偶関数と奇関数のソースを表示
←
偶関数と奇関数
ナビゲーションに移動
検索に移動
あなたには「このページの編集」を行う権限がありません。理由は以下の通りです:
この操作は、次のグループに属する利用者のみが実行できます:
登録利用者
。
このページのソースの閲覧やコピーができます。
{{出典の明記|date=2016年3月}} [[数学]]において'''偶関数'''(ぐうかんすう、{{lang-en-short|even function}})および'''奇関数'''(きかんすう、{{lang-en-short|odd function}})は、変数の[[正の数と負の数|符号]]を[[反数|反転させる変換]]に関してそれぞれ、特定の[[対称性]]を満足する[[関数 (数学)|関数]]である。これらは[[解析学]]の多くの分野、殊に[[冪級数]]や[[フーリエ級数]]に関する理論において重要である。名称は、この性質を満足する[[冪関数]]の冪指数の[[偶奇性|(整数としての)偶奇]]に由来する(すなわち、関数 {{math|1=''f''(''x'') = ''x{{exp|n}}''}} は {{mvar|n}} が偶数のとき偶関数であり、{{mvar|n}} が奇数のとき奇関数である)。 この、'''関数の[[偶奇性]]''' (''parity of function'') の概念は、始域および終域がともに[[加法逆元]](マイナス元)を持つような場合であれば常に意味を成す。加法逆元を持つような代数系には、例えば任意の[[アーベル群]]、(必ずしも可換でない)[[環 (数学)|環]]や[[体 (数学)|体]]、あるいは[[ベクトル空間]]などが挙げられるから、従って例えば[[実函数|実変数実数値の関数]]やベクトル変数複素数値の関数といったようなものに対して、その偶奇性を定めることができる。 以下では特に断りのない限り、それら[[函数のグラフ]]の[[対称性]]を詳らかにするために、実変数実数値函数に関して述べる。 [[ファイル:cos-curve.png|thumb|偶関数の例:余弦関数は {{mvar|y}} 軸対称]] [[ファイル:sin-curve.png|thumb|奇関数の例:正弦関数は原点対称]] [[ファイル:sin_and_cos.png|thumb|正弦関数と余弦関数]] [[ファイル:Absolute value.svg|thumb|偶関数の例:絶対値関数]] [[ファイル:Cosh.svg|thumb|偶関数の例:双曲線余弦関数]] [[ファイル:双曲線正弦関数.png|thumb|奇関数の例:双曲線正弦関数]] [[画像:Quadratic-func.png|thumb|二次関数のグラフ。{{math|(''x'' − 10)<sup>2</sup>}} を除き偶関数の例である。{{math|1=(''x'' − 10)<sup>2</sup>}} {{math|1== ''x''<sup>2</sup> − 20''x'' + 100}} は 1 次の項を含むので偶関数ではない(奇関数でもない。ただし、{{math|1=''X'' = ''x'' − 10}} に関する偶関数である)。]] [[画像:Cubic-func.png|thumb|三次関数のグラフ。原点を通る 2 つは奇関数の例になっている。{{math|1=''x'' = 0}} で値を持つ奇関数ならば少なくとも原点を通る(逆は必ずしも真ではない)。]] == 定義 == 関数 {{math|''f''(''x'')}} が'''偶関数'''であるとは、<!--定義域は?--> : <math>f(-x)=f(x)</math> が任意の {{mvar|x}} について成立することである{{sfn|Gelfand|2002|p=11}}<ref name="F1986">大石 進一『フーリエ解析 (理工系の数学入門コース 6)』 岩波書店、1989年、ISBN 4000077767、13~15頁</ref><ref name="数学3">E.クライツィグ 『技術者のための高等数学3 フーリエ解析と偏微分方程式』 培風館 第5版 (1987/12) ISBN 4563005630、61~62頁</ref>。また、関数 {{math|''f''(''x'')}} が'''奇関数'''であるとは、 : <math>f(-x)=-f(x)</math> が任意の {{mvar|x}} について成立することである{{sfn|Gelfand|2002|p=72}}<ref name="F1986" /><ref name="数学3" />。 == 性質 == === 基本 === * 偶関数 {{mvar|f}} は、{{mvar|xy}}-平面上に {{math|1=''y'' = ''f''(''x'')}} の[[グラフ (関数)|グラフ]]を描いたとき {{mvar|y}} 軸に関して[[対称性|対称]]([[線対称]])になる。 * 奇関数 {{mvar|f}} は、{{mvar|xy}}-平面上に {{math|1=''y'' = ''f''(''x'')}} のグラフを描いたとき原点に関して対称([[点対称]])になる。特に、{{math|''f''(0)}} が定義されているならば {{math|1=''f''(0) = 0}} である。 * 奇関数と偶関数の和は一般には奇関数でも偶関数でもない。(例:{{math|''x'' + ''x''<sup>2</sup>}}) * いくつかの偶関数があるときに、それらの定数倍を足し合わせたもの([[線型結合]])も偶関数になる。 * いくつかの奇関数があるときに、それらの定数倍を足し合わせたものも奇関数になる。 * 2 つの偶関数の積は偶関数<ref name="F1986" /> * 2 つの奇関数の積は偶関数<ref name="F1986" /> * 偶関数と奇関数の積は奇関数<ref name="F1986" /><ref name="数学3" /> * 偶関数が微分可能なとき、1 回微分すると奇関数になる。 * 奇関数が微分可能なとき、1 回微分すると偶関数になる。 === 級数 === * 偶関数の0まわりの[[テイラー級数]]は {{mvar|x}} の偶数次の項だけを持つ[[冪級数|べき級数]]である。 * 奇関数の0まわりのテイラー級数は奇数次の項だけを持つべき級数である。 * 周期的な偶関数の[[フーリエ級数]]は {{math|cos}} の項だけで構成される。 * 周期的な奇関数のフーリエ級数は {{math|sin}} の項だけで構成される。 === 函数の偶奇分解 === 偶関数全体の成す集合、奇関数全体の成す集合はともに[[ベクトル空間]]の構造を持つ(さらに偶関数の全体は[[交換法則|可換]][[体上の多元環|多元環]]を成す。一方、奇関数の全体は積について閉じておらず多元環を成さない)。 