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{{出典の明記|date=2016年3月}} [[数学]]において、'''ベール関数'''(ベールかんすう、{{lang-en-short|Baire function}})とは、以下に記すある種の性質を有する[[関数 (数学)|関数]]を指し、[[実解析]]、[[位相幾何学]]等様々な数学の分野で研究されている。 == 定義 == 距離空間 {{mvar|X}} で定義された[[実数]]値関数 {{math|''f'' : ''X'' → '''R'''}} が[[連続 (数学)|連続]]のとき、これを'''ベールの 0 階級の関数'''({{lang-en-short|Baire function of class 0}})という。 [[超限帰納法]]により、任意の[[順序数]] {{mvar|ξ}} に対して {{mvar|η}} を {{mvar|ξ}} より小さい順序数とし、高々 {{mvar|η}} 階級の関数列 {{mvar|f<sub>n</sub>}} の[[各点収束]]の[[極限]]として表される関数を、'''高々 {{mvar|ξ}} 階級'''({{lang-en-short|class {{mvar|ξ}}}})の関数と言う。 高々 {{mvar|ξ}} 階級であって、{{mvar|ξ}} より小さい任意の順序数 {{mvar|η}} に関し、高々 {{mvar|η}} 階級でない関数を、'''{{mvar|ξ}} 階級'''の関数と言う。 これらを総称して、'''ベール関数'''({{lang-en-short|Baire function}})と言う。 ただし、実際には、[[可算集合|可算]]な順序より大きい順序数、つまり非可算順序数に対する階級の関数は存在しない。 一方、後述の通り、[[自然数]](非負整数)でない階級を持つ関数は存在する。 == 性質 == [[アンリ・ルベーグ]]は、{{mvar|X}} が[[ユークリッド空間]]の完全集合 <ref> [[位相空間]] {{mvar|X}} の[[部分集合]] {{mvar|A}} の[[集積点]](<math>\scriptstyle x \in \overline {A \smallsetminus \{ x \}}</math> を満たす点 {{mvar|x}} を言う)全体の集合を、{{mvar|A}} の'''導集合'''または'''導来集合'''({{lang-en-short|derived set}})と言い、{{mvar|A<sup>d</sup>}} で表す。 {{math|''A'' {{=}} ''A<sup>d</sup>''}} のとき、{{mvar|A}} を'''完全集合'''({{lang-en-short|perfect set}})と言う。 </ref> ならば、全ての高々可算な順序数を階級とする関数が存在することを示した。 以下、特に断らない限り、この場合だけを考える。 * {{mvar|X}} が[[連続体濃度]]を持てば、{{mvar|X}} 上の全てのベール関数の集合も連続体濃度を持つ。 特に、{{mvar|X}} 上の全ての関数の濃度は連続体濃度より大きいから、ベール関数でない {{mvar|X}} 上の関数は、関数体の濃度 ({{math|2<sup>ℵ</sup>}}) だけ存在する(ルベーグ)。 * ベール関数であることとボレル可測関数であることは、[[同値]]である(ルベーグ)。 * [[完備距離空間]]において、{{mvar|f}} の連続点の集合が[[稠密集合|稠密]]であることと、{{mvar|f}} が高々 1 階級の関数であることは、同値である(ベール)。 == 例 == [[有理数]][[可換体|体]]の[[指示関数|特性関数]] <math>\chi_{\mathbb Q}</math> を、[[ディリクレの関数|ディリクレ関数]]という。 ディリクレ関数は、至る所で不連続で、<math>\lim_{n \to \infin} \lim_{k \to \infin} \cos^{2k} (n! \pi x)</math> と表せることから、2 階級の関数である。 一般に、{{mvar|n}} が増加すればする程、{{mvar|n}} 階級の関数は連続性を失う。 == 脚注 == <references /> {{DEFAULTSORT:へえるかんすう}} [[Category:関数]] [[Category:関数の種類]] [[Category:解析学]] [[Category:位相幾何学]] [[Category:数学に関する記事]]
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