スタントン数

テンプレート:出典の明記 スタントン数（すたんとんすう、テンプレート:Lang-en-short）は、伝熱や自然対流の問題に対して用いられる、熱伝達率と熱容量の比を表す無次元量である。その名はトーマス・エドワード・スタントンにちなむ。

定義

スタントン数 St は次式で定義される：

S t = \frac{h}{c_{p} ρ U}

ここで

である。

スタントン数は他の無次元数を用いて次のように表すことも出来る：

S t = \frac{N u}{R e \cdot P r} = \frac{N u}{P e}

ここで

である。

ニュートンの冷却の法則より、固体が温度テンプレート:Math （一定）の流体と接して熱交換をしているとき、固体の温度テンプレート:Math の時間変化は

T = T_{m} + (T_{0} - T_{m}) \exp (- \frac{h S}{C} t)

で表すことができる。ここで、

である。この式を無次元形に書き直すと、

\frac{T - T_{m}}{T_{0} - T_{m}} = \exp (- \frac{h S}{c_{p} ρ V} t) = \exp (- S t \frac{U S}{V} t)

となり、固体の温度変化はスタントン数に支配されることが分かる。

別の例^[1]として、直径テンプレート:Math の円管に長さテンプレート:Math 、壁温テンプレート:Math の加熱区間を設け、温度テンプレート:Math の流体を平均速度テンプレート:Math で内部に通すことを考える。このとき出口流体温度をテンプレート:Math とすると、円管が流体に与えた熱量 $\dot{Q}$ は

\dot{Q} = \frac{π d^{2}}{4} u_{m} ρ c_{p} (T_{b, l} - T_{0})

であり、 $\dot{Q}$ を平均熱伝達率テンプレート:Math と対数平均温度差を用いて表した

\dot{Q} = h_{m} (π d l) [\frac{T_{b, l} - T_{0}}{\ln (T_{w} - T_{0}) / (T_{w} - T_{b, l})}]

と等置することで、次式が得られる：

S t \equiv \frac{h_{m}}{c_{p} ρ u_{m}} = \frac{d}{4 l} \ln \frac{T_{w} - T_{0}}{T_{w} - T_{b, l}}

この式には物性値や流速が現れないという点で、ヌセルト数を使った表式より利点がある。