大気拡散のソースを表示

'''大気拡散''' (Atmospheric dispersion) とは、大気中に放出された物質が[[拡散]]していくことである。この現象を予測するために様々な[[数理モデル]]が考えられており、主に[[大気汚染]]予測などの分野で用いられている。

[[煙突]]における'''大気拡散'''は、[[正規分布]]形で表されることが多い<ref>{{Cite book|和書
|author = 環境保全対策研究会編
|coauthors = 
|title = 二訂･大気汚染対策の基礎知識
|year = 2001
|publisher = 丸善
|isbn = 4-914953-69-2
|page = 32
}}</ref>。

煙突から横方向にたなびく煙に対して、風下方向を''x'' 軸、水平幅方向を''y'' 軸、鉛直方向を''z'' 軸とし、煙突が建っている地点の地表を原点とする。このとき、煙の濃度''C'' は次式で表される：
: <math>C = \frac{Q}{2\pi\sigma_y\sigma_z U}\exp\left(-\frac{y^2}{2\sigma_y^2}\right)\left\{\exp\left(-\frac{(H_\mathrm{e}-z)^2}{2\sigma_z^2}\right)+\exp\left(-\frac{(H_\mathrm{e}+z)^2}{2\sigma_z^2}\right)\right\}</math>
ここで
* &sigma;{{sub|''y''}} , &sigma;{{sub|''z''}} ：煙の水平方向および鉛直方向の拡散幅を表す量（[[標準偏差]]）
* ''U'' ：風速（''x'' 方向に吹くものとする）
* ''Q'' ：煙源強度、煙突から単位時間に排出される汚染物質の量
* ''H''{{sub|e}} ：煙突の実高さ

拡散幅&sigma;{{sub|''y''}} 、 &sigma;{{sub|''z''}} は[[気象]]条件によって左右される。
* 風下距離とともに増大する。
* [[大気安定度]]が不安定だと大きく、安定だと小さい。
さらに&sigma;{{sub|''y''}} については、以下の条件もある：
* 測定時間（捕集時間）が長いほど大きい。
* 風速が遅いほど大きい。
* [[地形]]が複雑だと大きい。都会は[[農村]]地帯より大きい。

[[大気汚染防止法]]では、拡散幅&sigma;{{sub|''y''}} 、 &sigma;{{sub|''z''}} を[[拡散係数]]''C''{{sub|''y''}} 、 ''C''{{sub|''z''}} に置き換えたサットンの式を採用している。

== 参考文献==
<references />

{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:たいきかくさん}}
[[Category:大気拡散モデリング|*]]
[[Category:大気汚染]]
[[Category:煙突]]
[[Category:物理化学の現象]]
[[Category:拡散]]