Torのソースを表示

{{Otheruses|ソフトウェア|その他|TOR}}
{{複数の問題
| 出典の明記 = 2021年1月
| 更新 = 2021年1月
}}
{{Infobox_Software
| 名称 = Tor
| ロゴ = [[File:Tor-logo-2011-flat.svg|200px]]
| スクリーンショット =
| 説明文 =
| 開発元 = The Tor Project<ref name="People">{{Cite web| title = Tor: People | url = https://www.torproject.org/people | date = 2008-07-17 | accessdate = 2011-04-08 }}</ref>
| frequently updated = Yes
| プログラミング言語 = [[C言語]]、[[Python]]
| 対応OS = [[クロスプラットフォーム]]
| 対応プラットフォーム =
| 種別 = [[オニオンルーティング]]/[[匿名]]
| ライセンス = [[BSD License]]
| 公式サイト = {{Unbulleted list
             |{{URL|https://www.torproject.org/}}
             |{{Onion URL|2gzyxa5ihm7nsggfxnu52rck2vv4rvm{{wbr}}dlkiu3zzui5du4xyclen53wid}}
             }}
}}
'''Tor'''（トーア<ref>{{Cite web|url=https://e-words.jp/w/Tor.html|title=Tor 【The Onion Router】|accessdate=2025-01-03|publisher=IT用語辞典}}</ref><ref>{{Cite web|url=https://kotobank.jp/word/tor-1256060|title=Tor（読み）トーア（その他表記）tor|accessdate=2025-01-03|publisher=コトバンク}}</ref><ref>{{Cite web|url=https://www.sompocybersecurity.com/column/glossary/tor|title=Torとは【用語集詳細】|accessdate=2025-01-03|publisher=SOMPO CYBER SECURITY}}</ref><ref>{{Cite web|url=https://eset-info.canon-its.jp/malware_info/special/detail/220126.html|title=Torブラウザーとは？どういった経緯で産み出されたのか？|accessdate=2025-01-03|publisher=Canon}}</ref>、トール {{Lang-en|The Onion Router}}）は、[[Transmission Control Protocol]]（TCP）を用いた通信を[[匿名]]化するための[[規格]]、およびその[[リファレンス実装]]である[[ソフトウェア]]の名称である。名称の由来は、オリジナルのソフトウェア開発プロジェクトの名称である「The Onion Router」の頭文字である。

== 略史 ==
{{see also|ダークウェブ}}
Torは当初、[[オニオンルーティング]]の開発元でもある、[[アメリカ海軍調査研究所]]によって支援されていたが<ref>[https://web.archive.org/web/20121025173801/http://wired.jp/wv/archives/2004/08/06/%E7%B1%B3%E6%B5%B7%E8%BB%8D%E3%81%8C%E7%94%A3%E3%81%BF%E3%80%81%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%82%B9%E9%99%A3%E5%96%B6%E3%81%8C%E8%82%B2%E3%81%A6%E3%82%8B%E5%8C%BF%E5%90%8D/ 米海軍が産み、オープンソース陣営が育てる匿名ネット技術『トーア』]</ref>、[[2004年]]以降は[[電子フロンティア財団]]（Electronic Frontier Foundation）により支援されるプロジェクトとなった。[[2005年]]11月以降<ref>[https://tor.eff.org/people.html Tor: People]</ref>はEFFによる金銭の支援は終了した。ウェブホスティングは継続されている。

=== 中国とTorプロジェクトの攻防 ===
[[File:Tor Animation en.webm|thumb|296x296ピクセル|Torの紹介動画]]
[[中華人民共和国]]（中国）は、[[2009年]]9月30日の建国60周年記念式典に併せるかたちで[[インターネット検閲]]を強化し、Torを始めとする類似技術を用いた[[グレート・ファイアウォール]]（中国の検閲システム）回避を行う者の摘発、Tor公式サイトへのアクセス遮断、Torリレーノードへのアクセス遮断などを強化した<ref>[https://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20091007/186877/ 【Bloomberg Businessweek特約】【BusinessWeek特約】中国、建国60周年でネット検閲をさらに強化| nikkei BPnet 〈日経BPネット〉]</ref>。

これに対抗するため、Torプロジェクトでは、Torリレーノードとなってくれるボランティアの増強を呼びかけている。たとえ[[インターネットサービスプロバイダ|ISP]]に規制（[[ブロッキング (インターネット)|通信を遮断]]）されても、[[IPアドレス]]が公開されていないTor Bridgeを利用すればこれらの規制を回避することが可能であり、Torへのアクセスが禁止されている[[独裁政治|非民主主義的]]な国内も利用可能である。

== 機能 ==
{{Multiple image|image1=Tor-onion-network.png|caption1=[[電子フロンティア財団|EFF]]による[[インフォグラフィック|概念図]]}}

Torは接続経路を匿名化する技術であり、通信内容を秘匿化するものではない。Torでは経路の中間に限り[[暗号|暗号化]]を行っているが、経路の末端では暗号化が行われていない。通信内容の秘匿まで行いたい場合は、[[Transport Layer Security|TLS]]など（[[HTTPS]]や[[SMTPS|SMTP over SSL]]など）を用いて、別途暗号化を行う必要がある。しかし、Torの機能として後述のOnion ServiceというTorサーキット上でサービスをホストする機能があり、これを用いれば末端の通信も暗号化される。

