比熱比

テンプレート:出典の明記 比熱比（ひねつひ、テンプレート:Lang-en-short）は、定圧比熱容量と定積比熱容量の比である。 記号は通常 テンプレート:Mvar や テンプレート:Mvar で表される。

比熱比は テンプレート:Indent で定義されるテンプレート:Sfn。ここで テンプレート:Mvar はそれぞれ定圧比熱容量と定積比熱容量である。 モル質量が テンプレート:Mvar の物質のモル熱容量と比熱容量は $C_{\text{m}}=Mc$で関係付けられるので、比熱比はモル熱容量を用いて テンプレート:Indent と表わすこともできる。 質量が テンプレート:Mvar の系において、熱容量と比熱容量は $C=mc$ で関係付けられるのでテンプレート:Sfn、比熱比は熱容量を用いて テンプレート:Indent と表わすこともできるテンプレート:Sfn。

比熱容量が定数である狭義の理想気体においては、準静的断熱過程における圧力 テンプレート:Mvar と体積 テンプレート:Mvar が テンプレート:Indent で関係付けられる（ポアソンの法則）。

下表に示すように、気体の比熱容量、比熱比は分子の構造によって決まる。古典統計力学により、分子の運動の自由度を テンプレート:Mvar と表せば比熱比 テンプレート:Mvar は

$\gamma =\frac{n+2}{n}$

となる。ただしエントロピーにおける分子の運動エネルギーには回転運動も含むためその差が比熱比の差になり現れる。

気体の定圧・定積比熱容量、比熱比

気体	分子式	分子量 テンプレート:Mvar / [g/mol]	定圧モル熱容量 テンプレート:Mvar / [J/(K mol)]	定積モル熱容量 テンプレート:Mvar / [J/(K mol)]	定圧比熱容量 テンプレート:Mvar / [J/(K kg)]	定積比熱容量 テンプレート:Mvar / [J/(K kg)]	比熱比 テンプレート:Mvar	温度	備考
単原子気体			(5/2)テンプレート:Mvar	(3/2)テンプレート:Mvar			5/3		理論値
ヘリウム	$\mathrm{H}\mathrm{e}$	4.0026	20.78	12.47	5192	3116	1.66	25テンプレート:℃
軸対称気体			(7/2)テンプレート:Mvar	(5/2)テンプレート:Mvar			7/5		理論値
水素	$\mathrm{H}{\phantom{A}}_2$	2.016			14248	10119	1.409	0テンプレート:℃
酸素	$\mathrm{O}{\phantom{A}}_2$	31.889	29.33	21.01	919.8	658.8	1.40	25テンプレート:℃
一酸化窒素	$\mathrm{N}\mathrm{O}$	30.008			998.1	721.0	1.385	0テンプレート:℃
二酸化炭素	$\mathrm{C}\mathrm{O}{\phantom{A}}_2$	44.010	37.14	28.83	843.9	655.1	1.29	25テンプレート:℃
非対称気体			4テンプレート:Mvar	3テンプレート:Mvar			4/3		理論値
アンモニア	$\mathrm{N}\mathrm{H}{\phantom{A}}_3$	17.301	35.48	27.17	2051	1570	1.31	25テンプレート:℃
メタン	$\mathrm{C}\mathrm{H}{\phantom{A}}_4$	16.043	35.74	27.43	2228	1710	1.30	25テンプレート:℃
					215.6	163.3	1.319	0テンプレート:℃
エチレン	$\mathrm{C}{\phantom{A}}_2\mathrm{H}{\phantom{A}}_4$	28.052			161.2	129.0	1.249	0テンプレート:℃
エタン	$\mathrm{C}{\phantom{A}}_2\mathrm{H}{\phantom{A}}_6$	30.068			172.9	144.4	1.20	0テンプレート:℃

関連項目

• カルノーサイクル
• マイヤーの法則 - 理想気体における、C_P - C_V = R という関係。

外部リンク

• テンプレート:Cite jis