Q-Qプロットのソースを表示

{{distinguish|{{ill2|P-Pプロット|en|P–P plot}}}}
[[File:normal exponential qq.svg|upright=1.35|right|thumb|無作為に生成された独立な標準[[指数分布|指数]]分布データ({{math|''X'' ~ Exp(1)}})の正規Q-Qプロット。このQ-Qプロットは、縦軸の[[データ]][[標本調査|標本]]をとり、横軸の[[統計的母集団]]をとって比較したものである。このプロットは強い非線形の関係で、データが標準正規分布（{{math|''X'' ~ N(0,1)}}）にしたがって分布してないことを示唆している。線と点の間のずれは、データの平均が0ではないことを示唆し、点の中央値は0.7付近であることがわかる。]]
[[File:normal normal qq.svg|upright=1.35|thumb|right|無作為に生成された独立な標準正規データを縦軸に、標準正規分布の母集団を横軸に比較した正規Q-Qプロット。点が直線的であることから、データが正規分布に従っていることを示唆している。]]
[[File:ohio temps qq.svg|upright=1.35|thumb|米国オハイオ州の25箇所の観測点における3月と7月の[[標準得点|標準化]]された日最高気温の分布を比較するQ-Qプロット。湾曲したパターンは、3月よりも7月の方が中央[[分位数]]の間隔が狭く、7月の分布が3月の分布に比べて左に[[歪度|歪んで]]いることを示唆している。データは1893年から2001年の期間で収集した。]]

'''Q-Qプロット'''（{{Lang-en-short|Q–Q plot, quantile–quantile plot}}）は、統計学における確率プロットの一つで、2つの[[確率分布]]の[[分位数]]（''quantiles''）を互いにプロットして比較する{{Ill2|グラフィカル手法の一覧|en|List of graphical methods|label=グラフィカルな手法}}である<ref>{{Citation | last1=Wilk | first1=M.B. | last2=Gnanadesikan | first2=R. | journal=Biometrika | year=1968 | volume=55 | pages=1–17 | title=Probability plotting methods for the analysis of data | jstor=2334448 | issue=1 | publisher=Biometrika Trust | pmid=5661047 | postscript=. | doi=10.1093/biomet/55.1.1}}</ref>。プロット上の点 {{math|(''x'', ''y'')}} は、第1の分布の同じ分位数（{{math|''x''}}座標）に対して、第2の分布の分位数（{{math|''y''}}座標）の1つを対応させてプロット（打点）する。したがって、これは分位区間のインデックスをパラメータとする[[パラメトリック方程式|パラメトリック曲線]]を定義する。

比較している2つの分布が類似している場合、Q-Qプロットの点は、ほぼ{{Ill2|恒等線|en|Identity line}} {{math|''y'' {{=}} ''x''}} 上に位置する。分布が線形関係にある場合、Q-Qプロットの点は、ほぼ直線上に位置するが、必ずしも直線 {{math|''y'' {{=}} ''x''}} 上に位置するとは限らない。Q-Qプロットは、{{Ill2|位置-尺度分布族|en|Location–scale family}}のパラメータを推定するためのグラフィカルな手法としても使用できる。

Q-Qプロットは、分布の形状を比較するために使用され、{{Ill2|中心傾向|en|Central tendency|label=位置}}、[[統計的ばらつき|尺度]]、[[歪度]]などの特性が2つの分布でどのように類似しているか、または異なっているかをグラフィカルに表わす。Q-Qプロットは、データの集合や[[統計的母集団|理論的分布]]を比較するために使用することができる。Q-Qプロットの使用して2組のデータ標本を比較することは、それらの潜在的な分布を比較する[[ノンパラメトリック手法]]と見なすことができる。Q-Qプロットは、2つの標本の[[ヒストグラム]]を比較する一般的な手法よりも診断に役立つが、（解釈にはより多くの技量を要し）あまり広くは知られていない。Q-Qプロットは、データ集合を理論モデルを比較するためによく使用される{{sfnp|Gnanadesikan|1977|p=199}}<ref name="thode21" />。これにより、{{Ill2|統計モデルの適合度|en|Goodness of fit|label=適合度の評価}}を、数値的な[[要約統計量]]に還元するのではなく、グラフィカルに行うことができる。また、Q-Qプロットは、2つの理論的分布を相互に比較するためにも使用される<ref name="gibbons" />。Q-Qプロットは分布を比較するので、[[散布図]]のように値を対として観察する必要はなく、比較される2つのグループの値の数を等しくする必要もない。

