双曲線のソースを表示

{{複数の問題
|出典の明記=2020年8月25日 (火) 10:01 (UTC)
|参照方法=2020年8月25日 (火) 10:01 (UTC)
}}
{{Expand English|Hyperbola|date=2024年5月}}
[[Image:Hyperbola2.png|thumb|right|双曲線]]

'''双曲線'''（そうきょくせん、{{lang-en-short|hyperbola}}）とは、2次元[[ユークリッド空間]] ℝ<sup>2</sup> 上で定義され、ある2点 F, F' からの[[距離]]の「差が一定」であるような[[曲線]]の総称である。

この2点 F, F' は'''[[焦点 (幾何学)|焦点]]'''と呼ばれる。2点 F, F' を通る直線と2点 F, F' の垂直二等分線は'''主軸'''と呼ばれる。

==双曲線の方程式==

=== 一般形 ===
[[2次元]][[直交座標系]]において、双曲線の2焦点の座標をそれぞれ <math>(a, b)</math>, <math>(c, d)</math>、焦点からの距離の差の[[絶対値]]を <math>k</math> とする。このとき双曲線の方程式は、次のように表される。これを'''一般形'''という。

<math>\left| \sqrt{(x-a)^2 + (y-b)^2} - \sqrt{(x-c)^2 + (y-d)^2} \,\right| = k </math>

この方程式は、うまく式変形することにより、必ず

<math>Ax^2 + Bxy + Cy^2 + Dx + Ey + F = 0</math>　　（ただし <math>A, B, C, D, E, F</math> は実数）

という形に表すことができる。証明は以下の通り。

{{節スタブ}}

=== 標準形 ===
{| class="wikitable floatright"
|+ 双曲線の標準形
|-
! 標準形
| <math>\frac{x^2}{a^2} - \frac{y^2}{b^2} = 1 </math>
| <math>\frac{x^2}{a^2} - \frac{y^2}{b^2} = -1 </math>
|-
! 漸近線
| <math>\frac{x}{a} \pm \frac{y}{b} = 0</math>
| <math>\frac{x}{a} \pm \frac{y}{b} = 0</math>
|-
! 焦点
| <math>(\pm\sqrt{a^2+b^2},0)</math>
| <math>(0,\pm\sqrt{a^2+b^2})</math>
|-
! 頂点
| <math>(\pm{a},0)</math>
| <math>(0,\pm{b})</math>
|-
! 準線
| <math>x = \pm\frac{a^2}{\sqrt{a^2+b^2}}</math>
| <math>y = \pm\frac{b^2}{\sqrt{a^2+b^2}}</math>
|-
! 離心率
| <math>e = \frac{\sqrt{a^2+b^2}}{a}</math>
| <math>e = \frac{\sqrt{a^2+b^2}}{b}</math>
|}
双曲線は、主軸を座標軸とする直角座標系において、次の方程式により表すことができる。これを'''標準形'''という。
:<math>\frac{x^2}{a^2} - \frac{y^2}{b^2} = 1 </math> {{Vanc|(*)}}
この場合、焦点の座標は
:<math>F(-\sqrt{a^2+b^2},0) \ , \ F'(+\sqrt{a^2+b^2},0)</math>
と書ける。このとき、2焦点 F, F' から双曲線上の点 P への距離の差 |PF − PF'| は 2{{mvar|a}} となる。原点を双曲線の中心といい、2点(±{{mvar|a}}, 0) を双曲線の[[頂点 (曲線)|頂点]]という。

双曲線上の点 P と焦点 F との距離 PF と点 P から[[準線]] <math>x = \tfrac{a^2}{\sqrt{a^2+b^2}}</math> までの距離の比は一定であり、比の値は[[離心率]] <math>e = \tfrac{\sqrt{a^2+b^2}}{a}</math> に等しい。

また、双曲線には2つの[[漸近線]]が存在しており、漸近線の方程式は
:<math>\frac{x}{a} + \frac{y}{b} = 0 \ , \ \frac{x}{a} - \frac{y}{b} = 0</math>
である。

特に、漸近線が直交している、すなわち {{mvar|a}} = {{mvar|b}} であるとき、この双曲線を特に'''直角双曲線'''という。

[[反比例]]のグラフ {{math|1={{mvar|xy}} = {{mvar|C}}}} も双曲線の一種である。これは、直角双曲線：{{math|{{mvar|x}}{{sup|2}} − {{mvar|y}}{{sup|2}} {{=}} 2{{mvar|C}}}} を原点の回りに {{math|45° {{=}} ''&pi;''/4}} だけ回転させた双曲線に等しい。


