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[[抽象代数学]]において,[[環 (数学)|環]] {{mvar|R}} 上の[[環上の加群|加群]] {{mvar|M}} に'''伴う素イデアル'''({{lang-en-short|associated prime}})あるいは {{mvar|M}} の'''素因子'''とは,{{mvar|M}} の(素)部分加群の[[零化イデアル]]として生じる {{mvar|R}} の[[素イデアル]]のタイプである.素因子全体の集合は通常 {{math|Ass{{sub|''R''}}(''M'')}} と書かれる. [[可換環論]]において,素因子は可換[[ネーター環]]におけるイデアルの[[準素分解]]と結びついている.具体的には,イデアル {{mvar|J}} が[[準素イデアル]]の有限交叉として分解されているとき,これらの準素イデアルの[[イデアルの根基|根基]]は[[素イデアル]]であり,素イデアルたちのこの集合は {{math|Ass{{sub|''R''}}(''R''/''J'')}} と一致する{{sfn|Lam|1999|p=117|loc=Ex 40B}}.またイデアルの「素因子」の概念と結びついているのは,'''孤立素因子''' (isolated prime) と'''非孤立'''あるいは'''埋め込まれた素因子''' (embedded prime) の概念である. ==定義== 零でない {{mvar|R}} 加群 {{mvar|N}} が '''prime module''' であるとは,{{mvar|N}} の任意の非零部分加群 {{mvar|N′}} に対して零化イデアル <math>\mathrm{Ann}_R(N)=\mathrm{Ann}_R(N')\,</math> となることである.prime module {{mvar|N}} に対し,<math>\mathrm{Ann}_R(N)\,</math> は {{mvar|R}} の素イデアルである{{sfn|Lam|1999|p=85}}. {{mvar|R}} 加群 {{mvar|M}} に'''伴う素イデアル''' (associated prime) とは,{{mvar|N}} を {{mvar|M}} の prime submodule として {{math|Ann{{sub|''R''}}(''N'')}} の形のイデアルのことである.可換環論における通常の定義は異なるが同値である{{sfn|Lam|1999|p=86}}:{{mvar|R}} が可換であるとき,{{mvar|M}} に伴う素イデアル {{mvar|P}} とは,{{mvar|M}} の非零元 {{mvar|m}} に対して <math>\mathrm{Ann}_R(m)\,</math> の形の素イデアル,あるいは同じことであるが,{{math|''R''/''P''}} が {{mvar|M}} のある部分加群に同型な素イデアルのことである. 可換環 {{mvar|R}} において,{{math|Ass{{sub|''R''}}(''M'')}} における(集合論的包含に関する)極小元は'''孤立素因子''' (isolated prime) と呼ばれ,残りの素因子(すなわちある素因子を真に含むもの)は'''非孤立素因子''' (embedded prime) と呼ばれる. 加群が '''coprimary''' であるとは,ある {{math|0 ≠ ''m'' ∈ ''M''}} に対して {{math|1=''xm'' = 0}} ならばある正の整数 {{mvar|n}} に対して {{math|1=''x<sup>n</sup>M'' = 0}} となることをいう.可換ネーター環上の零でない有限生成加群 {{mvar|M}} が coprimary であることとちょうど1つの素因子を持つことは同値である.{{mvar|M}} の部分加群 {{mvar|N}} が {{mvar|P}}-primary とは,{{math|''M''/''N''}} が {{mvar|P}} で coprimary なことをいう.イデアル {{mvar|I}} が {{mvar|P}}-[[準素イデアル]]であることと {{math|1=Ass{{sub|''R''}}(''R''/''I'') = {{mset|''P''}}}} は同値である;したがって概念は準素イデアルの一般化である. ==性質== これらの性質や主張のほとんどは {{harv|Lam|2001}} の86ページ以降に与えられている. * {{math|''M′'' ⊆ ''M''}} ならば,{{math|Ass{{sub|''R''}}(''M′'') ⊆ Ass{{sub|''R''}}(''M'')}} である.さらに {{math|''M′''}} が {{mvar|M}} の[[本質部分加群]]ならば,それらの素因子は一致する. * 可換局所環に対してさえ,[[有限生成加群]]の素因子の集合が空であることはあり得る.しかしながら,イデアルについての[[昇鎖条件]]を満たす任意の環(例えば右あるいは左ネーター環)において,すべての非零加群は少なくとも一つの素因子を持つ. * 任意の[[一様加群]]は 0 個か 1 個の素因子を持ち,一様加群は coprimary module の例である. * 片側ネーター環に対して,直既約[[移入加群]]の同型類の集合から[[環のスペクトル|スペクトル]] {{math|Spec(''R'')}} の上への全射がある.{{mvar|R}} が[[アルティン環]]ならばこの写像は全単射になる. *'''Matlis' Theorem''': 可換ネーター環 {{mvar|R}} に対して,直既約移入加群の同型類からスペクトルへの写像は全単射である.さらに,それらの類の完全代表系は <math>E(R/\mathfrak{p})\,</math> で与えられる,ただし {{math|''E''(–)}} は[[移入包絡]]であり,<math>\mathfrak{p}\,</math> は {{mvar|R}} の素イデアル全体を渡る. * 任意の環上の[[ネーター加群]] {{mvar|M}} に対して,{{mvar|M}} の素因子は有限個しか存在しない. 