「確率プロット」（{{Lang-en-short|probability plot}}）という用語は、特にQ-Qプロットを指すこともあれば、場合によってはより一般的なプロットの種類や、またあまり一般的でない{{ill2|P-Pプロット|en|P–P plot}}を指すこともある。{{Ill2|確率プロット相関係数プロット|en|Probability plot correlation coefficient plot}}（{{Lang-en-short|probability plot correlation coefficient plot, PPCC plot}}）は、Q-Qプロットの概念から派生した量であり、観察データと適合した分布との適合度を評価し、分布をデータに適合させる手段として使用されることもある。

== 定義と構成 ==
[[File:State Route 20.png|thumb|upright=1.35|{{Ill2|ワシントン州道20号線|en|Washington State Route 20}}の最初の開通日・閉鎖日の正規分布に対するQ-Qプロット<ref name="closure">{{cite web |author-link= |date=October 2009 |title=SR 20 – North Cascades Highway – Opening and Closing History |work=North Cascades Passes |url=http://www.wsdot.wa.gov/Traffic/Passes/NorthCascades/closurehistory.htm |access-date=2009-02-08 |publisher=Washington State Department of Transportation}}</ref>。右上隅に外れ値が見える。]]

'''Q-Qプロット'''は、2つの分布の分位数を相互にプロットしたもの、または分位数の推定に基づくプロットである。プロット中の点のパターンは、2つの分布を比較するために使用される。

Q-Qプロットを作成する主な手順は、プロットする分位数を計算または推定することである。Q-Qプロットの軸の一方または両方が、連続[[累積分布関数]]（CDF）を伴う理論的分布に基づく場合、すべての分位点は一意に定義され、CDFを反転する （逆関数を求める）ことで得られる。比較される2つの分布のうちの1つが、不連続なCDFを伴う理論的確率分布である場合、分位数が定義されない場合もあるため、補間された分位数をプロットするなどで対応する。Q-Qプロットがデータに基づいている場合、複数の分位点推定量が使用される。分位数を推定または補間しなければならない場合、Q-Qプロットの作成規則は[[Q-Qプロット#プロット位置|プロット位置]]（{{Lang-en-short|plot positions}}）と呼ばれる。

もっとも単純なケースは、まったく同じ大きさの2つのデータ集合の比較である。この場合、Q-Qプロットを作成するために、それぞれの集合のデータを昇順に並べ、対応する値を対にしてプロットする。異なる大きさの2つのデータ集合を比較する場合はより複雑となる。この場合のQ-Qプロットを作成するには、同じ潜在的な確率に対応する分位数を作成できるよう、[[補間]]された分位数推定値を使用する必要がある。

より抽象的に言えば<ref name="gibbons">{{Harvp|Gibbons|Chakraborti|2003|loc=[https://books.google.com/books?id=kJbVO2G6VicC&pg=PA144#PPA144,M1 p. 144]}}</ref>、関連する[[分位関数]] {{math|''F''<sup>−1</sup>}} と {{math|''G''<sup>−1</sup>}} （CDFの逆関数が分位関数である）を有する2つの累積確率分布関数 {{math|''F''}} と {{math|''G''}} が与えられると、Q-Qプロットは、{{math|''q''}} の値の範囲について、{{math|''F''}} の {{math|''q''}} 番目の分位数に対する {{math|''G''}} の {{math|''q''}} 番目の分位数をプロットする。したがって、Q-Qプロットは、{{math|[0, 1]}} 上に実平面 {{math|'''R'''<sup>2</sup>}} の値でインデックス付けされた[[パラメトリック方程式|パラメトリック曲線]]である。

