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[[統計学]]において、'''ルビーン検定'''({{lang-en-short|Levene's test}})とは2群以上の[[分散 (確率論)|分散]]の均質性を検定する手順である<ref name=Levene1960>{{Cite book |last=Levene |first=Howard |chapter=Robust tests for equality of variances |year=1960 | title=Contributions to Probability and Statistics: Essays in Honor of Harold Hotelling | editor={{仮リンク|Ingram Olkin|en|Ingram Olkin|label=Ingram Olkin}}, [[ハロルド・ホテリング|Harold Hotelling]], et al. | publisher=Stanford University Press | pages=278–292}}</ref>。良く知られた統計手法の中には、各群の分散が均等であることを前提としているものがある。ルビーン検定はこの仮定を検証する。この検定の[[帰無仮説]]は「各群の分散は等しい([[等分散性]])」である。ルビーン検定の[[有意#P値|''p''値]]が有意水準(通常0.05)を下回った場合、各群は均一な分散を持つ集団からのランダムサンプリングであるとは言えないので、各群の分散に差があると結論付けられる。 等分散性を仮定した統計手法として代表的なものは、[[分散分析]]と[[t検定]]である。 ルビーン検定は多くの場合、平均値の比較に先立って実施される。ルビーン検定が有意であった場合、等分散性の仮定を必要としない検定手法(ノンパラメトリック検定等)に切り替える必要がある。 その他にルビーン検定は、2つの集団の分散が等しいか否かという単一の仮説の検定に用いられる事もある。 ==定義== 統計量''W'' は、下記の式で定義される: : <math>W = \frac{(N-k)}{(k-1)} \frac{\sum_{i=1}^k N_i (Z_{i\cdot}-Z_{\cdot\cdot})^2} {\sum_{i=1}^k \sum_{j=1}^{N_i} (Z_{ij}-Z_{i\cdot})^2},</math> ここで * <math>W</math> は検定統計量 * <math>k</math> は比較する群の数 * <math>N</math> は全群の総観測数 * <math>N_i</math> は第<math>i</math>群の観測数 * <math>Y_{ij}</math> は第<math>i</math>群の<math>j</math>番目の変数の値 * <math>Z_{ij} = \left\{\begin{matrix} |Y_{ij} - \bar{Y}_{i\cdot}| \\ |Y_{ij} - \tilde{Y}_{i\cdot}| & \end{matrix}\right.</math> **<math>\bar{Y}_{i\cdot}</math> は第<math>i</math>群の平均値 **<math>\tilde{Y}_{i\cdot}</math> は第<math>i</math>群の中央値 (中央値を用いる検定は厳密には{{仮リンク|ブラウン・フォーサイス検定|en|Brown–Forsythe test}}である。下記の比較の節参照。) * <math>Z_{\cdot\cdot} = \frac{1}{N} \sum_{i=1}^{k} \sum_{j=1}^{N_i} Z_{ij}</math>は全ての<math>Z_{ij}</math>の平均値、 * <math>Z_{i\cdot} = \frac{1}{N_i} \sum_{j=1}^{N_i} Z_{ij}</math>は第<math>i</math>群の<math>Z_{ij}</math>の平均値。 <math>W</math>を[[F検定]]の統計量(自由度は<math>k-1</math>と<math>N-k</math>)<math>F(\alpha,k-1,N-k)</math>と比較する。<math>\alpha</math>は有意水準であり、通常0.05または0.01を用いる。 ==ブラウン・フォーサイス検定との比較== {{仮リンク|ブラウン・フォーサイス検定|en|Brown–Forsythe test}}では各群間差の計算に平均値でなく中央値を用いる(<math> \bar{Y}</math> vs. <math> \tilde{Y}</math>)。中央値を用いる事で、分布の形状による影響を受け難くなり、{{仮リンク|検出力|en|statistical power}}を維持した{{仮リンク|ロバスト統計|en|Robust statistics|label=堅牢な統計}}となる。分布の形状が正規分布から外れていることが判っている場合、ブラウン・フォーサイス検定が選択肢となる。ブラウンとフォーサイスは[[モンテカルロ法]]を研究し、[[コーシー分布]]([[裾の重い分布]])する母集団からのサンプルには{{仮リンク|トリム平均|en|trimmed mean}}を、自由度4の[[カイ二乗分布]]([[歪度]]が大きい)する母集団からのサンプルには[[中央値]]を用いると最良の結果が得られることを指摘した。対称で裾が重くない分布の場合は、平均値を用いると検出力が最大であった。 ==関連項目== * [[バートレット検定]] * {{仮リンク|等分散におけるF検定|en|F-test of equality of variances}} ==出典== {{Reflist}} ==外部リンク== * [https://www.youtube.com/watch?v=O6taUlWejB0 Parametric and nonparametric Levene's test in SPSS] * http://www.itl.nist.gov/div898/handbook/eda/section3/eda35a.htm {{デフォルトソート:るひいんけんてい}} [[Category:分散分析]] [[Category:統計検定]] [[Category:数学に関する記事]]
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