== トラフィックの動作 ==
[[File:EtherApeTorScreenShot.png|thumb|{{仮リンク|EtherApe|en|EtherApe}}を用いたTorネットワークのスクリーンショット]]

Torは、[[Microsoft Windows]]や[[macOS]]、[[Linux]]等の各種[[Unix系]][[オペレーティングシステム|OS]]で動作する。「オニオンルーティング」と呼ばれる[[カプセル化 (通信)|カプセル化]]技術により、複数の[[ノード (ネットワーク)|ノード]]を経由させて通信を行い、通信を匿名化する。暗号化が、「あたかも[[タマネギ]]の皮のように、1ホップごとに積み重ねられること」が名前の由来である。[[Transmission Control Protocol|TCP]]で通信が可能で、[[User Datagram Protocol|UDP]]や[[ICMP]]などの[[通信プロトコル]]は使用することができない。

通信を秘匿するにあたって、まずTorは各ノード間に回線を構築する。このとき、ユーザは各ノードと共通鍵を共有する。この鍵はユーザと1つ1つのノードのみが共有している。回線構築後は、この回線を使って通信を行う。データは先述の共通鍵を使って暗号化されるが、このとき、データは終端ノードから順番に暗号化される。ユーザはこのデータを構築した回線に渡し、各ノードは共通鍵を用いて、1枚ずつ暗号化の層を剥いでいく。こうすることで、終端ノード以外はデータの内容を読み取ることができなくなる。

== Torのデザイン ==
接続元がオニオンプロキシ（OP）を立て、オニオンルータ（OR、ノード）経由で本来の宛先へ接続する<ref>https://svn-archive.torproject.org/svn/projects/design-paper/tor-design.html#tth_sEc4</ref>。OPはユーザの複数のTCPストリームを受け取り、それらを多重化、ORがそれらを宛先までリレーする。

それぞれのORは、長期のidキーと、短期のオニオンキーを維持している。前者はルータディスクリプタに署名するのに、後者は回線を構築する際や、別の短期のキーを作るときのリクエストを復号するのに使われる。短期のキーは漏洩したときの影響を小さくするため、一定期間ごとに交換されている。関連項目の[[オニオンルーティング]]も参照。

=== セル ===
セルとは、TLS 接続を流れるデータの単位で、512バイト<ref>https://svn-archive.torproject.org/svn/projects/design-paper/tor-design.html#tth_sEc4.1</ref>。ヘッダとペイロードを持ち、ヘッダに回線id（circID）が含まれる。これは、単一の TLS 接続で、複数の回線を多重化できるため、回線を特定するための識別子である。

セルはコントロールセルとリレーセルの2種類があり、前者は受け取ったノードによって処理されるコマンドを伝達し、後者は接続元から宛先へのデータの受け渡しに使われる。リレーセルは、circID の他に、streamID、チェックサム、リレーコマンド等を持つ。リレーセルのヘッダとペイロードの全ては、暗号化されて送信される。

=== 回線の構築 ===
以下は、Torクライアント[[アリス (暗号通信)|Alice]]（発信元）から、オニオンルータBob、Carolまでの回線を構築する際の説明である<ref name="#1">https://svn-archive.torproject.org/svn/projects/design-paper/tor-design.html#tth_sEc4.2</ref>。

* Aliceは、あらかじめ得ているディレクトリリストの中から、無作為的にBobとCarolを選択する（[https://support.torproject.org/en-US/tbb/tbb-2/ 実際は最初のノードは2、3ヶ月同じ]）。
* Alice→Bob: Aliceはcreate cell（セルに回線構築要求コマンドを乗せたもの）を送信し、回線構築の要求を行う
** このとき、Aliceは今までに使われていないcircID<math>C_{AB}</math>を発行する
** ペイロードは '''Bobのオニオンキーで'''暗号化された、DH ハーフハンドシェイクを含んでいる (<math>g^x</math>)
* Bob→Alice: Bobはcreated cell（セルに構築完了を通知するためのコマンドを乗せたもの）の中に<math>g^y</math>と共通鍵<math>K = g^{xy}</math>のハッシュを積んで送る
** AliceとBobは共通鍵<math>K_1 = g^{x1y1}</math>を共有できた
** 以降、Alice-Bob間の通信はこの共通鍵で暗号化されて行われる

* Alice→Bob: Alice は relay extend cell（セルにサーキットを延長する要求を乗せたもの）を送信する
** この中に次の OR（Carol）のアドレスが含まれており、'''Carolのオニオンキーで'''暗号化された<math>g^{x2}</math>も含まれる
* Bob→Carol: Bob はハーフハンドシェイクをcreate cellに入れ、Carolに送信する
** このとき、Bobは今までに使われていないcircID<math>C_{BC}</math>を発行する
* Carol→Bob: created cellに共通鍵のハッシュを積んで送る
** '''Bob は <math>C_{AB}</math>と<math>C_{BC}</math>を対応付けている'''
* Bob→Alice: Carolがcreated cellを返した場合、ペイロードをrelay extended cellに入れてAliceに返す
** AliceとCarolは共通鍵<math>K_2 = g^{x2y2}</math>を共有できた