== 解釈 ==
Q-Qプロットにプロットされた点は、左から右に見たとき常に非減少（単調増加）となる。比較される2つの分布が同一である場合、Q-Qプロットは45°の直線 {{math|''y'' {{=}} ''x''}} に従う。一方の分布の値の線形変換後に2つの分布が一致する場合、Q-Qプロットは何らかの直線をたどるが、必ずしも直線 {{math|''y'' {{=}} ''x''}} とは限らない。Q-Qプロットの傾きが直線 {{math|''y'' {{=}} ''x''}} よりも緩やかであれば、横軸にプロットされた分布は、縦軸にプロットされた分布よりも[[統計的ばらつき|分散が大きい]]。逆に、Q-Qプロットの傾きが直線 {{math|''y'' {{=}} ''x''}} よりも急であれば、縦軸にプロットされた分布は、横軸にプロットされた分布よりも[[統計的ばらつき|分散が大きい]]ことになる。Q-Qプロットはしばしば湾曲あるいはS字形状であり、それぞれ、一方の分布が他方よりも歪んでいる、あるいは[[裾の重い分布]]であることを示す。

Q-Qプロットは分位数に基づく手法であるが、標準的なQ-Qプロットでは、Q-Qプロットのどの点が特定の分位数であるかを決定することはできない。たとえば、Q-Qプロットを調べて、比較されている2つの分布の一方の中央値を決定することはできない。いくつかのQ-Qプロットでは、このような決定を可能にするために十分位数を示している。

分位数間の線形回帰の切片と傾きは、標本の相対位置と相対スケールの尺度を与える。横軸にプロットされた分布の中央値が 0 である場合、回帰直線の切片は位置の尺度に対応し、傾きはスケールの尺度に対応する。中央値間の距離は、Q-Qプロットに反映される相対的位置のもう1つの尺度である。確率プロット相関係数（{{Lang-en-short|probability plot correlation coefficient, PPCC plot}}）は、対をなす標本の分位数間の[[ピアソンの相関係数|相関係数]]である。相関係数が1に近づくほど、分布はシフトし、互いに線形変換された分布に近づく。単一の形状パラメータを有する分布の場合、確率プロット相関係数プロットは、形状パラメータを推定する方法となる。形状パラメータのさまざまな値に対する相関係数を単純に計算し、異なる種類の分布を比較する場合と同様に、最も適合するものを使用する。Q-Qプロットのもう1つの一般的な用途は、正規確率プロットのように、標本の分布を[[標準正規分布]] {{math|''N''(0,1)}} のような理論的分布と比較することである。2組の標本データを比較する場合と同様、データを順序付けし（形式的には順序統計量を計算する）、それらを理論的分布の特定の分位数に対してプロットする<ref name="thode21">{{Harvp|Thode|2002|loc=Section 2.2.2, Quantile-Quantile Plots, [https://books.google.com/books?id=gbegXB4SdosC&pg=PA21#PPA21,M1 p. 21]}}</ref>。

== プロット位置 ==
理論的分布からの分位数の選択は、状況や目的に依存しうる。大きさ {{math|''n''}} の標本が与えられたとき、サンプリング分布が実現する分位数であるため、{{math|''k'' {{=}} 1, …, ''n''}} に対して {{math|''k'' / ''n''}} を用いる。最後の {{math|''n'' / ''n''}} は、100パーセンタイル（理論的分布の最大値）に対応し、これは無限大になりうる。他にも、{{math|(''k'' − 0.5) / ''n''}} を使用したり、あるいは {{math|''k'' / (''n'' + 1)}} を用いて、すべての点の間、および最も外側の2点と {{math|[0, 1]}} 区間の端の間の距離が等しくなるように {{math|''n''}} 点を配置する手法がある<ref>{{citation
|first=Waloddi
|last=Weibull
|title=The Statistical Theory of the Strength of Materials
|journal=IVA Handlingar, Royal Swedish Academy of Engineering Sciences
|number = 151
|year=1939
}}</ref>。

