オイラー=ロトカの方程式

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オイラー゠ロトカの方程式(オイラー゠ロトカのほうていしき、テンプレート:Lang-en-short)は、人口学生態学疫学等の分野において、世代間隔分布と指数成長率とを関連づける法則であり、年齢構造をもつ人口増加の研究分野では最も重要な関係式の1つである。ロトカオイラーの方程式またはロトカの特性方程式[1]と呼ばれることもある。

人口の増減やその年齢構成を統計的に扱う人口学の分野は、18世紀のレオンハルト・オイラーの初期の研究にその端緒を見ることができ、20世紀初頭に テンプレート:仮リンクにより大きく発展させられた。オイラー゠ロトカ方程式は、1760年に1つの離散時間形の式を導いたオイラー、 および、一般的に連続時間形の式を導いたロトカの研究にちなんでいる。その離散時間形の方程式は、(年を時間の単位として)次式で表される。

1=a=0ωλa(a)b(a)

ここで、λはその集団の個体数の1年間の成長率(人口の対前年比)、(a)a歳まで生存する個体の生存率、b(a)a歳の個体が1年間で出生する子孫数を表す年齢別出生率である。ωはその集団の最高年齢であり、総和はその生体の全寿命にわたって行われるものとする。

導出

ロトカのモデル

A・J・ロトカは1911年に次のような人口動態の連続時間モデルを開発した。このモデルは、対象とする集団人口のうち女性のみを追跡する[2][3]

ある集団で年齢a歳までの生存率を(a)a歳の母親1人が年間出生する娘の数、年齢別子孫出生率をb(a)とし、これらは世代にわたって安定で変化しないものとする。また、時刻t年の集団全体での年間子孫(女性)出生数をB(t)とする。このとき、時刻tで年齢aの母親の数はB(ta)(a)であり、それにb(a)を掛けた値は彼女らが1年間で出生する子孫数となるので、その総和は集団全体の全子孫出生数B(t)となる(ロトカの積分方程式または再生方程式)。

B(t)=0ωB(ta)(a)b(a)da.

ただし、ωはその集団の最高年齢である。

次に、集団全体の人口は指数関数的に増加(または減少)しているとして、B(t)=Aertの形で表されると仮定する。これを上の積分方程式に用いると、

Aert=0ωAer(ta)(a)b(a)da

つまり、

1=0ωera(a)b(a)da.

となる(連続時間形のロトカ゠オイラーの方程式)。

連続変数としての年齢aを年単位で離散的に選び、積分を総和に置き変えることにより、次のように離散時間形に書き直すことができる。

1=a=0ωera(a)b(a)

単位時間ステップ(1年)の成長率erλ 置き変えると、先に示した離散時間の方程式

1=a=0ωλa(a)b(a)

が得られる。

参考文献

関連項目