以下の性質は全て可換ネーター環 {{mvar|R}} に対するものである: * すべてのイデアル {{mvar|J}} は(準素分解を通して)準素イデアルの有限交叉として表せる.これらのイデアルのそれぞれの根基は素イデアルであり,これらの素イデアルはちょうど {{math|Ass{{sub|''R''}}(''R''/''J'')}} の元たちである.とくに,イデアル {{mvar|J}} が[[準素イデアル]]であることと {{math|Ass{{sub|''R''}}(''R''/''J'')}} がちょうど1つの元を持つことは同値である. * イデアル {{mvar|J}} を含む任意の{{仮リンク|極小素イデアル|en|Minimal prime ideal}}は {{math|Ass{{sub|''R''}}(''R''/''J'')}} に入る.これらの素イデアルはちょうど孤立素因子である. * {{mvar|M}} の素因子の集合論的和はちょうど {{mvar|M}} の[[零因子]],つまり,{{math|1=''mr'' = 0}} となるある {{math|0 ≠ ''m'' ∈ ''M''}} が存在するような元 {{mvar|r}}, の全体の集合である. *{{mvar|M}} が {{mvar|R}} 上の有限生成加群ならば,部分加群の有限昇鎖列 :: <math>0=M_0\subset M_1\subset\cdots\subset M_{n-1}\subset M_n=M\,</math> :であって各商 {{math|''M''<sub>''i''</sub>/''M''<sub>''i''−1</sub>}} がある素イデアル {{mvar|P{{sub|i}}}} に対して {{math|''R''/''P''<sub>''i''</sub>}} に同型であるようなものが存在する.さらに,{{mvar|M}} のすべての素因子は素イデアル {{mvar|P{{sub|i}}}} の集合に現れる.(一般にはすべての素イデアル {{mvar|P{{sub|i}}}} が {{mvar|M}} の素因子であるわけではない.) * {{mvar|S}} を {{mvar|R}} の積閉集合とし,{{math|''f'': Spec(''S''{{sup|−1}}''R'') → Spec(''R'')}} を自然な写像とする.このとき,{{mvar|R}} 上の加群 {{mvar|M}} に対して, *:<math>\operatorname{Ass}_R(S^{-1}M) = f(\operatorname{Ass}_{S^{-1}R}(S^{-1}M)) = \operatorname{Ass}_R(M) \cap \{ P | P \cap S = \emptyset \}</math>.<ref>{{harvnb|Matsumura|1970|loc=7.C Lemma}}</ref> * {{mvar|R}} 上の加群 {{mvar|M}} に対して,{{math|Ass(''M'') ⊆ Supp(''M'')}} である.さらに,{{math|Supp(''M'')}} の極小元の集合は {{math|Ass(''M'')}} の極小元の集合と一致する.とくに,{{math|Ass(''M'')}} が極大イデアルからなるとき,等号が成り立つ. * {{mvar|R}} 上の加群 {{mvar|M}} が[[長さ有限]]であることと {{mvar|M}} が有限生成かつ {{math|Ass(''M'')}} が極大イデアルからなることは同値である<ref>{{citation|title=Basic Algebra|first=P. M.|last=Cohn|publisher=Springer|year=2003|isbn=9780857294289|at=Exercise 10.9.7, p. 391|url=https://books.google.com/books?id=bOElBQAAQBAJ&pg=PA391}}.</ref>. ==例== *{{mvar|R}} が有理整数環ならば,非自明な[[自由アーベル群]]と素冪位数の非自明な[[アーベル群]]は coprimary である. *{{mvar|R}} が有理整数環で {{mvar|M}} が有限アーベル群ならば,{{mvar|M}} の素因子はちょうど {{mvar|M}} の位数を割り切る素数である. *位数 2 の群は有理整数 {{mathbf|Z}}(自身の上の自由加群と考えて)の商であるが,その素因子 {{math|(2)}} は {{mathbf|Z}} の素因子ではない. ==脚注== {{Reflist}} ==参考文献== *{{Citation | last1=Eisenbud | first1=David | author1-link=David Eisenbud | title=Commutative algebra | publisher=[[Springer-Verlag]] | location=Berlin, New York | series=[[Graduate Texts in Mathematics]] | isbn=978-0-387-94268-1 | mr=1322960 | year=1995 | volume=150}} *{{Citation | last1=Lam | first1=Tsit-Yuen | title=Lectures on modules and rings | publisher=[[Springer-Verlag]] | location=Berlin, New York | series=Graduate Texts in Mathematics No. 189 | isbn=978-0-387-98428-5 | mr=1653294 | year=1999}} * {{citation | last1=Matsumura |first1=Hideyuki |title=Commutative algebra |year=1970}} {{DEFAULTSORT:ともなうそいてある}} [[Category:可換環論]] [[Category:素イデアル]] [[Category:加群論]] [[Category:数学に関する記事]]
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