以上の手続きは一方向エンティティ認証、すなわち、Alice は Bob を知っているが、Alice は公開鍵を使っていないので、BobはAliceが誰なのか知らないということを達成している。一方向鍵認証も達成しており、AliceとBobは鍵について合意しており、AliceはBobのみがその鍵を知っていることを知っていることを意味している。前方秘匿性とキーの新鮮さの保持にも成功していて、これにより、鍵共有プロトコルでセッションキーを生成した際に、のちに秘密鍵の安全性が破れたとしてもセッションキーの安全性が保たれることが保証される。

Alice-Bob間、Bob-Carol間の共通鍵はそれぞれAliceとBob、BobとCarolしか知らないので、データを盗聴されることなく、中継により匿名性を得ることができる。

セッション鍵交換のために[[ディフィー・ヘルマン鍵共有|Diffie-Hellman鍵交換方式]]が用いられ、通信の暗号化としては[[Advanced Encryption Standard|AES]]が使用される。オニオンサーキット構築を含めたTorノード間の全通信は、外部からの盗聴や改竄を防ぐために、[[Transport Layer Security|TLS]]による通信の上で行われる。

=== データの送受信 ===
先述の、リレーセルや回線を用いて行われる。以下は、Alice のデータが Bob、Carol を経由して、Dave まで届く様子を説明したものである<ref name="#1"/>。

[[File:A2b2c2d.png|Alice から Bob から Carol から Dave へ|500px]]

* Aliceはペイロードやペイロードのダイジェストをリレーセルに入れ、circID以外の全てを終端ノードから順番に、共通鍵を用いて暗号化して送信する
* Bobは1つ復号し、ダイジェストが一致'''しない'''場合、BobはcircIDを置き換えて、Carolへセルを送信する
* Carolも同じように1つ復号し、ダイジェストが一致'''した'''場合、かつrelay cellの内容を認識可能なら、Daveへ送信する (送信完了)
** Carolに到着したペイロードとそのダイジェストが一致しなかった場合、回線そのものを切断する

[[File:Tor A2b.png|500px|Tor: Alice から Bob]]
[[File:Tor B2c.png|500px|Tor: Bob から Carol]]

逆にDaveが送信し、Aliceが受信する場合、各ノードは自分にセルが回ってきたときに、ペイロードを暗号化していく。

=== ランデブーポイントとOnion Service ===
{{Otheruses|2=.onionで終わるドメインの一覧|3=Onionドメインの一覧}}
[[File:Tor-non-exit-relay-bandwidth-usage.jpg|thumb|A Tor non-exit relay with a maximum output of 239.69 kbit/s]]
Torの特徴として、Tor経由でしかアクセス出来ない秘匿されたOnion Service（旧：Hidden Service（秘匿サービス））が存在する。これにより、サーバの[[IPアドレス]]を明かさずに各種 TCP のサービス（[[Webサーバ]]、[[メールサーバ]]、[[インターネット・リレー・チャット|IRC]]サーバなど）を運用することが可能である。これは、.onionの識別子を持つ、特殊な疑似アドレスを持たせることにより、特定のIPアドレスと結びつけることなく、Torを実行させているノード同士が接続することができる。一般のWebサイト等にTor経由で接続するのとは異なり、Onion Serviceは[[深層Web]]の一角を成す[[ダークネット]]に含まれ出口ノードは存在しないし、中継ノードが通信の内容を見ることは不可能である。

[[アリス (暗号通信)|Alice]]を接続元、Bobを宛先とすると、このサービスを用いることで、Bobは自身のIPアドレスをさらすことなくサービスを提供でき、アプリケーションもTorの存在を透過的に扱うことができる。

サーバのBobはまず、複数のORをintroduction pointとして指名し、ルックアップサービスへ広告する<ref>https://svn-archive.torproject.org/svn/projects/design-paper/tor-design.html#tth_sEc5</ref>。このとき、Bobは長期の公開鍵暗号のペアを持っており、これでサービスを証明する。先ほどの広告も、Bobの公開鍵で署名されている。Bobはintroduction pointsまでの回線を開き、リクエストを待つように伝える。

[[File:Hs1.png|500px|ルックアップへの広告]]

AliceはBobのサービスを知ると（ネットや直接Bobに聞いて）、ルックアップサービスから情報を得る。AliceはあるORをrendezvous point（RP）として指名し、回線を構築する。この際、Bobを識別するためにランダムなrendezvous cookieも渡す。

[[File:Hs2.png|500px|ランデブークッキー]]

次に、AliceはBobのintroduction pointsの1つに匿名でストリームを開く。このとき、AliceはBobの公開鍵で暗号化したRPの情報とrendezvous cookieを渡し、DH鍵共有を始める。introduction pointはBobへそのメッセージを送る。

[[File:Hs3.png|500px|Alice to introduction points]]

