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{{出典の明記|date=2017年8月}} {{Infobox calculator | name = TI-89 | image = TI-89.jpg | caption = TI-89 | type = [[プログラム電卓|プログラミング]][[グラフ電卓]] | entry = [[:en:Calculator input methods#Mathematical display|DAL]] | introduced = 1998年 | discontinued = 2004年 | successor = [[#TI-89_Titanium|TI-89 Titanium]] | manufacturer = [[テキサス・インスツルメンツ]] | precision = | processor = [[MC68000|Motorola 68000]] | frequency = 10、12 MHz | display_type = [[液晶ディスプレイ|LCD]][[ドットマトリックス]] | display_size = 160×100 | prog_lang = | memory_user = 256 KB RAM (188 KB利用可能) | memory_rom = 2 MBフラッシュメモリ (639 KB利用可能) | memory_step = | weight = | dimensions = |supply = 4 {{仮リンク|AAAバッテリー|en|AAA battery}}、<br />1 CR1616 or CR1620 }} '''TI-89''' および '''TI-89 Titanium''' は[[テキサス・インスツルメンツ]](TI)が開発したグラフ描画可能な[[電卓]]である。欧米では内蔵の[[数式処理システム]](CAS)の人気により、当時の学生がよく使っていた。このため、試験や授業への持ち込みを禁止している学校が多かった。もはや古い電卓であるが、今(2017年現在)でも TI-89 Titanium が新品で入手可能であり、ACT(American College Testing)では禁止されている<ref>http://www.act.org/content/dam/act/unsecured/documents/ACT-calculator-policy.pdf</ref>。しかし、[[SAT (大学進学適性試験)]]など、電卓持ち込みが許されている試験もある。 日本では株式会社ナオコが取り扱っている。 == TI-89 == '''TI-89'''は[[1998年]]にリリースされた。160×100 ピクセルの[[液晶ディスプレイ]]と[[フラッシュメモリ]]を備え、''Advanced Mathematics Software'' を内蔵している。[[2004年]]夏、後継の TI-89 Titanium に置き換えられた。見た目が美しくないということで、TI-89 から Titanium への移行を好まないユーザーも多い。 TI-89 の[[マイクロプロセッサ]]は[[MC68000]]であり、10[[ヘルツ|MHz]]か12MHzで駆動している(ハードウェアのバージョンにより異なる)。[[Random Access Memory|RAM]]は256[[キロバイト|KB]](うち190KBをユーザーが利用可能)、[[フラッシュメモリ]]は2MB(うち700KBをユーザーが利用可能)である。これらのメモリに数式、[[変数 (プログラミング)|変数]]、[[プログラム (コンピュータ)|プログラム]]、テーブル、[[テキストファイル]]、リストを格納できる。 === 機能 === TI-89 は同社の[[TI-92 シリーズ|TI-92 Plus]]の[[キーボード (コンピュータ)|キーボード]]と表示を小型化したものである。TI-92 のような[[QWERTY配列]]のキーボードを備えた機器を試験に持ち込めないことが多いことから、電卓型の同等機能のものに対するニーズが大きく、TI-89を作ることになった。また、TI-92 は電卓としては大きすぎて扱いにくい。米国での大学入試(ACT)には持ち込めないが、SAT には持ち込める。 その最大の機能は組み込み型の[[数式処理システム]](CAS)である。このシステムには以下のような機能がある。 * 代数式の単純化。<code>(x^3-x^2-8x+12)/(x+3)</code> と入力すると <math>x^2-4x+4</math> と表示される。 * さらに factor 関数を使用可能。例えば、<code>factor((x^3-x^2-8x+12)/(x+3))</code> と入力すれば <math>(x-2)^2</math> と表示される。 * 逆に expand 関数を使えば、<code>expand((x-2)^2)</code> と入力すると <math>x^2-4x+4</math> と表示される。 * <code>comDenom</code> 関数は一種の通分機能を提供する。