ヘッケ作用素

ヘッケ作用素（ヘッケさようそ、テンプレート:Lang-en-short）とは、ウェイト$k$の正則保型形式に作用する作用素。モーデル作用素を拡張して定義される。

定義

$f$をウェイト$k$の正則保型形式$M_k(\mathrm{\Gamma })$と仮定する。 (ただし、$\mathrm{\Gamma }:=S{L}_2(\mathbb{Z})$である。) このとき、$m\ge 1$に対して、ヘッケ作用素$T_k(m):M_k(\mathrm{\Gamma })\to M_k(\mathrm{\Gamma })$は、

$\begin{array}{cc}(T_k(m)f)(z)& :=m^{k-1}\sum _{ad=m}\sum _{b=0}^{d-1}{d}^{-k}f\left(\frac{az+b}{d}\right)\\ & =\sum _{n=0}^{\mathrm{\infty }}\left(\sum _{d|(m,n)}{d}^{k-1}a(\frac{mn}{d^2},f)\right)q^n\\ & ={\sigma }_{k-1}(m)a(0,f)+\sum _{n=1}^{\mathrm{\infty }}\left(\sum _{d|(m,n)}{d}^{k-1}a(\frac{mn}{d^2},f)\right)q^n,\end{array}$

によって定義されるテンプレート:Sfn。 ただし、${\sigma }_k(n):=\sum _{d|n}{d}^k$テンプレート:Sfn、また、$a(n,f)$は 正則保型形式$f$のフーリエ係数であるテンプレート:Sfn。

$f=\sum _{n=0}^{\mathrm{\infty }}a(n,f)q^n.$

ヘッケ環

作用素$T_k(m)$は関係式

$T_k(m)T_k(n)=T_k(n)T_k(m)=\sum _{d|(m,n)}{d}^{k-1}{T}_k\left(\frac{mn}{d^2}\right),$

を満足するので、${𝕋}_k:=ℂ[T_k(m)|m=1,2\cdots ]$は可換な$ℂ$ 代数を構成するテンプレート:Sfn。この${𝕋}_k$をヘッケ環と呼ぶ。 (ただし、ヘッケ環は、制限を加えたものや、局所的な類似など他にもいろいろとあるテンプレート:Sfn。)

参考文献

• テンプレート:Cite book