動的構造因子

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テンプレート:出典の明記 散乱理論における動的構造因子S(Q,ω)とは、粒子の運動の時間相関および空間相関を特徴づける量である。

動的構造因子は二体相関関数

G(r,t)=ρ𝐫(t)ρ𝐫(0)

の空間および時間についてのフーリエ変換で定義される。

S(Q,ω)=12πG(r,t)ei(Qrωt)drdt

ここでρ𝐫は原子密度の空間的変動を記述する演算子である。この二体相関関数は,時刻0の時にある位置にいた粒子と,時刻tの時に位置rにある粒子との相関を表す。

また動的構造因子のエネルギー積分のことを静的構造因子と呼ぶ。

非弾性散乱の例

非弾性散乱を考える。入射粒子のエネルギーをE0波数ベクトルk0とする。この粒子が物質によってエネルギーがE0+hω、波数ベクトルがk0+Qの状態に散乱されたとする。

このときの微分断面積σは、ボルン近似によって次のように物質の動的構造因子S(Q,ω)で表せる。

dσdΩdω=|k0+Q||k0|b2S(Q,ω)

ここでb衝突径数である。

関連項目