メルテンスの定理

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メルテンスの定理(メルテンスのていり、Mertens' theorems)は、1874年ポーランド数学者テンプレート:Ill2によって証明された、素数を含んだの評価に関する一連の定理である。 評価の厳しさは素数定理よりも弱いが、素数定理に比べ、証明が比較的容易である。

定理

p が素数を走るとき、次の評価が成り立つ。

pnlogpp=logn+O(1),
pn1p=loglogn+b+o(1),
pn(11p)=eγ+o(1)logn.

O, o はランダウの記号である。これらの不等式を順に、第一定理から第三定理と呼ぶ。

また第二定理に現れる定数 b をテンプレート:Ill2という。

第一定理の証明

素数 p が n の階乗 n! を割り切る回数を e(p,n) とおくと ルジャンドルの公式 より

e(n,p)=i=1npi

であるから

np1e(n,p)<np1

が成り立つ。よって

pnlogp(np1)logn!=pe(n,p)logp<pnnlogpp1

となるから

pnlogpp1n(logn!+pnlogp)

となるが、チェビシェフ関数の初等的な評価より

pnlogp=θ(n)<2nlog2

が成り立ち、階乗の増大度について、

logn!=k=1nlogk=nlognn+O(logn)

がすぐわかる(スターリングの公式はより強い近似を与えるが、上の近似はより容易に導かれる)から

pnlogpp1nlogn!+2log2logn+C1

となる定数 C1が存在する。一方

pnlogpppnlogpp1C2>1nlogn!C2lognC3

となる定数 C2,C3 が存在することは

pnlogpp(p1)<k=1logkk(k1)<k=12logkk2

が収束することからわかる。

第二定理の証明

S(x)=pxlogpp,R(x)=S(x)logx とおく。第一定理より R(x)=O(1) である。よって積分

2xR(t)dttlog2t

xのとき収束する。したがって、アーベルの総和公式より

pn1p=S(n)logn+2nS(t)tlog2tdt=1+R(n)logn+2ndttlogt+2nR(t)dttlog2t=loglogn+1loglog2+R(n)logn+2R(t)dttlog2tnR(t)dttlog2t=loglogn+1loglog2+2R(t)dttlog2t+R(n)logn+O(ndttlog2t)=loglogn+1loglog2+2R(t)dttlog2t+O(1logn)

となるので、第二定理は

b=1loglog2+2R(t)dttlog2t

について成り立つ。

第三定理の証明

収束性は

pnlog(11p)=pn1p+pnm21mpm

および

p>nm21mpm=O(p>n1p2)=O(1n)

から、第二定理よりすぐに導かれる。

定数部分が eγ であることの証明は概略のみ述べる。

h(s)=p1ps,g(s)=h(s)+logζ(s)=p1pslog(11ps),P(x)=px1p

とおく( g (s) についての等式はリーマンゼータ関数のオイラー積から得られる)。アーベルの総和公式を用いて

h(s)=(s1)1P(t)tsdt

が得られる。ここで t=eu/(s1) とおくとオイラーの定数の積分表示から

(s1)1loglogttsdt=1eulogus1dt=γlog(s1)

となる。これと第二定理を用いて

h(s)+log(s1)+γb0(s1+0)

が示せる。(s1)ζ(s)1(s1+0) より

g(1)=lims1+0g(s)=lims1+0(h(s)+logζ(s))=bγ

つまり

pxlog(11p)=γ+bP(x)+o(1)

である。再び第二定理を用いて

pxlog(11p)=γloglogn+o(1)

が得られ、第三定理が示される。

参考文献

テンプレート:Numtheory-stub