この他にも、理論的もしくは経験的文脈を伴うシミュレーションに基づく形式的あるいは発見的なものなど、多くの手法が提案されている。以下でこれらについて説明する。より詳しい問題に、{{Ill2|ドイツ戦車問題|en|German tank problem}}として知られる最大値の選択（母集団の最大値の推定）があり、これには「標本の最大値にギャップを加えた」のような解が存在し、最も単純には {{math|''m'' + ''m''/''n'' &minus; 1}} となる。この間隔一様化へのより形式的な応用はパラメータの{{Ill2|最大間隔推定|en|Maximum spacing estimation}}である。

=== 一様分布の順序統計量の期待値 ===
{{math|''k'' / (''n'' + 1)}} を用いる手法は、({{math|''n'' + 1}}) 個の無作為に抽出した値の最後の値が、最初の {{math|''n''}} 個の無作為に抽出した値の {{math|''k''}} 番目に小さな値を超えない確率に従って点をプロットすることと等価である<ref>{{citation|first=H.O.
|last=Madsen
|title=Methods of Structural Safety
|year=1986
|display-authors=etal}}</ref><ref>{{citation
|first=L.
|last=Makkonen
|title=Bringing closure to the plotting position controversy
|journal=Communications in Statistics – Theory and Methods
|issue=3
|pages=460–467
|year=2008
|volume=37
|doi=10.1080/03610920701653094
|s2cid=122822135
}}</ref>。

=== 標準正規分布の順序統計量の期待値 ===
{{Ill2|正規確率プロット|en|Normal probability plot}}を使用する場合、使用される分位数は、標準正規分布の順序統計量の期待値である[[ランキット]]（rankits）である。

より一般的には、[[シャピロ–ウィルク検定]]では、与えられた分布の順序統計量の期待値を用いる。得られたプロットと回帰直線は、（近似直線の[[切片 (数学)|切片]]と[[傾き (数学)|傾き]]から）位置とスケールに関する{{Ill2|一般化最小二乗法|en|Generalized least squares|label=一般化最小二乗}}推定値を与える<ref name="thode31">[https://books.google.com/books?id=gbegXB4SdosC Testing for Normality], by Henry C. Thode, CRC Press, 2002, {{isbn|978-0-8247-9613-6}}, [https://books.google.com/books?id=gbegXB4SdosC&pg=PA31 p. 31]</ref>。これは正規分布ではあまり重要ではないが（位置とスケールはそれぞれ平均と標準偏差によって推定されるため）、他の多くの分布では有用となる。

しかし、これには順序統計量の期待値を計算する必要があり、分布が正規分布でない場合には困難な場合がある。

=== 順序統計量の中央値 ===
その代わりに、順序統計量の[[中央値]]の推定値を使うこともでき、これは一様分布の順序統計量の中央値の推定値と、その分布の分位関数に基づいて計算される。この手法は、{{harvp|Filliben|1975}}によって提案された<ref name="thode31" />。これは、分位関数を計算することができる任意の分布に対して簡単に生成できるが、逆に、得られる位置およびスケールの推定値は、{{math|''n''}} が小さい場合にのみ有意に異なるものの、正確には最小二乗推定値ではない。

=== ヒューリスティクス ===
さまざまな異なる式が、[[アフィン写像|アフィン]][[対称性|対称]]プロット位置（{{Lang-en-short|plotting positions}}）として使用または提案されている。このような式は、0から1までの範囲にある {{math|''a''}} の値に対して、{{math|(''k'' − ''a'') / (''n'' + 1 − 2''a'')}} の形式をしており、{{math|''k'' / (''n'' + 1)}} と {{math|(''k'' − 1) / (''n'' &minus; 1)}} の間の範囲を与える。

