''DSSP'''アルゴリズムは、原子解像度座標が与えられた[[タンパク質]]の[[アミノ酸]]に[[二次構造]]を割り当てるための標準的手法である。DSSPという略称はこのアルゴリズムが発表された1983年の論文で一度だけ触れられている<ref name="Kabsch1983">{{cite journal | authors = Kabsch W, Sander C | title = Dictionary of protein secondary structure: pattern recognition of hydrogen-bonded and geometrical features | journal = Biopolymers | volume = 22 | issue = 12 | pages = 2577–637 | year = 1983 | pmid = 6667333 | doi = 10.1002/bip.360221211}}</ref>。論文ではDSSPは「Define Secondary Structure of Proteins」アルゴリズムを実装した[[Pascal]]プログラムの名称である。

DSSPは純粋に静電的定義を使ってタンパク質の主鎖内[[水素結合]]を同定することから始める。カルボニル酸素原子とアミド水素原子にはそれぞれ−0.42 ''e''と+0.20 ''e''の部分電荷を、カルボニル炭素原子とアミド窒素原子には符号が逆の部分電荷を仮定する。水素結合は以下の式において''E''が−0.5 kcal/molより小さくなると識別される。
:<math>
E = 0.084 \left\{ \frac{1}{r_{ON}} +  \frac{1}{r_{CH}} - \frac{1}{r_{OH}} - \frac{1}{r_{CN}} \right\} \cdot 332 \, \mathrm{kcal/mol}
</math>
上式において、 r_{AB}項は原子AとBとの間の距離を示す（CおよびOはカルボニル基の炭素原子および酸素原子、NおよびHはアミド基の窒素原子および水素原子）。

これに基づいて、8種類の二次構造が割り当てられる。[[310ヘリックス|3<sub>10</sub>ヘリックス]]、[[αヘリックス]]、[[πヘリックス]]は記号'''G'''、'''H'''、'''I'''を持ち、残基がそれぞれ3、4、5残基離れた水素結合の反復配列を持つことによって識別される。[[βシート]]構造には2種類が存在する。βブリッジは記号'''B'''を持ち、[[βバルジ]]は記号'''E'''を持つ。記号'''T'''はらせんに特有の水素結合を持つターン構造に用いられ、'''S'''は高い曲率（<math>\overrightarrow{C_i^\alpha C_{i+2}^\alpha}</math>と<math>\overrightarrow{C_{i-2}^\alpha C_i^\alpha}</math>との間の角度が少なくとも70°）の領域に用いられ、空白は適用される規則がない時に用いられループを表わす<ref name="DSSPmanual">{{cite web|url=http://swift.cmbi.ru.nl/gv/dssp/ |title=DSSP manual|accessdate=2017-12-12}}</ref>。これら8種類は通常3つのクラスに分類される: ヘリックス（'''G'''、'''H'''、'''I'''）、ストランド（'''E'''、'''B'''）、ループ（'''S'''、'''T'''、'''C'''; '''C'''は空白で表わされることもある）。

2002年、連続的なDSSP割り当てが複数の水素結合閾値を導入することによって開発された<ref name="Andersen2002">{{cite journal |vauthors=Andersen CA, Palmer AG, Brunak S, Rost B |title=Continuum secondary structure captures protein flexibility |journal=Structure |volume=10 |issue=2 |pages=175–184 |year=2002 |pmid=11839303 |doi=10.1016/S0969-2126(02)00700-1}}</ref>。新たな割り当てはタンパク質の運動と相関していることが明らかにされた。

バージョン2.1.0からヘリックスの割り当てが変更され、πヘリックスがαヘリックスに優先されるようになった。

==脚注==
{{reflist}}

==関連項目==
* [[STRIDE]]
* {{仮リンク|クリス・サンダー|en|Chris Sander (Scientist)}}

== 外部リンク ==
* [http://botdb.abcc.ncifcrf.gov/proteinAnal/dsspUpload.jsp DSSP Analysis tool]
* [http://rostlab.org/owiki/index.php/DSSPcont Continuous DSSP tool]
* [http://www.protein.osaka-u.ac.jp/rcsfp/supracryst/suzuki/jpxtal/Katsutani/dssp.php  PyMOL > 二次構造の割り当て（DSSP）] - Windowsで行こう - 構造生物学に関する備忘録 - 鈴木守ユニット | JPXTAL - 大阪大学 蛋白質研究所

{{二次構造}}

[[Category:タンパク質構造]]
[[Category:アルゴリズム]]