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'''GRS検定'''(GRSけんてい、{{lang-en-short|GRS test, Gibbons–Ross–Shanken test}})とは、[[金融経済学]]において、[[裁定価格理論|マルチファクター型資産価格モデル]]の妥当性を調べるための統計学的な[[仮説検定]]の一つである。Michael Gibbons, {{仮リンク|ステファン・ロス|en|Stephen Ross (economist)}}、Jay Shanken により[[1989年]]に発表された<ref name="GRS">{{Citation |last1 = Gibbons |first1 = Michael R. |last2 = Ross |first2 = Stephen A. |last3 = Shanken |first3 = Jay Shanken |title = A Test of the Efficiency of a Given Portfolio |journal = [[Econometrica]] |year = 1989 |volume = 57 |issue = 5 |pages = 1121-1152 |doi = 10.2307/1913625 |jstor = 1913625 |ref=Gibbons,Ross,Shanken1989 }}</ref>。GRS検定はマルチファクターモデルの実証における検定としてはポピュラーなものの一つである。 市場には <math>N</math> 個の資産があるとする。<math>K</math> 個のファクターによるマルチファクター型資産価格モデルの下で、任意の金融資産 <math>i</math> の[[リスクプレミアム]] <math>\operatorname{E}[R_i^e]</math> は次のような方程式を満たす。 :<math>\operatorname{E}[R_i^e] = \beta_{i,1} \operatorname{E}[F_1] + \cdots + \beta_{i,K}\operatorname{E}[F_K],\quad i=1\dots,N</math> ここで <math>F_1,\dots,F_K</math> は全ての資産に共通のファクターであり、<math>\beta_{i,1},\dots,\beta_{i,K}</math> は各資産 <math>i</math> に固有のファクターに対する感応度を表している。この方程式の実証は通常、以下の回帰式に対して[[最小二乗法]]を当てはめることで行われる。 :<math>R_{i,t}^e = \alpha_i + \beta_{i,1}F_{i,t} + \dots + \beta_{i,K}F_K + \epsilon_{i,t},\quad t=1,\dots,T</math> ここで <math>R_{i,t}^e,F_{1,t},\dots,F_{K,t}</math> は資産 <math>i</math> の超過リターンとファクターの <math>t</math> 時点における実現値である。<math>\alpha_i</math> は定数項でモデルが正しければ0となる。<math>\epsilon_{i,t}</math> は誤差項である。 全ての資産 <math>i=1,\dots,N</math> について上の回帰式に対し、最小二乗法による[[回帰分析]]を行うことで定数 <math>\alpha_i</math> の推定値 <math>\widehat\alpha_i,\;i=1,\dots,N</math> が得られる。ここで想定したマルチファクターモデルが正しいならば、定数項 <math>\alpha_i,\;i=1,\dots,N</math> の'''全て'''がゼロであるべきである。したがって、<math>\alpha_i</math>という{{仮リンク|回帰診断|en|Regression diagnostic|label=説明変数の存在についての仮説検定}}において[[帰無仮説]]「すべての {{mvar|''i''}} について、{{math|α{{msub|''i''}} {{=}} 0}}」が成り立つかどうかをみればよい。任意の時点における全ての資産の誤差項を並べた <math>N</math> 次元のベクトル <math>(\epsilon_{1,t},\dots,\epsilon_{N,t})^\prime</math> がある <math>N</math> 次元[[正規分布]] {{math|N(0, ∑{{msub|''ϵ''}})}} に従う(等分散性)と仮定すると、[[二次形式]] <math>\widehat\boldsymbol\alpha\prime \widehat\Sigma^{-1} \widehat\boldsymbol\alpha</math> の[[F検定]]統計量 :<math>\frac{T-N-K}{N}\Big(1\ +\ \overline{\boldsymbol{F}}^\prime\widehat{\Omega}^{-1}\overline{\boldsymbol{F}}\Big)^{-1}\widehat{\boldsymbol{\alpha}}^\prime\widehat{\Sigma}^{-1}\widehat{\boldsymbol{\alpha}}</math> は自由度 <math>N</math> と <math>T-N-K</math> の[[F分布]]に従う<ref name="GRS"/><ref>{{Citation |last = Cochrane |first = John H. |title = Asset Pricing |year = 2005 |publisher = Princeton University Press |location = Princeton, NJ |edition = 2 |isbn = 9780691121376 |page = 230-233 |ref = Cochrane2005 }}</ref>。ここで :<math> \overline{\boldsymbol{F}} = \frac{1}{T}\sum_{t=1}^T \boldsymbol{F}_t</math> :<math> \boldsymbol{F}_t = (F_{1,t},\dots,F_{K,t})^\prime </math> :<math> \widehat{\Omega} = \frac{1}{T}\sum_{t=1}^T(\boldsymbol{F}_t- \overline{\boldsymbol{F}}) (\boldsymbol{F}_t- \overline{\boldsymbol{F}})^\prime</math> :<math> \widehat{\boldsymbol{\alpha}} = (\widehat\alpha_1,\dots,\widehat\alpha_N)^\prime</math> :<math> \widehat{\Sigma} = \frac{1}{T}\sum_{t=1}^T\widehat{\boldsymbol{\epsilon}}_t \widehat{\boldsymbol{\epsilon}}_t^\prime</math> :<math> \widehat{\boldsymbol{\epsilon}}_t = (\widehat{\epsilon}_{1,t},\dots,\widehat{\epsilon}_{N,t})^\prime </math> であり、<math>\prime</math> はベクトルの転置、<math>\widehat{\epsilon}_{i,t}</math> は資産 <math>i</math> の時点 <math>t</math> における回帰残差を表す。ここで分かる通り、データを観測した時点の数 <math>T</math> は必ず資産数とファクター数の合計 <math>N+K</math> より大きくなければならない。通常、データは月次収益率のデータを用いることが多く、その場合は例えば100年間の月次収益率のデータを使っても <math>T</math> は1200にしかならず、市場における資産数 <math>N</math> より少ないことが予想される。よって、個別資産単位ではなく、特定のポートフォリオごとに回帰式を当てはめることで <math>N</math> の数を減らす工夫が行われている。特に資産価格モデルの実証が目的となるため、ここで用いられるポートフォリオは[[時価総額]]別ポートフォリオや[[PBR]]別ポートフォリオ、[[モメンタム]]別ポートフォリオなどの[[CAPM]]アノマリーを起こすようなポートフォリオとなる。 ==脚注== <references /> ==関連項目== * [[資本資産価格モデル]] * [[裁定価格理論]] * [[異時点間CAPM]] * [[ファーマ=フレンチの3ファクターモデル]] * [[ファーマ–マクベス回帰]] {{デフォルトソート:GRSけんてい}} [[Category:金融経済学]] [[Category:統計検定]] [[Category:数学に関する記事]]
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