弧 (射影幾何学)
有限射影幾何学における弧(こ、テンプレート:Lang-en-short) とは テンプレート:Mvar 次元の有限射影空間上の、どのような テンプレート:Math 個の点も決して同一超平面(テンプレート:Nowrap、つまり テンプレート:Math 次元の部分空間)上にない点の集合である。
テンプレート:Math をさらに小さくすることはできない。テンプレート:Mvar 次元空間において、どのような テンプレート:Mvar 個の点をとってきても、そのうちの テンプレート:Math 個の点が同一の テンプレート:Math 次元の部分空間に属さない限り、それらの テンプレート:Mvar 個の点を通る テンプレート:Math 次元超平面が一意に定まる。
有限射影平面における弧
特に、有限射影平面における弧とは有限射影平面上の、どの3点も同一直線状にない点の集合である。そのような テンプレート:Mvar 個の点の集合を特に テンプレート:Mvar-弧というテンプレート:Harv。
テンプレート:Mvar-弧に対して、そのうちのちょうど2点を通る直線を割線 (secant)、ちょうど1点を通る直線を接線 (tangent)、どの点も通らない直線を外線 (exterior line)という。
位数 テンプレート:Mvar の有限射影平面において弧の点の個数は テンプレート:Math 以下である。というのは、弧の任意の1点 テンプレート:Mvar をとると、テンプレート:Mvar を通る テンプレート:Math 本の直線のそれぞれについて、弧に属する点は テンプレート:Mvar の他にあっても1点しか存在しないからである。 位数 テンプレート:Mvar の有限射影平面における テンプレート:Mvar-弧の割線、接線、外線の数はそれぞれ 本である。
テンプレート:Math-弧が存在するとき テンプレート:Mvar は偶数でなければならない。というのは テンプレート:Math-弧 テンプレート:Mvar の任意の1点 テンプレート:Mvar をとると、上と同様にして、テンプレート:Mvar を通る テンプレート:Math 本の直線のそれぞれについて、テンプレート:Mvar と交わる点が テンプレート:Mvar 以外にちょうど1つずつ存在する。したがって テンプレート:Mvar の1点を通る直線は テンプレート:Mvar とちょうど2点で交わる。次に テンプレート:Mvar に属さない点 テンプレート:Mvar を1つとる。テンプレート:Mvar を通る直線で テンプレート:Mvar と交わるもの テンプレート:Math を考える。上記の理由から、各 テンプレート:Mvar と テンプレート:Mvar の交点はちょうど2つである。テンプレート:Mvar 上の各点について、その点と テンプレート:Mvar を通る直線はただ1つ存在する。よって、テンプレート:Math が成り立つので、テンプレート:Math は偶数でなければならない。
位数 テンプレート:Mvar の有限射影平面において テンプレート:Math-弧をオーバル、 (n + 2)-弧をハイパーオーバルという。オーバルの各点はちょうど1つの接線をもつ。テンプレート:Mvar が偶数のとき、これらの接線は1点で交わり、その1点を加えればハイパーオーバルを構成できる。
位数 テンプレート:Mvar(テンプレート:Mvar は素数の冪とする)の有限体上の射影平面上の2次曲線はオーバルとなる。さらに、奇数位数の有限体上の射影平面上のオーバルはそのようなものに限る(テンプレート:仮リンク、テンプレート:Harv)。