Bobは了承するとAliceのRPへの回線を構築し、rendezvous cookie、DH鍵共有の返答、セッション鍵のハッシュを送る。AliceのRPはAliceの回線をBobの回線に接続する。

[[File:Hs4.png|500px|接続完了です]]

以上の手続きにおいて、RPはAliceもBobも知らないし、データの内容も知ることはない。両端は双方のOPになっているので、AliceとBob以外の中継ノードがデータの内容を復号することもできない。

Bobのintroduction pointは複数存在しているので、DoS対策にもなっている。さらに、Aliceがintroduction pointへメッセージを送信するとき、end-to-endの認証トークンも乗せることができる。Onion Serviceの仮想ドメイン、x.y.onion は、xが認証トークン、yがBobの公開鍵のハッシュになっている<ref>https://svn-archive.torproject.org/svn/projects/design-paper/tor-design.html#tth_sEc5.2</ref>。

== エントリーガード ==
現在、Torの回線は3つのノードを経由しているが、悪意のある攻撃者が両端のノードをコントロールできた場合、匿名性が破られてしまう<ref>https://gnunet.org/sites/default/files/Wright-2004.pdf</ref>。そのため、Torは2、3ヶ月の間最初のノードを使い続けることで、攻撃のコストを上げており、このノードはエントリーガードと呼ばれる<ref>https://support.torproject.org/en-US/tbb/tbb-2/</ref>。

== 問題点 ==
=== DNS漏洩 ===
ほとんどのソフトウェアは、[[User Datagram Protocol|UDP]]を用いて[[Domain Name System|DNS]]を参照するため、TCP専用であるTorネットワークを経由せず直接参照してしまい、匿名性が不完全になる可能性がある。

DNS規格自体はUDPとTCPの両方をサポート（{{IETF RFC|2136}}）しており、多くのDNSサーバー実装も両対応となっているが、DNSを参照する多くのソフトウェアではUDPを用いるのが一般的であるという事が問題の根底にある。TCPを用いたDNS参照をサポートしているソフトウェアであれば、この問題の影響を受けることはない。

以上のことより、古いバージョンのTorでは、HTTP通信を行う場合に、TCPを用いたDNS参照をサポートしている[[Privoxy]]（[[localhost]]、[[ポート (コンピュータネットワーク)|ポート]]番号[[TCPやUDPにおけるポート番号の一覧#ユーザーポート番号 (1024–49151)|8118]]）をWebブラウザとTorの間に設置し、併用することが推奨されていた。

バージョン0.2.0.1-alpha以降のTorは、DNS参照をTorネットワーク経由で行うDNSリゾルバが搭載された。これを使用するには、ユーザはシステム（localhost）上の任意のDNSリクエストを、指定したポート（TCP：9053）で動作するTorのDNSリゾルバ経由で処理させるよう、リダイレクトする必要がある（iptables等を用いて）。こうすることでDNS漏洩問題は解決され、SOCKSに非対応のアプリケーションでも安全にTor経由の通信を行うことができるようになるが、少々設定が複雑で、パケットがリークする可能性があるため、安易に使うべきではない<ref>https://trac.torproject.org/projects/tor/wiki/doc/TransparentProxy</ref>。

代替案として、公式のFAQでは、以下のSOCKSベースの解決策が挙げられている<ref>https://www.torproject.org/docs/faq.html.en#WarningsAboutSOCKSandDNSInformationLeaks</ref>:

* SOCKS 4a（ホスト名を使う）を用いる。
* SOCKS ベースのポートフォワーダ（socat 等）を用いて、SOCKS 経由で通信させる。
* tor-resolveを用いて、Tor経由でホスト名を解決。その後、アプリケーションに解決されたIPアドレスを渡す。

=== 通信傍受 ===
[[2007年]]8月30日、スウェーデンのセキュリティー研究者、ダン・エガースタッド（Dan Egerstad）は、「世界中の大使館や人権擁護団体の電子メールを傍受することに成功した」と発表した<ref>[https://www.wired.com/politics/security/news/2007/09/embassy_hacks Rogue Nodes Turn Tor Anonymizer Into Eavesdropper's Paradise]</ref>。

Torノード間の通信は暗号化されているものの、末端（出口）となるTorノードと通常のTCP通信先との間では、その暗号化が解除されるという点を利用したもので、[[LANアナライザ]]を搭載したTorノードを設置することで、そこからTorネットワークを抜けようとする通信を監視するだけで、簡単に傍受できてしまうというものである。

この問題はTorネットワークに対して送信するデータ自体を、たとえば[[HTTPS]]や[[SMTPS|SMTP over SSL]]などを用いて別途暗号化することで、防ぐことができる。

=== トラフィック分析 ===
[[2005年]]5月8日から11日にかけて米国カリフォルニア州オークランドで開催された2005 IEEE Symposium on Security and Privacyで、ケンブリッジ大学のSteven J. MurdochとGeorge Danezisは論文「Low-Cost Traffic Analysis of Tor」を提示した。この論文によると、Torの匿名性を大幅に低下させる手法が存在する。当該論文はDanezis自身のページ<ref>[http://www0.cs.ucl.ac.uk/staff/G.Danezis/papers/TorTA.pdf Low-cost Traffic Analysis of Tor.]（pdf）</ref>ないし IEEE Computer Society digital library などで閲覧可能である。

