ベール関数
テンプレート:出典の明記 数学において、ベール関数(ベールかんすう、テンプレート:Lang-en-short)とは、以下に記すある種の性質を有する関数を指し、実解析、位相幾何学等様々な数学の分野で研究されている。
定義
距離空間 テンプレート:Mvar で定義された実数値関数 テンプレート:Math が連続のとき、これをベールの 0 階級の関数(テンプレート:Lang-en-short)という。 超限帰納法により、任意の順序数 テンプレート:Mvar に対して テンプレート:Mvar を テンプレート:Mvar より小さい順序数とし、高々 テンプレート:Mvar 階級の関数列 テンプレート:Mvar の各点収束の極限として表される関数を、高々 テンプレート:Mvar 階級(テンプレート:Lang-en-short)の関数と言う。 高々 テンプレート:Mvar 階級であって、テンプレート:Mvar より小さい任意の順序数 テンプレート:Mvar に関し、高々 テンプレート:Mvar 階級でない関数を、テンプレート:Mvar 階級の関数と言う。 これらを総称して、ベール関数(テンプレート:Lang-en-short)と言う。 ただし、実際には、可算な順序より大きい順序数、つまり非可算順序数に対する階級の関数は存在しない。 一方、後述の通り、自然数(非負整数)でない階級を持つ関数は存在する。
性質
アンリ・ルベーグは、テンプレート:Mvar がユークリッド空間の完全集合 [1] ならば、全ての高々可算な順序数を階級とする関数が存在することを示した。 以下、特に断らない限り、この場合だけを考える。
- テンプレート:Mvar が連続体濃度を持てば、テンプレート:Mvar 上の全てのベール関数の集合も連続体濃度を持つ。 特に、テンプレート:Mvar 上の全ての関数の濃度は連続体濃度より大きいから、ベール関数でない テンプレート:Mvar 上の関数は、関数体の濃度 (テンプレート:Math) だけ存在する(ルベーグ)。
- ベール関数であることとボレル可測関数であることは、同値である(ルベーグ)。
- 完備距離空間において、テンプレート:Mvar の連続点の集合が稠密であることと、テンプレート:Mvar が高々 1 階級の関数であることは、同値である(ベール)。
例
有理数体の特性関数 を、ディリクレ関数という。 ディリクレ関数は、至る所で不連続で、 と表せることから、2 階級の関数である。
一般に、テンプレート:Mvar が増加すればする程、テンプレート:Mvar 階級の関数は連続性を失う。
脚注
- ↑ 位相空間 テンプレート:Mvar の部分集合 テンプレート:Mvar の集積点( を満たす点 テンプレート:Mvar を言う)全体の集合を、テンプレート:Mvar の導集合または導来集合(テンプレート:Lang-en-short)と言い、テンプレート:Mvar で表す。 テンプレート:Math のとき、テンプレート:Mvar を完全集合(テンプレート:Lang-en-short)と言う。