ルビーン検定

提供: testwiki
ナビゲーションに移動 検索に移動

統計学において、ルビーン検定テンプレート:Lang-en-short)とは2群以上の分散の均質性を検定する手順である[1]。良く知られた統計手法の中には、各群の分散が均等であることを前提としているものがある。ルビーン検定はこの仮定を検証する。この検定の帰無仮説は「各群の分散は等しい(等分散性)」である。ルビーン検定のpが有意水準(通常0.05)を下回った場合、各群は均一な分散を持つ集団からのランダムサンプリングであるとは言えないので、各群の分散に差があると結論付けられる。

等分散性を仮定した統計手法として代表的なものは、分散分析t検定である。

ルビーン検定は多くの場合、平均値の比較に先立って実施される。ルビーン検定が有意であった場合、等分散性の仮定を必要としない検定手法(ノンパラメトリック検定等)に切り替える必要がある。

その他にルビーン検定は、2つの集団の分散が等しいか否かという単一の仮説の検定に用いられる事もある。

定義

統計量W は、下記の式で定義される:

W=(Nk)(k1)i=1kNi(ZiZ)2i=1kj=1Ni(ZijZi)2,

ここで

  • W は検定統計量
  • k は比較する群の数
  • N は全群の総観測数
  • Ni は第i群の観測数
  • Yij は第i群のj番目の変数の値
  • Zij={|YijY¯i||YijY~i|
    • Y¯i は第i群の平均値
    • Y~i は第i群の中央値

(中央値を用いる検定は厳密にはテンプレート:仮リンクである。下記の比較の節参照。)

  • Z=1Ni=1kj=1NiZijは全てのZijの平均値、
  • Zi=1Nij=1NiZijは第i群のZijの平均値。

WF検定の統計量(自由度はk1NkF(α,k1,Nk)と比較する。αは有意水準であり、通常0.05または0.01を用いる。

ブラウン・フォーサイス検定との比較

テンプレート:仮リンクでは各群間差の計算に平均値でなく中央値を用いる(Y¯ vs. Y~)。中央値を用いる事で、分布の形状による影響を受け難くなり、テンプレート:仮リンクを維持したテンプレート:仮リンクとなる。分布の形状が正規分布から外れていることが判っている場合、ブラウン・フォーサイス検定が選択肢となる。ブラウンとフォーサイスはモンテカルロ法を研究し、コーシー分布裾の重い分布)する母集団からのサンプルにはテンプレート:仮リンクを、自由度4のカイ二乗分布歪度が大きい)する母集団からのサンプルには中央値を用いると最良の結果が得られることを指摘した。対称で裾が重くない分布の場合は、平均値を用いると検出力が最大であった。

関連項目

出典

テンプレート:Reflist

外部リンク