XボソンとYボソンのソースを表示

'''Xボソン'''（{{lang|en|X boson}}）と'''Yボソン'''（{{lang|en|Y boson}}）は、[[素粒子物理学]]における仮説上の[[素粒子]]である。
[[ハワード・ジョージ]]と[[シェルドン・グラショー]]の SU(5) [[大統一理論|大統一]]模型で導入される新たな相互作用を媒介する[[ゲージ粒子]]である<ref>{{Cite journal
|author=H. Georgi, S. L. Glashow
|title=Unity of All Elementary Particle Forces
|journal=Phys. Rev. Lett.
|volume=32
|pages=438-441
|year=1974
}}</ref>。
まとめてXボソンとも呼ばれる<ref>[[#Cheng|Cheng, Li (1983)]] p.437</ref>。

XボソンとYボソンは[[スピン角運動量|スピン]]1の[[ベクトル粒子|ベクトル]][[ボソン]]である。
両者は[[弱アイソスピン|ウィークアイソスピン]]の下で2重項を為し、[[弱超電荷|ウィークハイパーチャージ]]は &plusmn;5/6 である。
従ってXボソンは &plusmn;4/3、Yボソンは &plusmn;1/3 の[[電荷]]をもつ。
XボソンとYボソンはそれぞれに[[カラーチャージ]]の下で3重項を為し、クォークと結合する。

XボソンとYボソンの[[質量]]は 10<sup>15</sup>GeV 程度であると推定されている。

== 詳細 ==
[[X]]ボソンと[[Y]]ボソンは[[クォーク]]を[[レプトン (素粒子)|レプトン]]と結びつけ、[[バリオン数]]を破り、[[陽子崩壊]]を可能にする。

XボソンとYボソンは次のような崩壊過程をもつ<ref name="XY decay">[[#Cheng|Cheng, Li (1983)]] p.442</ref>。
{{Indent|
<math>X^{+4/3} \to u^{+2/3} + u^{+2/3}</math>
}}
{{Indent|
<math>X^{+4/3} \to e^+ + d^{+1/3}</math>
}}
{{Indent|
<math>X^{+4/3} \to d^{+1/3} + e^+</math>
}}
{{Indent|
<math>Y^{+1/3} \to d^{-1/3} + u^{+2/3}</math>
}}
{{Indent|
<math>Y^{+1/3} \to e^+ + u^{-2/3}</math>
}}
{{Indent|
<math>Y^{+1/3} \to d^{+1/3} + \bar{\nu}</math>
}}
ここで、それぞれの過程の2つの崩壊生成物は互いに逆の[[カイラリティ]]を持ち、1番目の崩壊生成物は左手型、2番目の崩壊生成物は右手型である。
u<sup>+2/3</sup>は[[アップクォーク]]、u<sup>-2/3</sup>は反アップクォーク、d<sup>-1/3</sup>は[[ダウンクォーク]]、d<sup>+1/3</sup>は[[反ダウンクォーク]]、e<sup>+</sup>は[[陽電子]]、&nu;は[[反電子ニュートリノ]]である。
他の世代でも、同じような崩壊生成物が存在する。

これらの反応では、[[レプトン数]]（L）もバリオン数（B）も保存しないが、その差[[B-L]]は保存する。Xボソンとその[[反粒子]]の[[分岐比]]の違いにより、[[バリオン]]生成が説明できると期待されている。

== 脚注 ==
{{reflist}}

== 参考書籍 ==
* {{Cite book
|author=Ta-Pei Cheng, Ling-Fong Li
|title=Gauge Theory of Elementary Particle Physics
|publisher=Oxford University Press
|year=1983
|isbn=0198519613
|ref=Cheng
}}

== 関連項目 ==
* [[大統一理論]]

{{sci-stub}}
{{粒子の一覧}}
{{DEFAULTSORT:えくすほそんとわいほそん}}
[[Category:素粒子物理学]]
[[Category:素粒子]]
[[Category:ゲージ粒子]]
[[Category:仮説上の素粒子]]

[[de:X-Boson]]