=== 中継トラフィック解析攻撃 ===
{{See also|CERT Coordination Center}}
2014年7月に「Tor」を管理する非営利団体は、Torのネットワーク上で5か月間にわたり密かにトラフィックに変更を加え、Onion Service（旧：Hidden Service）にアクセスしているTorユーザーの身元を探ろうとしていたコンピュータの存在が確認されたとして、Onion Serviceを利用しているTorユーザーの多くが政府が支援する研究者によって身元を特定された可能性があると発表した<ref>匿名化ツール「Tor」ユーザーの身元が特定された可能性 ソフト更新を呼びかけ IT MECIA 2014年8月4日</ref>。

=== Onion Serviceの問題点 ===
サーバの所在地が秘匿された[[ダークウェブ]]と呼ばれるウェブの領域も、[[2000年]]代後半より、ブラックビジネスの基盤としても利用され始め、[[闇サイト|違法サービス]]が多数運営されていることが確認されている。その一例に、[[ダークネット・マーケット]]で取り扱うサービスはギャンブル・人身・武器・麻薬・偽造通貨などが挙げられ、特定の違法サイトの摘発と新たな違法サイトの展開といういたちごっこが続いている。

また、攻撃者がTorを使って攻撃を仕掛けた場合、被害者側のログに出口ノードを運営するボランティアとの通信が記録される。そのため、運営するだけで逮捕されかねないようなリスクを負うことになる。公式もこのことを問題視しており、ボランティアはExit Policyを設定することで、出口ノードになるかどうか、出口ノードとしてどのサービスを許可するか、等を制限することができる<ref>https://svn-archive.torproject.org/svn/projects/design-paper/tor-design.html#tth_sEc6.2</ref>。

== Torの利用 ==
[[File:Geographies of Tor.png|thumb|Tor利用者数の[[カルトグラム|統計地図]]]] 
[[政府機関]]や[[軍隊]]が[[セキュア通信|安全な通信]]を行うため、[[内部告発]]、[[ブロッキング (インターネット)|通信を遮断]]する[[独裁政治|独裁国]]（[[権威主義]]国）からの接続あるいは[[通信の秘密]]や[[プライバシー]]を重視する個人や活動家などが[[ネット検閲]]回避のため使用する<ref>https://2019.www.torproject.org/ Tor Project</ref>。使用例については、[[ダークネット#使用]]の項に詳しい。日本国内において、下記の'''入手や使用は完全に合法'''であるが、'''公式サイトから入手する必要'''がある。なぜなら個人サイトや[[アップローダー]]など第三者によって公開されているものは、[[改竄#ITと改竄|改竄]]や[[マルウェア]]などの混入の可能性があるからである。
{{See also|en:Tor (anonymity network)#Implementations|en:The Tor Project#Tools}}

=== Tor Browser ===
[[File:Tor Browser icon.svg|thumb|Tor Browserのロゴ|100px]]
[[File:Tor Browser 11.0.1 Japanese.png|thumb|[[Debian]]（[[Linux]]）上で動作するTor Browser 11.0.1。about:torページが表示された起動直後の状態。|200px]]
{{Main|Tor Browser}}
Tor Browser<ref>[https://www.torproject.org/ Tor Project | Anonymity Online]</ref>は、[[盗聴#通信システムと盗聴|盗聴]]防止や[[プライバシー]]保護を目的に開発された[[ウェブブラウザ]]。[[Mozilla Firefox#リリースサイクル|Mozilla Firefox ESR（延長サポート版）]]に、[[JavaScript]]を制御でき[[クロスサイトスクリプティング|XSS]]にも対応可能な[[NoScript]]や、[[Onionドメインの一覧|Onion Service]]以外の[[HTTP]]通信で出口[[ノード (ネットワーク)|ノード]]からの末端部を[[HTTPS|暗号（HTTPS）]]化する[[HTTPS Everywhere]]<ref>[https://addons.mozilla.org/ja/firefox/addon/https-everywhere/ HTTPS Everywhere – 🦊 Firefox (ja) 向け拡張機能を入手]</ref><ref>[https://www.eff.org/https-everywhere HTTPS Everywhere Electronic Frontier Foundation]</ref>など、いくつかの[[拡張機能 (Mozilla)|拡張機能]]と設定済みのTorを組み合わせたものである。<br />
さらに、[[Tails (オペレーティングシステム)|Tails]]というOSに搭載されているものには、[[インターネット広告]]の[[アドブロック|遮断]]などに用いられる[[uBlock Origin]]も標準で組み込まれている。<br />
そして、[[USBメモリ]]に入れての利用を想定したゼロインストールパッケージも用意されている。従来から公式サイト<ref>[https://www.torproject.org/download/ Download - Tor Project]</ref>や公式アーカイブ<ref>[https://archive.torproject.org/tor-package-archive/torbrowser/ tor-package-archive torbrowser]</ref>に[[Microsoft Windows]]、[[macOS]]、[[Linux]]の各環境で動作するものがあり、[[2019年]]5月に公開されたバージョン8.5安定版以降、公式アーカイブのほか[[Google Play]]<ref>[https://play.google.com/store/apps/details?id=org.torproject.torbrowser&hl=ja&gl=US Tor Browser: Official, Private, & Secure - Google Play のアプリ]</ref>から[[Android (オペレーティングシステム)|Android]]端末向けも入手可能となった。<br />
また、バージョン4.5までは[[Startpage.com]]、現在は[[DuckDuckGo]]が標準[[検索エンジン]]に採用されている。Tor Browserは常時[[プライバシーモード|プライベートブラウジングモード]]で動作し、終了時には[[クライアント (コンピュータ)|パソコンやAndroid端末]]内に[[データログ|閲覧履歴]]や[[キャッシュ (コンピュータシステム)|キャッシュ]]および[[HTTP cookie|cookie]]等も残さず、このため[[フィルターバブル]]の影響を受けない。いまのところ、[[HTTP cookie#トラッキング・クッキー|ウェブトラッキング]]や[[フィンガープリント|キャンバス・フィンガープリンティング]]などの対策にも有効である<ref>[https://www.saitolab.org/fp_site/ Fingerprint解説サイト - 明治大学 情報セキュリティ研究室]</ref>。