また、任意の関数 {{math|''f''(''x'')}} に対し、 :<math>f_{\text{even}}(x) = \frac{f(x)+f(-x)}{2} ,\quad f_{\text{odd}}(x)= \frac{f(x)-f(-x)}{2}</math> で定義される函数 {{math|''f''{{sub|even}}}} および {{math|''f''{{sub|odd}}}} はそれぞれ偶関数および奇関数<ref name="F1986" />であり、それぞれ {{mvar|f}} の'''偶成分''' (even part) および'''奇成分''' (odd part) という。 このとき、明らかに {{math|''f'' {{=}} ''f''{{sub|even}} + ''f''{{sub|odd}}}} が成り立つが、関数 {{math|''f''(''x'')}} が偶関数かつ奇関数となるのは {{math|1=''f''(''x'') = 0}} の[[iff|とき、かつそのときに限る]]から、そのような表し方はただ一通りである。すなわち、関数全体の成すベクトル空間は、偶関数全体の成すベクトル空間と奇関数全体の成す[[ベクトル空間の直和]]に分解される。 == 例 == === 偶関数 === * [[絶対値]]関数 {{math|{{mabs|''x''}}}} * [[余弦関数]]<ref name="数学4">E.クライツィグ 『技術者のための高等数学4 複素関数論』 培風館 第8版 (2003/3) ISBN 4563011185、203頁</ref> {{math|cos ''x''}} * [[双曲線関数|双曲線余弦関数]] {{math|cosh ''x''}} * {{math|''x''{{sup|2}}}}, {{math|''x''{{sup|4}}}}, {{math|1=''x''{{sup|0}} = 1}}, {{math|1=''x''{{sup|−2}} = 1/''x''{{sup|2}}}} 等の[[偶数]]次冪関数 {{math|''x''<sup>2''n''</sup>}}({{mvar|n}} は整数)。 * [[定数関数]] * 任意の関数 {{math|''f''(''x'')}} に対して {{math|''f''(''x'') + ''f''(−''x'')}} === 奇関数 === * [[正弦関数]]<ref name="数学4" /> {{math|sin ''x''}} * [[正接関数]] {{math|tan ''x''}} * 双曲線正弦関数 {{math|sinh ''x''}} * {{mvar|x}}, {{math|''x''{{sup|3}}}}, {{math|''x''{{sup|−1}}}} 等の[[奇数]]次冪関数 {{math|''x''<sup>2''n'' − 1</sup>}}({{mvar|n}} は整数) * 逆正弦関数 {{math|sin<sup>−1</sup>''x''}} * 逆正接関数 {{math|tan<sup>−1</sup>''x''}} * 逆双曲線正弦関数 {{math|sinh<sup>−1</sup>''x''}} * [[単射]]な奇関数 {{math|''f''(''x'')}} の[[逆関数]] {{math|''f'' {{sup|−1}}(''x'')}} * 任意の関数 {{math|''f''(''x'')}} に対して {{math|''f''(''x'') − ''f''(−''x'')}} == 関連項目 == * [[偶奇性]] - [[整数の偶奇性]]・[[置換の偶奇性]] * [[パリティ (物理学)]] * {{仮リンク|エルミート函数|en|Hermitian function}} == 注 == {{reflist}} == 参考文献 == *{{Citation |last=Gelfand |first=I. M. |last2=Glagoleva |first2=E. G. |last3=Shnol |first3=E. E. |author-link=Israel Gelfand |year=2002 | origyear=1969 |title=Functions and Graphs |publisher=Dover Publications |publication-place=Mineola, N.Y |page= |url=http://store.doverpublications.com/0486425649.html |accessdate= }} == 外部リンク == * {{高校数学の美しい物語|1052|偶関数と奇関数の意味,性質などまとめ}} * {{MathWorld|urlname=EvenFunction|title=Even Function}} * {{MathWorld|urlname=OddFunction|title=Odd Function}} * {{PlanetMath|urlname=evenandoddfunctions|title=Even and odd functions|author=yark, matte, Cam McLeman}} {{DEFAULTSORT:くうかんすうときかんすう}} [[Category:解析学]] [[Category:関数]] [[Category:関数の種類]] [[Category:対称性]] [[Category:数学に関する記事]]
このページで使用されているテンプレート:
テンプレート:Citation
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Lang-en-short
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Math
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:MathWorld
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Mvar
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:PlanetMath
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Reflist
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Sfn
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:仮リンク
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:出典の明記
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:高校数学の美しい物語
(
ソースを閲覧
)
偶関数と奇関数
に戻る。
ナビゲーション メニュー
個人用ツール
ログイン
名前空間
ページ
議論
日本語
表示
閲覧
ソースを閲覧
履歴表示
その他
検索
案内
メインページ
最近の更新
おまかせ表示
MediaWiki についてのヘルプ
特別ページ
ツール
リンク元
関連ページの更新状況
ページ情報