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'''ラテン方格'''(ラテンほうかく、{{Lang-en-short|Latin square}})とは <math>n</math> 行 <math>n</math> 列の表に <math>n</math> 個の異なる記号を、各記号が各行および各列に1回だけ現れるように並べたものである。'''ラテン方陣'''(ラテンほうじん)ともいう。例を示す: <div style="text-align: center;"><math> \begin{bmatrix} 1 & 2 & 3 \\ 2 & 3 & 1 \\ 3 & 1 & 2 \\ \end{bmatrix} \quad\quad \begin{bmatrix} a & b & d & c \\ b & c & a & d \\ c & d & b & a \\ d & a & c & b \end{bmatrix} </math></div> ラテン方格は数学的には[[準群]]の[[積表]]と見ることができる。 ラテン方格は[[実験計画法]]に応用される。また[[ペンシルパズル]]の一種「[[数独]]」や「[[賢くなるパズル]]」もラテン方格の応用である。 ラテン方格の名は[[レオンハルト・オイラー|オイラー]]によるもので、記号として[[ラテン文字]](ローマ字)を用いたことによる。 ラテン方格は、第1行および第1列が自然な[[順序]]で並んでいる場合に'''標準形'''という。例えば上記1番のラテン方格は第1行と第1列がいずれも1,2,3であるから標準形である。どんなラテン方格も行、または列を交換することで標準形にできる。 記号には自然な順序がある(ない場合は適当に決めればよい)から、一般には1から始まる連続した数字(自然数)で書くのが便利である。 2次元のラテン方格をn次元に拡張した物を'''ラテン超方格'''(Latin hypercube)という。これに基づく実験計画法を'''ラテン超方格法'''([[:en:Latin hypercube sampling|Latin Hypercube Sampling]]; LHS)という。 == 直交配列表現 == <math>n \times n</math> ラテン方格の各マスを3つ組 <math>(r, c, s)</math> (ただし <math>r</math> は行、 <math>c</math> は列、 <math>s</math> は記号)で表現すると、 <math>n^2</math> 組の3つ組が得られ、これを直交配列表現 {{Lang-en-short|orthogonal array representation}} と呼ぶ。例えば上の1番目のラテン方格の直交配列表現は : <math>\{ (1,1,1),(1,2,2),(1,3,3),(2,1,2),(2,2,3),(2,3,1),(3,1,3),(3,2,1),(3,3,2) \}</math> となる。ラテン方格は直交配列を用いて次のように定義できる: * <math>(r, c, s)</math> (ただし <math>1 \leqq r, c, s \leqq n</math>)の形の <math>n^2</math> 組の3文字組があり、 * すべての <math>(r, c)</math>、 <math>(r, s)</math>、 <math>(c, s)</math> の形の対がそれぞれすべて異なる。 この表現法から、行、列、および記号は似た役割を持つことがわかる。 == ラテン方格の同値類 == ラテン方格に対するいろいろな操作(例えば上下あるいは左右の反転など)で別のラテン方格が作れる。 行、列、または記号を交換すれば、新しいラテン方格が作れる。これを最初のものに対してイソトピック ({{Lang-en|isotopic}}) であるという。イソトピックな関係(イソトピー、{{Lang-en|isotopy}})は一種の[[同値関係]]であり、すべてのラテン方格は[[同値類]](イソトピー類、{{Lang-en|isotopy classes}})に分けることができる。 もう一つのタイプの操作は、直交配置表現を使うと簡単に表せる。各3つ組の中の3文字を系統的に並べ替えれば他のラテン方格が作れる。例えば、各3つ組<math>(r, c, s)</math>を<math>(c, r, s)</math>に並べ替え(これは対角線を中心にして行と列を反転すること)、あるいは各3つ組<math>(r, c, s)</math>を<math>(c, s, r)</math>に並べ替える(これはもっと複雑な操作)ことができる。このような操作は全部で(何もしないのを含めて)6つの可能性があり、これらで得られるラテン方格を基の方格に対して共役({{Lang-en|conjugate}} または {{Lang-en|parastrophe}})という。 これらの同値操作を2つ組み合わせることができる。2つのラテン方格の一方がもう一方の共役に対しイソトピックなとき、これらはパラトピック({{Lang-en|paratopic}} または {{Lang-en|main class isotopic}})という。これもやはり同値関係であって、この同値類は {{Lang-en|main classes}}、{{Lang-en|species}}、{{Lang-en|paratopy classes}} などという。各 <span lang="en" dir="ltr">main class</span> は最高6のイソトピー類を含む。 ==関連項目== {{Div col}} *[[賢くなるパズル]] *[[群論]] *[[実験計画法]] *[[数独]] *[[魔方陣]] {{Div col end}} == 外部リンク == {{Commons-inline}} *{{kotobank|ラテン方格}} *{{kotobank|ラテン方陣}} *{{MathWorld|title=Latin Square|urlname=LatinSquare}} {{統計学}} {{Normdaten}} {{デフォルトソート:らてんほうかく}} [[Category:誤り検出訂正]] [[category:実験計画法]] [[Category:分配多元環]] [[category:ラテン方格|*]] [[Category:数学に関する記事]] [[カテゴリ:NP完全問題]] [[カテゴリ:符号理論]] [[カテゴリ:統計学の理論]] [[カテゴリ:組合せ論]] [[カテゴリ:抽象代数学]]
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