=== TorBirdy ===
{{仮リンク|TorBirdy|en|The Tor Project#Tools|redirect=1}}は、Microsoft Windows、macOS、Linuxの各環境で動作する[[インターネットスイート|インターネット統合ソフト]]・[[SeaMonkey]]および[[電子メールクライアント]]・[[Mozilla Thunderbird]]用の[[拡張機能 (Mozilla)|拡張機能]]で、公式サイト<ref>[https://addons.thunderbird.net/ja/thunderbird/addon/torbirdy/ TorBirdy :: Thunderbird向けアドオン - Thunderbird Add-ons]</ref><ref>[https://trac.torproject.org/projects/tor/wiki/torbirdy torbirdy – Tor Bug Tracker &amp; Wiki]</ref>や公式アーカイブ<ref>[https://archive.torproject.org/tor-package-archive/torbirdy/ tor-package-archive torbirdy]</ref>から入手可能。[[電子メール]]の盗聴や[[傍受]]の防止を目的に開発されており、メールの[[セキュア通信#匿名ネットワーク|送信経路の秘匿]]化を行う。[[#Torのデザイン|Torネットワーク]]に接続した状態で動作するため、公式には、特にWindows環境の場合Torブラウザを起動した状態での使用を推奨している。Tailsでは、メールそのものを[[公開鍵暗号|公開鍵で暗号化]]（[[エンドツーエンド暗号化]]）する[[GNU Privacy Guard|GnuPG]]や[[Enigmail]]とともに組み込まれている。

=== Tails ===
[[File:Tails-logo-flat-inverted.svg|thumb|Tailsのロゴ|100px]]
[[File:TAILS 4.14 ENG 05 01 2021 15 39 25.png|thumb|Tails 4.14のスクリーンショット|140px]]
{{Main|Tails (オペレーティングシステム)}}
Tailsは、[[Debian]]から[[フォーク (ソフトウェア開発)|派生]]した[[Linux]]系[[オペレーティングシステム|OS]]で、プライバシー保護を重視してTorブラウザやTorBirdyなども標準搭載され、通信はすべてTorネットワーク経由となる。[[Live CD|Live DVD]]や[[Live USB]]から起動し、さらに[[パーソナルコンピュータ|PC]]に[[データログ|履歴]]を一切残さない。匿名性・秘匿性が高く、[[人権活動家]]や[[弁護士]]、[[ジャーナリスト]]および[[スパイ|各国の工作員]]（[[諜報活動]]）なども使用する。<br />公式サイト<ref>[https://tails.boum.org/ Tails - Privacy for anyone anywhere]</ref>やTails公式アーカイブ<ref>[https://archive.torproject.org/amnesia.boum.org/tails/stable/ amnesia.boum.org/tails]</ref>で[[ISOイメージ]]が配布されている。

=== その他のプロジェクト ===
以下、公式以外のものについて述べる。
==== Orbot ====
[[File:Orbot-logo.svg|thumb|Orbotのロゴ|100px]]
{{Main|Orbot}}
Orbotは、[[Android (オペレーティングシステム)|Android]]ユーザー向け[[匿名]]ネットワーククライアント。Android端末でTorに接続することを目指す[[The Guardian Project (ソフトウェア)|The Guardian Project]]との共同開発プロジェクト<ref>[https://guardianproject.info/apps/orbot/ Orbot: Tor for Android]</ref>である。これも公式アーカイブ<ref>[https://archive.torproject.org/tor-package-archive/android/ tor-package-archive android]</ref>や[[Google Play]]<ref>[https://play.google.com/store/apps/details?id=org.torproject.android&hl=ja&gl=US Orbot: Tor for Android - Google Play のアプリ]</ref>から入手できる。
Tor経由でネット閲覧する場合、かつてはWebブラウザ[[The Guardian Project (ソフトウェア)#開発終了|Orfox]]を組み合わせて用いたが、現在はその後継の[[#Torブラウザ|Android版Torブラウザ]]に移行。<br />
これ以外については、[[The Guardian Project (ソフトウェア)#運営するプロジェクト]]も参照。