例えば、<code>comDenom(x/2+(y^2-6)/3-z^2/8)</code> は次のような結果となる。 : <math>\frac{12x+8y^2-3z^2-48}{24}</math>. * <code>propFrac</code> 関数は、<code>propFrac((x^2-5)/(x-3))</code> と入力すると次のような結果を返す。 : <math>\frac{4}{x-3}+x+3</math>. * [[三角関数]]では、sin(60°) で次のように結果を返す。 :<math>\frac{\sqrt{3}}{2}</math>. * また、<code>sin(arctan(x^2-6))</code> と入力すると次の結果を返す。 :<math>(x^2-6)\sqrt{\frac{1}{x^4-12x^2+37}}</math>. *<code>tExpand</code> を使うと、<code>sin(3x)cos(x)</code> を <math>4\sin(x)(\cos(x))^3-\sin(x)\cos(x)</math> のように展開する。 *<code>tCollect</code> は <code>tExpand</code> の逆を行う。 *<code>solve()</code> は、方程式と変数を指定し、その変数の解を返す。例えば、<code>solve(3x+3=12,x)</code> では <math>x=3</math> となる。解が複数ある場合は全てを列挙する。 *連立方程式も <code>solve(x+y=4 and x^2-6x+3=y,x)</code> のように入力し解く事が出来る。解が複素数になる場合も <code>cSolve</code> 関数で解く事が出来る。 *また、<code>simult</code> で[[行列式]]的な入力が可能で、16変数の16連立方程式まで解く事が可能。 *各種[[初等関数]]の[[微分]]を記号的に表せる。 * 正確な解が求められない場合も <code>nDeriv</code> 関数で近似解を求めることができる。 * 限定的ながら、[[積分]]も可能。 * 数式の[[極限]]も計算可能。 [[関数 (数学)|関数]]のグラフを二次元表示できるほか、各種グラフ表示が可能。 === プログラミング === TI-BASIC という[[BASIC]]言語で[[プログラム電卓|プログラム可能]]である。[[PC/AT互換機]]上でMC68000用の実行形式を作成する[[アセンブリ言語]]や[[C言語]]もある。リリース以来、様々なプログラムが開発されており、[[テトリス]]や[[マインスイーパ]]のクローンなどのゲームもある。また、[[ZX Spectrum]]のエミュレータや[[チェス]]のプログラムもある。 == TI-89 Titanium == [[ファイル:TI-89Titanium.png|thumb|TI-89 Titanium]] [[2004年]]夏に後継の '''TI-89 Titanium''' がリリースされた。2006年にはRAM増量と高速化 (16MHz) がされている。 ミニ[[ユニバーサル・シリアル・バス|USB]]ポートを備え、同一機種やPCと接続可能である。また、CellSheetという[[表計算ソフト]]が内蔵されている。数式処理システムも若干強化されている。 C言語やアセンブリ言語で TI-89向けに書かれたプログラムに問題が存在し、場合によっては再コンパイルが必要であるが、これに対処するユーティリティソフトウェアも登場している。非互換の原因はメモリマップの違いによるところが大きい。 == 脚注 == {{Reflist}} == 関連項目 == * [[HP 49/50 シリーズ]]([[ヒューレット・パッカード]]社の同時期の対抗機種) * [[TI-Nspireシリーズ]](このシリーズのCAS版は TI-89 Titanium の事実上の後継機種) == 外部リンク == *[http://education.ti.com/educationportal/sites/US/productDetail/us_ti89ti.html education.ti.com] 公式サイト (TI-89 Titanium) * [http://www.naoco.com/ 株式会社ナオコ] *[http://www.ticalc.org ticalc.org] TI 電卓向け各種プログラム *[http://education.ti.com/educationportal/appsdelivery/download/download_eula.jsp?applicationId=6129&contentPaneId=17&cid=US Manual] 各種言語のマニュアルがあるが、日本語はない * {{fr icon}} [http://www.total-ti89.com Tout pour la Ti89] {{Normdaten}} [[Category:携帯可能なコンピュータ]] [[Category:電卓]]
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