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'''クリギング'''({{lang-en|kriging|links=no}})は、[[空間補間]]の方法の1つである{{Sfn|阪田|2021|p=3}}。分析対象となる空間に対して{{仮リンク|確率場|en|Random field}}を用いて[[共分散]]から確率・統計的に補間を行い{{Sfn|瀬谷|2018|pp=45-46}}、任意の地点における空間データの{{仮リンク|最良線形不偏予測量|en|Best linear unbiased prediction}}を計算する{{Sfn|瀬谷・堤|2014|p=65}}。 高品位な鉱物の採掘が期待できる位置の推定法を考案した鉱山技師の{{仮リンク|ダニー・G・クリーグ|en|Danie G. Krige}}の研究を参考に、数学者の{{仮リンク|ジョージズ・マトゥロン|en|Georges Matheron}}により、空間データの内挿法として開発された{{Sfn|阪田|2021|pp=1-2}}。クリギングの名は、クリーグの名に由来する{{Sfn|阪田|2021|p=1}}。 クリギングは、鉱山開発にとどまらず、[[自然科学]]、[[農学]]、[[工学]]、[[社会科学]]などで幅広く用いられている{{Sfn|阪田|2021|p=2}}。 == 原理 == クリギングは、補間点<math>\boldsymbol{s}_0</math>における予測値<math>\hat{Y}(\boldsymbol{s}_0)</math>と実際の値<math>Y(\boldsymbol{s}_0)</math>との{{仮リンク|平均二乗予測誤差|en|Mean squared prediction error}}<math>E[ \{ Y(\boldsymbol{s}_0) - \hat{Y}(\boldsymbol{s}_0) \}^2 ]</math>を最小化する予測値<math>\hat{Y}(\boldsymbol{s}_0)</math>を計算する{{Sfn|瀬谷・堤|2014|p=65}}。 == 種類 == === 単純クリギング === '''単純クリギング'''({{en|simple kriging}})は、対象領域において弱定常性{{Efn|'''弱定常性'''({{en|weak stationarity}})とは、領域内において確率変数の期待値が一定かつ確率変数間の共分散が{{仮リンク|共分散関数|en|Covariance function}}(コバリオグラム){{Efn|'''共分散関数'''({{en|covariance function}})あるいは'''コバリオグラム'''({{en|covariogram}})とは、観測データの相対位置のみを変数とする関数のこと{{Sfn|瀬谷|2018|p=47}}。}}だけで説明できること{{Sfn|瀬谷|2018|p=47}}。}}が成立し、かつ[[期待値]]が既知で一定と仮定するクリギングである{{Sfn|阪田|2021|p=86}}。 === 通常クリギング === '''通常クリギング'''({{en|ordinary kriging}})は、対象領域において弱定常性が成立し、かつ期待値が未知で一定と仮定するクリギングである{{Sfn|阪田|2021|p=99}}。 === 普遍クリギング === '''普遍クリギング'''({{en|universal kriging}})は、対象領域において期待値が位置を変数とした滑らかな関数で決定されると仮定するクリギングである{{Sfn|阪田|2021|p=116}}。 === 外生ドリフトクリギング === '''外生ドリフトクリギング'''({{en|kuriging with external drift}})は、空間補間の対象とする変数(主変数)と[[線型性]]をもつ別の変数(2次変数)のデータの[[線型和]]から期待値を推定するクリギングである{{Sfn|阪田|2021|p=126}}。 === コクリギング === '''コクリギング'''({{en|cokriging}})は、主変数のほかに、主変数と[[相関関係]]を有する2次変数を用いて期待値を推定するクリギングである{{Sfn|井上|2015|p=112}}。コクリギングは、空間補間を行いたい主変数のデータ入手が容易でない場合に、別途入手した2次変数の値を利用して主変数の空間補間を行う場合に利用できる{{Sfn|瀬谷・堤|2014|p=78}}。 == 脚注 == === 注釈 === {{Notelist}} === 出典 === {{Reflist|3}} == 参考文献 == * {{Cite book|和書|author=井上亮|year=2015|chapter=空間補間|pages=108-113|editor=[[浅見泰司]]・[[矢野桂司]]・貞広幸雄・湯田ミノリ|title=地理情報科学 GISスタンダード|publisher=古今書院|isbn=978-4-7722-5286-7|ref={{SfnRef|井上|2015}}}} * {{Cite book|和書|author=阪田義隆|year=2021|title=クリギング入門―空間データ推定の確率論的アプローチ―|publisher=コロナ社|isbn=978-4-339-05275-6|ref={{SfnRef|阪田|2021}}}} * {{Cite book|和書|author=瀬谷創|year=2018|chapter=空間補間|pages=43-50|editor=貞広幸雄|editor2=山田育穂|editor3=石井儀光|title=空間解析入門―都市を測る・都市がわかる―|publisher=朝倉書店|isbn=978-4-254-16356-8|ref={{SfnRef|瀬谷|2018}}}} * {{Cite book|和書|author1=瀬谷創|author2=堤盛人|year=2014|title=空間統計学―自然科学から人文・社会科学まで―|publisher=朝倉書店|ISBN=978-4254128314|ref={{SfnRef|瀬谷・堤|2014}}}} {{Statistics-stub}} {{Architecture-stub}} {{DEFAULTSORT:くりきんく}} [[Category:地球統計学]]
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