==== Onion Browser ====
[[File:Onion-Browser.png|thumb|Onion-Browserのロゴ|100px]]
Onion Browserは、[[iPhone]]や[[iPod touch]]などの[[iOS]]端末向け[[ウェブブラウザ|Webブラウザ]]<ref>[https://onionbrowser.com/ Onion Browser]</ref>で、[[2012年]]4月に公開され[[iOS 5|iOS 5.1]]に対応する初版より[[App Store]]から入手可能<ref>[https://apps.apple.com/jp/app/onion-browser/id519296448 「Onion Browser」をApp Storeで]</ref>。Mike Tigas<ref>[https://github.com/mtigas mtigas (Mike Tigas) ・ GitHub]</ref>氏が開発する[[ソースコード]]も[[GitHub]]にあり<ref>[https://github.com/OnionBrowser/OnionBrowser OnionBrowser/OnionBrowser: An open-source, privacy ... - GitHub]</ref><ref>[https://github.com/mtigas/OnionBrowser/blob/2.X/LICENSE Endless / Onion Browser License (OBL)]</ref>、その内容を確認することができる。特に[[独裁政治|独裁国]]での使用時に真価を発揮するBridge接続に対応し、初期設定の検索エンジンも[[DuckDuckGo]]で、[[WebKit]]による[[レンダリング (コンピュータ)|描画]]を除けば[[JavaScript]]の制限や[[HTTPS Everywhere]]を含むその他の機能も概ね[[Tor Browser]]に準ずる。<br />
起動時には、動物のイラストとともにシュールなメッセージが表示される。また、Onion Browserの稼働中にiOS端末が待受画面になった場合、一旦閉じてブラウザを再起動する必要がある。

なお、iOS端末向けの純正Torブラウザは存在しないため、Tor公式サイトでこれの使用を推奨<ref>[https://support.torproject.org/tormobile/tormobile-3/ Can I run Tor Browser on an iOS device?]</ref><ref>[https://blog.torproject.org/tor-heart-onion-browser-and-more-ios-tor Tor at the Heart: Onion Browser (and more iOS Tor) | Tor Blog]</ref>しており、事実上の公認ブラウザとなっている。
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File:Onion Browser on iPad.png|[[iPad]]で稼働するOnion Browser
File:Onion Browser 2.8.1 on iPhone.png|[[iPhone]]で稼働するOnion Browser 2.8.1
</gallery>

==== Brave ====
[[File:Brave lion icon.svg|thumb|Braveのロゴ|100px]]
{{Main|Brave (ウェブブラウザ)}}
Brave<ref>[https://brave.com/ brave公式サイト]</ref>は[[Chromium]]から派生したウェブブラウザ。Microsoft Windows、macOS、Linuxの各環境向けのDesktop版では、Tor経由で接続できる[[Brave (ウェブブラウザ)#プライベートブラウジングモード|プライベートブラウジングモード]]も利用可能。検索エンジンには、[[Onionドメインの一覧#クリアネット用|Onion Service]]上でも利用可能な独自の[[Brave Search]]を採用。セキュリティ保護機能の[[Brave (ウェブブラウザ)#Brave Shields|Brave Shields]]には、[[インストール|導入]]時から末端ノードを暗号（HTTPS）化するHTTPSeverywhereや[[フィンガープリント]]対策の[[Privacy Badger]]<ref>[https://privacybadger.org/ Privacy Badger]（[[電子フロンティア財団|EFF]]）</ref><ref>[https://chrome.google.com/webstore/detail/privacy-badger/pkehgijcmpdhfbdbbnkijodmdjhbjlgp Privacy Badger]（[[Chrome ウェブストア]]）</ref>も内蔵するほか、標準搭載の[[アドブロック|広告遮断機能]]に[[Adblock Plus]]のフィルター構文で書かれた[[Easylist]]とEasy Privacyの組み合わせを用いる<ref>[https://brave.com/ja/privacy-updates/2-third-party-cosmetic-filtering/ サードパーティ用のコスメティックフィルタ - Brave Browser]Braveプライバシーチーム寄稿 最終更新 2月 20, 2020</ref><ref>[https://gigazine.net/news/20190628-brave-performance/ 広告ブロック機能を取り込んだブラウザ「Brave」のパフォーマンス Gigazine] 2019年06月28日 06時00分</ref>。

== サイト管理者へのTor規制要請 ==
[[File:TorPluggable transports-animation.webm|thumb|A very brief animated primer on Tor pluggable transports,<ref name="Tor Project: Pluggable Transports">{{Cite web |title=Tor Project: Pluggable Transports |url=https://www.torproject.org/docs/pluggable-transports.html.en |access-date=5 August 2016 |website=torproject.org |archive-date=13 August 2016 |archive-url=https://web.archive.org/web/20160813004757/https://www.torproject.org/docs/pluggable-transports.html.en |url-status=live }}</ref> a method of accessing the anonymity network.]]

