NDVIのソースを表示

{{出典の明記|date=2009年7月}}
'''NDVI'''（エヌディーブイアイ、Normalized Difference Vegetation Index）とは、[[植生]]の分布状況や活性度を示す指標である{{Sfn|松下|2019|p=9}}。日本語では正規化差植生指数（他に、正規化植生指数{{Sfn|松下|2019|p=9}}、植生指数など）。

NDVIは次式によって与えられる（ただし、<math>NIR</math>は近赤外域の反射率、<math>RED</math>は赤色光の反射率である）{{Sfn|松下|2019|p=9}}。
:<math>NDVI = \frac{NIR-RED}{NIR+RED}</math>

NDVIは、-1から1の間に[[正規化]]された数値で示され{{Sfn|島田|2007|p=16}}、植生が濃い場合、NDVIの値が大きくなる{{Sfn|松下|2019|p=9}}。
<!--わかる方整理をお願いします
== 概要 ==
植物の葉に含まれるクロロフィルは近赤外領域の波長をはね返し、赤領域の波長を吸収する性質がある。そのような植生の性質を生かし、[[衛星リモートセンシング]]では植生指標を算出するのに近赤外波長と赤波長の値が用いられる。それらの値はRANDSAT,AVHRR,SPOT,NOAA,MODISなどの[[気象衛星]]で地球を観測して出される。衛星の測定値に誤差が生じることがあるが、その原因はちりや天頂角の大きい[[エアロゾル]]、面積の狭い雲などの大気の状態が関係している。誤差が生じた場合は「地上調査の情報」を観測し、それを使って衛星記録データを訂正する。
NDVIセンサーは1,2または4チャンネルのセンサーで入射・反射光の測定を行う。2,4チャンネルセンサーには拡散板が付いており、取り外して[[コサイン補正]]ができるようになっている。センサーから拡散板を外すと狭い受信角度で岩や穀物、土壌などから反射した光を測定しやすくなる。センサーチャンネルは280〜1100nmの波長域の中から指定することが可能である。
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== NDVIデータの利用 ==
[[File:NDVI 2017-09-10.png|thumb|ブラジル南部のポンタ・グロッサの都市部に適用されたランドサット8によるNDVI]]
NDVIデータによって、[[気象]]サービスや[[洪水]]、[[干ばつ]]の[[モニタリング]]が行われる。また、どのような[[昆虫]]がどんな地域に繁殖しているか、収穫物の生産に関する情報、[[山火事]]が起こる可能性を知るときにもこのデータは利用される。森林面積の経年的変化や[[土地被覆分類]]の把握に用いられるため、砂漠侵略、森林伐採などの環境問題を考える上でも必要なデータである。森林の活動状況の指標としても使われ、それによって[[二酸化炭素]]の吸収量評価の一端を担っている。同様に植物による大気汚染物質の取り込み（[[大気浄化作用]]）の量を評価するにも、NDVIデータの応用が期待されている。

== NDVIを利用した研究 ==
NDVIは様々な研究に利用されている。例えば、飯野直子・金柿主税による「2007年のNDVI画像を用いた[[三宅島]]火山ガスハザードマッピング」が挙げられる。これは、JERS-1/OPSとTerra/ASTERデータを使用してNDVI画像を作成して、これらの差分をとって18ランクのレベルスライス画像をつくり、ハザードマップを作成したものである。他にも、[[広島県立総合技術研究所]]の農業技術センターによる、水稲を安定して生産するために必要な肥培管理の基となる生育診断にNDVIを応用する「幼穂形成期のNDVIと気象要因、穂肥施用量による水稲の収量推定」や[[東北工業大学]]と独立行政法人・[[情報通信研究機構]]（NiCT）が、山形県[[庄内平野]]に吹く清川だしが植生指標に与える影響について調査した「局地風『清川だし』と正規化植生指標（NDVI）について」などがある。

NDVIなどの分光反射を利用した植生指数は入射光の違いによる影響を大きく受ける<ref>{{Cite journal|author=Yoshitomo Yamasaki, Issei Ikeda, Ricardo Ospina, Noboru Noguchi|year=2021|title=Basic Research on a Field Scouting Robot Monitoring Crop Progress and Condition (Part 1) ――High-accuracy Acquisition Method of Spectral Reflection――|journal=The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers|volume=83(1)}}</ref>。そこで，入射光として人工照明を利用して分光反射画像を取得することでNDVIの質を向上させる研究も行われている<ref>{{Cite journal|last=Yamasaki|first=Yoshitomo|last2=Morie|first2=Mizuki|last3=Noguchi|first3=Noboru|date=2022-02-01|title=Development of a high-accuracy autonomous sensing system for a field scouting robot|url=https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0168169921006475|journal=Computers and Electronics in Agriculture|volume=193|pages=106630|language=en|doi=10.1016/j.compag.2021.106630|issn=0168-1699}}</ref>。

== 脚注 ==
{{Reflist}}

== 参考文献 ==
*{{Cite book|和書|author=島田沢彦|year=2007|chapter=リモートセンシングによる解析|pages=8-27|editor=長澤良太・原慶太郎・金子正美|title=自然環境研究のためのリモートセンシング・GISハンドブック|publisher=古今書院|isbn=978-4-7722-4109-0|ref={{SfnRef|島田|2007}}}}
*{{Cite book|和書|author=松下文経|year=2019|chapter=空から地球環境を俯瞰する|pages=7-12|editor=松岡憲知・田中博・杉田倫明・八反地剛・松井圭介<!--既存独立記事とは別人-->・呉羽正昭・加藤弘亮（編）|title=改訂版 地球環境学|series=地球学シリーズ|publisher=古今書院|isbn=978-4-7722-5319-2|ref={{SfnRef|松下|2019}}}}

== 参考資料 ==
*[http://www.agri.pref.hokkaido.jp/center/syuppan/a_rimosen/sld008.htm 植生指標とは]{{リンク切れ|date=2019年12月}}
*[http://www1.gsi.go.jp/geowww/EODAS/ndvi.html 国土環境モニタリング]{{リンク切れ|date=2019年12月}}
*[http://www.prede.com/NDVIsensor.pdf DVIセンサー]{{リンク切れ|date=2019年12月}}
*[http://es.educ.kumamoto-u.ac.jp/volc/miyakejima/pdf/091TaiQ_Miy.pdf 2007年のNDVI画像を用いた三宅島火山ガスハザードマッピング]
*[http://www.affrc.go.jp/ja/agropedia/seika/data_kinki 近畿中国四国農業研究センター]{{リンク切れ|date=2019年12月}}
*[http://www-lidar.nies.go.jp/LRSJ/25thLSS/25th_o_papers/B-5uchida.pdf 局地風「清川だし」と正規化植生指標（NDVI）について]{{リンク切れ|date=2019年12月}}

== 関連項目 ==
* [[レッドエッジ]]

{{env-stub}}
{{DEFAULTSORT:えぬていふいあい}}
[[Category:リモートセンシング]]
[[Category:生物地理学]]
[[Category:衛星気象学]]