=== 媒介変数表示 ===
双曲線は、[[双曲線関数]]を用いて[[媒介変数表示]]することができる。
:<math>
\begin{cases}
  x = \pm a \cosh t \\
  y = b \sinh t
\end{cases}
</math>
また双曲線から左側の頂点 {{math|(−''a'', 0)}} を除けば[[有理関数]]を用いて媒介変数表示することもできる。
:<math>
\begin{cases}
  x = a \frac{1 + t^2}{1 - t^2} \\
  y = b \frac{2t}{1 - t^2}
\end{cases}
</math>
ただし {{math|''t'' ≠ ±1}} とする。右側の連結成分は {{math|−1 < ''t'' < 1}} に、左下の連結成分は {{math|''t'' > 1}} に、左上の連結成分は {{math|''t'' < −1}} に対応する。これは二点 {{math|(−''a'', 0)}} と {{math|(0, ''tb'')}} を通る直線 {{math|''ay'' {{=}} ''tb''(''x'' + ''a'')}} と双曲線との交点のひとつとして得られる。

==円錐曲線としての双曲線==
[[File:Conic sections 2.png|thumb|right|300px|円錐切断面の4つのタイプ ([[放物線]]、[[楕円]]、[[円 (数学)|円]]、双曲線)]]

双曲線は、直円錐を直円錐の頂点を通らず、上下両方の直円錐に交わる平面で切断したときの、切断面の境界である。

[[離心率]]が {{mvar|e}} であるような[[円錐曲線]]を C<sub>{{mvar|e}}</sub> とする。このとき、{{mvar|e}} ＞ 1 であれば、 C<sub>{{mvar|e}}</sub> は双曲線となる。この円錐曲線を適当に直交変換することにより、準線が {{mvar|x}} = −{{mvar|f}} , 焦点の一つが F({{mvar|f}}, 0) となったとする。双曲線の任意の点 P({{mvar|x}}, {{mvar|y}}) に対し、方程式
:<math>e(x-f) = \mathrm{PF}</math>
が成立するが、<math>\mathrm{PF} = \sqrt{(x-f)^2 + y^2}</math> となるから、上方程式の両辺を2乗して移項整理することにより、
:<math>x^2 + 2 \left( \frac{e^2+1}{e^2-1} \right) fx - \frac{y^2}{e^2-1} = -f^2 </math>
さらに {{mvar|x}} に関して[[平方完成]]させることにより、
:<math>\left(x+\left(\frac{e^2+1}{e^2-1}\right)f \right)^2 - \frac{y^2}{e^2-1} = \left(\frac{2e}{e^2-1}f \right)^2</math>
これが、円錐曲線としての双曲線の基本形である。さらに平行移動：<math>X = x + \frac{e^2 + 1}{e^2-1} f</math> , Y = {{mvar|y}} を行って適当に整理することによって、[[#(*)|(*)]] の形になる。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}

== 参考文献 ==
*{{Cite book|和書
|author1=田端毅
|author2=讃岐勝
|author3=礒田正美
|editor=礒田正美・Maria G. Bartolini Bussi 編
|date=2009-12-25
|title=曲線の事典　性質・歴史・作図法
|publisher=共立出版
|isbn=978-4-320-01907-2
|ref={{Harvid| |2009}}
}}
*{{Cite book|和書
|author=中村滋
|authorlink=中村滋_(数学者)
|date=2011-12-30
|title=円錐曲線　歴史とその数理
|series=数学のかんどころ 7
|publisher=共立出版
|isbn=978-4-320-01987-4
|ref={{Harvid|中村|2011}}
}}

== 関連項目 ==
{{Div col}}
*[[円錐曲線]] - [[楕円]] - [[放物線]]
*[[彗星]]
*[[双曲面]]
*[[天体力学]]
*[[レムニスケート]]
{{Div col end}}

== 外部リンク ==
*{{Kotobank|双曲線}}
*{{高校数学の美しい物語|2675|双曲線}}
*[https://examist.jp/mathematics/quadratic-curve/soukyokusen/ 双曲線の定義・標準形・焦点・漸近線、双曲線の方程式の決定]
*[https://rikeilabo.com/hyperbolic-curve 双曲線の知識まとめ（焦点・漸近線・方程式・媒介変数表示・接線公式）]
*[http://www.geisya.or.jp/~mwm48961/kou3/quadratic_2.htm 双曲線の方程式]
*[http://math-info.criced.tsukuba.ac.jp/museum/Mathematics_tools/geometrie_hyperbola/geometrie_hyperbola.htm デカルトの双曲線作図器１]
*{{MathWorld|title=Hyperbola|urlname=Hyperbola}}

{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:そうきよくせん}}
[[Category:円錐曲線]]
[[Category:曲線]]
[[Category:数学に関する記事]]