[[日本]]で[[2012年]]に[[パソコン遠隔操作事件]]が発生してTorの存在がマスコミにより連日報道された。2013年頃にはTorを悪用した犯罪行為が発生しており、[[犯罪予告|殺人予告]]や[[オンラインバンキング]]等への[[不正アクセス]]、[[2010年]]の[[警視庁国際テロ捜査情報流出事件]]でも使用が確認されている<ref name="20130418-mainichi">{{Cite web|和書|url=https://mainichi.jp/select/news/20130418k0000e040232000c.html|title=警察庁有識者会議：サイト管理者が通信遮断を 匿名悪用で|website=毎日新聞|date=2013-04-18|accessdate=2013-05-03}}</ref>。

[[警察庁]]の有識者会議は、[[2013年]]4月18日の報告書で「国内外で犯罪に使われている状況に鑑みると対策が必要」として、末端となるTorノードの[[IPアドレス]]からアクセスがあった場合は[[ブロッキング (インターネット)|通信を遮断]]するよう、国内の[[ウェブマスター|ウェブサイト管理者]]に自主的な取り組みを要請する構えを見せている<ref name="20130418-mainichi" /><ref>{{Cite web|和書|url=https://mainichi.jp/english/english/newsselect/news/20130418p2a00m0na013000c.html|title=NPA to urge ISP industry to help site administrators block users of anonymity software|date=2013-04-18|accessdate=2013-05-03}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://wired.jp/2013/04/22/japan-police-stop-using-tor/|title=日本の警察庁、匿名化ツール「Tor」のブロックをサイト管理者に促す|website=WIRED.jp|date=2013-04-22|accessdate=2013-05-03}}</ref>。また、WikipediaもTorノードからの投稿を原則受付けない<ref>{{Cite web |title=Just give me some privacy – anonymous Wikipedia editors and Tor users explain why they don't want you to know who they are |url=https://drexel.edu/news/archive/2016/October/Tor-Wikipedia-privacy |date=2016-10-12 |access-date=2023-03-07 |language=en |publisher=[[ドレクセル大学]] |quote=Wikipedia allows people to edit without an account, but it does not permit users to mask their IP addresses and blocks Tor users – except in special cases – so it is still possible to piece together an editor's identity or location by looking at the things they've contributed.}}</ref>。
{{See also|[[#中継トラフィック解析攻撃]]|[[Tails (オペレーティングシステム)#Facebookによるハッキング]]}}

Torの悪用は、正当な利用者の不利益にも繋がっており、国際[[ハッカーグループ|ハッカー集団]]「[[アノニマス (集団)|アノニマス]]」は、Torの検閲への動きを撤廃することを望む動画を、[[YouTube]]にアップロードした<ref>[https://www.youtube.com/watch?v=ccK4Xa32bQs]</ref>。

== 注・出典 ==
{{脚注ヘルプ}}
<references />

== 関連項目 ==
* [[深層Web]] - 通常の[[検索エンジン]]が収集することができない情報。
** [[ダークネット]] - 深層Webの一部。特殊な環境で接続できる暗号化されたネットワーク。
*** [[ダークウェブ]] - ダークネットのサイト群。[[コンテンツ]]の詳細は[[Onionドメインの一覧]]を参照。
* [[Freenet]]
* [[GNUnet]]
* [[I2P]]
* [[ネット検閲]]
* [[通信の秘密]]
* [[プロキシ]] - [[Privoxy]]
* {{ill2|onymous作戦|en|Operation Onymous}} ‐ 多国籍司法関係者たちによるTorネットワーク内の一斉摘発作戦（17人逮捕、414ドメインを閉鎖）。

== 外部リンク ==
{{Commonscat|Tor project|Tor project}}
* [https://www.torproject.org/ Tor公式サイト]
* [https://svn-archive.torproject.org/svn/projects/design-paper/tor-design.pdf Tor: The Second-Generation Onion Router - Tor のデザイン]
* [https://gitweb.torproject.org/torspec.git/tree/tor-spec.txt 仕様書]
* [https://onion.torproject.org Tor公式サイト群]（onionドメイン一覧）

{{Software-stub}}

{{Tor (anonymity network)}}
{{Tor onion services}}
{{暗号ソフトウェア}}
{{ウェブブラウザ}}
{{DEFAULTSORT:とおあ}}
[[Category:匿名ネットワーク]]
[[Category:アプリケーション層プロトコル]]
[[Category:ファイル共有ソフト]]
[[Category:クロスプラットフォームのソフトウェア]]
[[Category:暗号ソフトウェア]]
[[Category:暗号化プロトコル]]
[[Category:ダークウェブ]]
[[Category:Cでプログラムされた自由ソフトウェア]]
[[Category:インターネットのプロトコル]]
[[Category:インターネット標準]]
[[Category:セキュア通信]]
[[Category:オープンソースソフトウェア]]
[[Category:2002年のソフトウェア]]
[[Category:2002年開設のウェブサイト]]
[[Category:コンピュータ・ネットワーク・セキュリティ]]
[[Category:Rustでプログラムされた自由ソフトウェア]]