セレン化ナトリウム
テンプレート:Chembox セレン化ナトリウム (Sodium selenide) は、化学式 Na2Se のセレンとナトリウムからなる無機化合物である。
合成
この無色の固体は、液体アンモニア中、−40℃でナトリウムの溶液とセレンを反応させることにより得られる[1]。その他、気体状のセレン化水素を100℃で金属ナトリウムと反応させることによっても得られる。
反応
他のアルカリ金属カルコゲン化物と同様に、この物質も水と反応して容易に加水分解し、セレン化水素ナトリウムと水酸化物の混合物を生じる。この加水分解は、Se2−イオンの過剰な塩基性のために生じる。
同様に、セレン化ナトリウムは酸化され、オフホワイト色のポリセレニドを形成する。また、セレン化は酸と反応して、毒性を持つセレン化水素を形成する。
この化合物は求電子剤と反応し、セレン化合物を形成する。またハロゲン化アルキルと反応させることで、様々な有機セレン化合物が得られる。
有機スズや有機ケイ素化合物のハロゲン化物は同様に反応し、以下のような誘導体を生成する。
- (X ∈ Si, Ge, Sn)
安全性
セレン化ナトリウムは、湿気や空気から離して保存し、取り扱う必要がある。
出典
- ↑ Handbook of Preparative Inorganic Chemistry, 2nd Ed. Edited by G. Brauer, Academic Press, 1963, NY. Vol. 1. p. 421.