Iδ指数のソースを表示

'''<math>I_\delta</math>指数 '''（あいでるたしすう）は、[[個体群生態学]]における[[指数]]。生物の[[分布様式]]を示す分布集中度指数のひとつである。
[[1959年]]に[[森下正明]]（1913年 - 1997年)が提唱したものである。生物の分布様式を調べる際、対象とする場を特定の大きさの区画に分け（コドラート法、[[分布様式]]区画法の項参照）、それぞれに含まれる個体数を数えることでしらべる方法が普通である。ところが、それまで広く用いられていた分散指数 <math>\sigma^2/m</math> を用いる手法では、非機会分布のとき区画ごとの個体数の平均によって影響を受ける。この指数はその点を改良したもので、生物の分布様式解析の定番となった。考案者にちなんで'''森下の<math>I_\delta</math>指数'''（もりしたのあいでるたしすう）、森下の公式、Morisita Overlap Index とも呼ばれる。（森下本人のこだわりからMorishitaではなくMorisitaである。）

<math>I_\delta</math>指数を計算するに際して、調査区域を隣接するいくつかの区画、たいていの場合は方形区に分割し、その中の個体数を数える。

<math>I_\delta</math>指数は、次の数式で定義される。

:<math>I_\delta = q \sum_{j=1}^q x_j(x_j-1) \Bigg/ \sum_{j=1}^q x_j\left(\sum_{j=1}^q x_j - 1\right)</math>

:<math>q</math> ：区画数
:<math>x_j</math> ：j番目の区画内の個体数

:<math>I_\delta > 1</math>　のとき分布様式は集中分布
:<math>I_\delta = 1</math>　のとき分布様式は[[ポアソン分布]]に従う機会分布
:<math>I_\delta < 1</math>　のとき分布様式は一様分布

== 関連項目 ==
*[[森下正明]] -　本指数の提案者（[[京都大学]]名誉教授）
*[[Cλ指数]] -　[[群集生態学]]

== 参考論文 ==
*[http://reference.morisita.gr.jp/paper_pdf/37.pdf Iδ指数の構造]　森下正明
*[http://reference.morisita.gr.jp/paper_pdf/35.pdf 指数のサンプリングへの応用]　森下正明
*[http://reference.morisita.gr.jp/paper_pdf/13.pdf Iδ-法における母集団値推定法の改訂]　森下正明
*[http://reference.morisita.gr.jp/paper_pdf/57_1.pdf ヒメアメンボの棲息密度と移動　その1]　森下正明
*[http://reference.morisita.gr.jp/paper_pdf/57_2.pdf ヒメアメンボの棲息密度と移動　その2]　森下正明

== 参考サイト ==
*[http://www.morisita.or.jp/ 一般財団法人京都大学名誉教授森下正明研究記念財団]　
*[http://reference.morisita.or.jp/ 森下正明論文集]　
[[Category:個体群生態学|あいてるたしすう]]