次のような式がある。
* {{math|''k'' / (''n'' + 1)}}
* {{math|(''k'' − 0.3) / (''n'' + 0.4)}}.<ref>{{cite journal |last1=Benard |first1=A. |last2=Bos-Levenbach |first2=E. C. |date=September 1953  |title=The plotting of observations on probability paper |journal=Statistica Neederlandica |volume=7 |pages=163–173 |doi=10.1111/j.1467-9574.1953.tb00821.x |url=https://ir.cwi.nl/pub/8243 |language=nl}}</ref>
* {{math|(''k'' − 0.3175) / (''n'' + 0.365)}}.<ref>{{Cite web|title=1.3.3.21. Normal Probability Plot|url=https://www.itl.nist.gov/div898/handbook/eda/section3/normprpl.htm|access-date=2022-02-16|website=itl.nist.gov}}</ref>{{NoteTag|これも最初と最後の点に異なる表現を使っていることに注意。Richard M. Vogelは、{{harvp|Filliben|1975}}のオリジナルを引用している<ref name="vogel _1986">{{Cite web |url=https://engineering.tufts.edu/cee/people/vogel/publications/probability1986.pdf |title=The Probability Plot Correlation Coefficient Test for the Normal, Lognormal, and Gumbel Distributional Hypotheses |access-date=2013-01-16 |archive-date=2013-01-16 |archive-url=https://web.archive.org/web/20130116135602/https://engineering.tufts.edu/cee/people/vogel/publications/probability1986.pdf |doi=10.1029/WR022i004p00587 |author=Richard M. Vogel |year=1986}}</ref>。この式は {{math|''U''<sub>(''k'')</sub>}} の中央値の推定である。}}
* {{math|(''k'' − 0.326) / (''n'' + 0.348)}}.<ref>[http://cat.inist.fr/?aModele=afficheN&cpsidt=14151257 ''Distribution free plotting position'', Yu & Huang]</ref>
* {{math|(''k'' − ⅓) / (''n'' + ⅓)}}.{{NoteTag|プロット位置を決定するための簡単な（そして覚えやすい）公式。[[BMDP]]統計パッケージで使われている。}}
* {{math|(''k'' − 0.375) / (''n'' + 0.25)}}.{{NoteTag|これは、{{harvp|Blom|1958}} の初期の近似で、[[MINITAB]] で使われている式である。}}
* {{math|(''k'' − 0.4) / (''n'' + 0.2)}}.{{sfnp|Cunnane|1978}}
* {{math|(''k'' − 0.44) / (''n'' + 0.12)}}.{{NoteTag|このプロット位置は、Irving I. Gringortenが[[ガンベル分布]]の検定で点をプロットするために使用した<ref name="irving_1963">{{Cite journal |last=Gringorten |first=Irving I. |date=1963 |title=A plotting rule for extreme probability paper |url=https://doi.org/10.1029/JZ068i003p00813 |journal=Journal of Geophysical Research |language=en |volume=68 |issue=3 |pages=813–814 |doi=10.1029/JZ068i003p00813 |bibcode=1963JGR....68..813G |issn=2156-2202}}</ref>。}}
* {{math|(''k'' − 0.5) / ''n''}}.<ref>{{citation
|first=Allen
|last=Hazen
|title=Storage to be provided in the impounding reservoirs for municipal water supply
|journal=Transactions of the American Society of Civil Engineers
|number = 77
|year=1914
|pages=1547–1550
}}</ref>
* {{math|(''k'' − 0.567) / (''n'' − 0.134)}}.{{sfnp|Larsen|Curran|Hunt|1980}}
* {{math|(''k'' − 1) / (''n'' − 1)}}.{{NoteTag|{{harvp|Filliben|1975}} によって使用され、これらのプロット点は {{math|''U''<sub>(''k'')</sub>}} の[[最頻値|モード]]と等しくなる。}}
サンプルサイズ {{math|''n''}} が大きい場合、これらのさまざまな式の間にほとんど違いはない。

=== Fillibenの推定法 ===
順序統計量中央値（{{Lang-en-short|order statistic medians}}）は、その分布の[[順序統計量|順序統計]]の中央値である。これらは、連続一様分布の分位関数および[[順序統計量#一様分布の順序統計量|順序統計量の中央値]]を使用して、次式で表現できる。
: <math>
N(i) = G(U(i))
</math>

