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{{出典の明記|date=2016-05}} '''単位ベクトル'''(たんい-ベクトル、{{lang-en-short|unit vector}})とは、[[長さ]]([[ノルム]])が 1 の[[ベクトル]]のことである。 単位ベクトルは {{mvar|'''e'''}} などで表されることが多い。 == 意義と表記 == [[零ベクトル]]でないベクトル {{mvar|'''p'''}} は、その大きさと単位ベクトルで表すことができる: :<math>\boldsymbol{p} = \|\boldsymbol{p}\| \frac{\boldsymbol{p}}{\|\boldsymbol{p}\|}</math> ここで <math>\frac{\boldsymbol{p}}{\|\boldsymbol{p}\|}</math> が単位ベクトルであることは、[[ノルム]]の線形性の一部から従う: :<math>\left\| \frac{\boldsymbol{p}}{\|\boldsymbol{p}\|} \right\| = \frac{1}{\|\boldsymbol{p}\|} \|\boldsymbol{p}\| =1</math> これにより、ある[[方向]]<ref group="注" name=":0">「方向」と「向き」は、数学において厳密には使い分けられる。<br />「向き」が逆でも「方向」は同じと見なす。</ref>のベクトル同士は、大きさと向き(固定した単位ベクトルと同じか逆か)で表すことができる。 ベクトルの[[正射影]]にも、単位ベクトルによる表記が簡潔である。ベクトル {{mvar|'''p'''}} を(方向が同じとは限らない)単位ベクトル {{mvar|'''e'''}} に正射影したとき、 * {{mvar|'''a'''}} の {{mvar|'''e'''}} 方向への成分は、[[内積]] <math>\boldsymbol{a}\cdot\boldsymbol{e}</math> * {{mvar|'''a'''}} の {{mvar|'''e'''}} 方向への正射影ベクトルは <math>(\boldsymbol{a}\cdot\boldsymbol{e})\boldsymbol{e}</math> [[力学]]や電磁気などの理工学的な分野などでは、ベクトル {{mvar|'''r'''}} に対して、{{mvar|'''r'''}} と同じ[[向き]]<ref group="注" name=":0"/>の単位ベクトルを :<math>\hat{\boldsymbol{r}}=\frac{\boldsymbol{r}}{|\boldsymbol{r}|}=\frac{\boldsymbol{r}}{r}</math> などと表す。ここで、<math>r=|\boldsymbol{r}|</math> は {{mvar|'''r'''}} の長さ。 また、[[曲線]]や[[曲面]]に沿って動く質点などの動きをベクトルで捉えるのに、向きだけを捉えるための種々のベクトルは単位ベクトルを考えることが多い。そこでは、接頭辞として「単位-」が用いられる。例えば、単位[[接ベクトル]]、単位[[法線ベクトル|法ベクトル]]、単位従法ベクトルなどが挙げられる。 特に {{mvar|n}} 次元[[ユークリッド空間]]においては、ベクトルが成分で表され、基本ベクトル :<math>\boldsymbol{e}_1=\begin{pmatrix}1\\ 0\\ \vdots\\ 0\end{pmatrix}, \boldsymbol{e}_2=\begin{pmatrix} 0\\ 1\\ \vdots\\ 0 \end{pmatrix},\ldots, \boldsymbol{e}_n=\begin{pmatrix} 0\\ 0\\ \vdots\\ 1 \end{pmatrix}</math> は {{mvar|n}} 個の[[線形独立]]な単位ベクトルである。 {{mvar|xyz}}空間においては、{{math2|''x'', ''y'', ''z''}} の各軸方向の単位ベクトルをそれぞれ {{math2|'''''i''''', '''''j''''', '''''k'''''}} と記すことが慣習である。これらを用いて空間ベクトル {{mvar|'''r'''}} は :<math>\boldsymbol{r}=x\boldsymbol{i}+y\boldsymbol{j}+z\boldsymbol{k}</math> と表せる。 このとき単位ベクトル <math>\hat{\boldsymbol{r}}</math> の大きさは :<math>|\boldsymbol{r}|=\sqrt{x^2+y^2+z^2}</math> となるから、 <math>\hat{\boldsymbol{r}}</math> の {{math2|'''''i''''', '''''j''''', '''''k'''''}} への分解は :<math>\begin{align} \hat{\boldsymbol{r}} &=\frac{1}{|\boldsymbol{r}|}(x\boldsymbol{i}+y\boldsymbol{j}+z\boldsymbol{k}) \\ &=\frac{x}{\sqrt{x^2+y^2+z^2}}\boldsymbol{i}+\frac{y}{\sqrt{x^2+y^2+z^2}}\boldsymbol{j}+\frac{z}{\sqrt{x^2+y^2+z^2}}\boldsymbol{k} \end{align}</math> == 脚注 == {{Reflist|group="注"}} == 関連項目 == * [[次元解析]] * [[ベクトル空間]] * [[線形代数学]] * [[ベクトル解析]] * [[曲率]] * [[捩率]] * [[フレネ・セレの公式]] == 外部リンク == * {{高校数学の美しい物語|1150|単位ベクトルの求め方といろいろな具体例}} {{DEFAULTSORT:たんいへくとる}} [[Category:線型代数学]] [[Category:数学に関する記事]] [[Category:1]] [[Category:ベクトル]]
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