ここで、{{math|''U''(''i'')}} は一様順序統計量の中央値、{{math|''G''}} は目的の分布についての分位関数である。分位関数は、[[累積分布関数]]（{{math|''X''}} がある値以下である確率）の逆関数である。すなわち、ある確率を仮定すると、それに対応する累積分布関数の分位数が必要となる。

James J. Fillibenは、一様順序統計量の中央値を推定するために、次の式を用いた{{sfnp|Filliben|1975}}。
: <math>
m(i) = \begin{cases} 1 - 0.5^{1/n} & i = 1\\  \\
                     \dfrac{i - 0.3175}{n + 0.365} & i = 2, 3, \ldots, n-1\\  \\
                     0.5^{1/n} & i = n.\end{cases}
</math>
この推定値が非直感的な形をしている理由は、順序統計中央値は単純な形状をしていないためである。

== ソフトウェア ==
[[R (プログラミング言語)|Rプログラミング言語]]には、Q-Qプロットを作成する関数、すなわち{{code|stats}}パッケージのqqnormとqqplotが用意されている。{{code|fastqq}}パッケージは、多数のデータ点に対する高速プロットを実装している。

== 関連項目 ==
* {{Ill2|経験分布関数|en|Empirical distribution function}}（empirical distribution function）- 標本の経験的尺度に関連する分布関数（eCDFとも呼ばれる）
* [[プロビット]]（probit）- [[:en:Chester Ittner Bliss|Chester Ittner Bliss]]が1934年に提案した解析手法

== 脚注 ==

=== 注釈 ===
{{NoteFoot}}

=== 引用 ===
{{Reflist}}

=== 資料 ===
{{refbegin}}
* {{NIST-PD}}
* {{Citation
  | first = G.
  | last = Blom
  | year = 1958
  | title = Statistical estimates and transformed beta variables
  | publisher = John Wiley and Sons
  | location = New York
  }}
* {{Citation
  | last1 = Chambers
  | first1 = John
 |first2=William |last2=Cleveland |first3=Beat |last3=Kleiner |first4=Paul |last4=Tukey
  | year = 1983
  | title = Graphical methods for data analysis
  | publisher = Wadsworth
  }}
* Cleveland, W.S. (1994) ''The Elements of Graphing Data'', Hobart Press {{isbn|0-9634884-1-4}}
* {{Citation
  | last = Filliben
  | first = J. J.
  |date=February 1975
  | title = The Probability Plot Correlation Coefficient Test for Normality
  | journal = Technometrics
  | pages = 111–117
  | doi = 10.2307/1268008
  | volume = 17
  | jstor = 1268008
  | issue = 1
  | publisher = American Society for Quality
  | postscript = .
  }}
* {{citation
|title = Nonparametric statistical inference
|url = https://books.google.com/books?id=kJbVO2G6VicC
|first1=Jean Dickinson
|last1=Gibbons |author1-link = Jean D. Gibbons
|first2=Subhabrata
|last2=Chakraborti
|edition=4th
|publisher=CRC Press
|year=2003
|isbn=978-0-8247-4052-8
}}
* {{cite book |last=Gnanadesikan |first=R. |year=1977 |title=Methods for Statistical Analysis of Multivariate Observations |publisher=Wiley |isbn=0-471-30845-5}}
* {{Citation
  | first = Henry C.
  | last = Thode
  | title = Testing for normality
  | publisher = Marcel Dekker
  | location = New York
  | year = 2002
  | isbn = 0-8247-9613-6
  | url = https://books.google.com/books?id=gbegXB4SdosC
  }}
{{refend}}

== 外部リンク ==
{{Commons category|Q-Q plot}}
* [http://www.itl.nist.gov/div898/handbook/eda/section3/probplot.htm Probability plot]
* Alternate description of the QQ-Plot: http://www.stats.gla.ac.uk/steps/glossary/probability_distributions.html#qqplot

{{-}}
{{Statistics|descriptive}}
{{DEFAULTSORT:QQふろつと}}
[[Category:グラフ]]
[[Category:数学に関する記事]]