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{{正確性|date=2015年4月}} [[数学]]の分野、とくに[[測度論]]において、ある与えられた[[集合]]の[[部分集合]]上で定義される[[関数 (数学)|関数]]の'''有限加法性'''(かほうせい、{{Lang-en-short|finite additivity}})および '''{{mvar|σ}}-加法性'''(シグマかほうせい、{{Lang-en-short|sigma additivity}})は、集合の大きさ([[長さ]]、[[面積]]、[[体積]])についての直感的な性質に関する抽象概念である。{{mvar|σ}}-加法性は'''可算加法性'''(かさんかほうせい、{{lang-en-short|countable additivity}})、'''完全加法性'''(かんぜんかほうせい、{{lang-en-short|complete additivity}}){{efn|[[数論的函数]]に対しても「完全加法性」と呼ばれる概念を考えることがあるが、それは本項に言う意味とは異なる}} とも呼ばれる。 == 有限加法的集合関数 == {{mvar|μ}} を[[有限加法族]] <math>\mathcal{A}</math> 上で定義され[[補完数直線]] {{math2|[−∞, +∞] {{=}} '''R''' ∪ {{mset|±∞}}}} に値を取る関数とする。関数 {{mvar|μ}} が'''有限加法的'''であるとは、<math>\mathcal{A}</math> 内の任意の[[素集合|互いに素な集合]] {{mvar|A}} と {{mvar|B}} に対して :<math> \mu(A \cup B) = \mu(A) + \mu(B)</math> が成立することを言う(その帰結として、{{math|∞ − ∞}} が定義されないままにするために、一つの加法的関数は {{math|−∞}} と {{math|+∞}} の両方ともを値として取ることはできない)。 [[数学的帰納法]]により、<math>\mathcal{A}</math> 内の任意の互いに素な集合 {{math|''A''{{sub|1}}, ''A''{{sub|2}}, …, ''A''{{sub|''N''}} }}に対して、加法的関数は : <math>\mu\Bigl( \bigcup_{n=1}^N A_n \Bigr) =\sum_{n=1}^N \mu(A_n)</math> を満たすことが分かる。これを'''有限加法性'''という。 == 加法的集合関数 == <math>\mathcal{A}</math> を [[完全加法族|{{mvar|σ}}-代数]]とする。{{mvar|μ}} を <math>\mathcal{A}</math> から '''R''' への写像とする{{efn|伊藤 (2008) では、±∞ の値を許していない。}}。<math>\mathcal{A}</math> 内の任意の互いに素な集合の[[列 (数学)|列]] {{math|''A''{{sub|1}}, ''A''{{sub|2}}, …, ''A''{{sub|''k''}}, …}} に対し :('''完全加法性''')<math> \mu\left(\bigcup_{n=1}^\infty A_n\right) = \sum_{n=1}^\infty \mu(A_n) </math> が成立するとき、{{mvar|μ}} は'''完全加法的'''、'''可算加法的'''、あるいは'''{{mvar|σ}}-加法的'''であると言い、{{mvar|μ}} を'''完全加法的集合関数'''あるいは'''加法的集合関数'''などと言う。 任意の加法的集合関数は、有限加法的であるが、その逆は成立しない。そのような反例については後述を参照されたい。 == 性質 == === 基本性質 === 加法的関数 {{mvar|μ}} の有用な性質として、以下が挙げられる: # {{math|''μ''(∅) {{=}} 0.}} # {{mvar|μ}} が非負で、{{math|''A'' ⊆ ''B''}} ならば {{math|''μ''(''A'') ≤ ''μ''(''B'')}} が成り立つ。 # {{math|''A'' ⊆ ''B''}} で、{{math|''μ''(''B'') − ''μ''(''A'')}} が定義されるならば、{{math|''μ''(''B'' − ''A'') {{=}} ''μ''(''B'') − ''μ''(''A'')}} が成り立つ。 # 与えられた {{mvar|A}} および {{mvar|B}} に対し、{{math|''μ''(''A'' ∪ ''B'') + ''μ''(''A'' ∩ ''B'') {{=}} ''μ''(''A'') + ''μ''(''B'')}} が成り立つ。 == 例 == 加法的集合関数の一例として、[[実数]]全体の成す集合 {{math|'''R'''}} の[[冪集合]] {{math|''P''('''R''')}} 上で定義される次のような関数 {{mvar|μ}} が考えられる: :<math> \mu (A)= \begin{cases} 1 & \mbox{ if } 0 \in A \\ 0 & \mbox{ if } 0 \notin A. \end{cases}</math> {{math|''A''{{sub|1}}, ''A''{{sub|2}}, …, ''A''{{sub|''k''}}, …}} を、{{math|'''R'''}} に含まれる互いに素な集合の列とする。このとき、それらのどれも {{math|0}} を含まないか、どれか一つだけが {{math|0}} を含む二通りの場合が考えられる。いずれの場合でも、等号 :<math> \mu\!\left(\bigcup_{n=1}^\infty A_n\right) = \sum_{n=1}^\infty \mu(A_n)</math> が成り立つため、{{mvar|μ}} は{{mvar|σ}}-加法的関数である。 {{mvar|σ}}-加法的関数のその他の例については、[[測度]]および[[符号付測度]]の記事を参照されたい。 有限加法的であるが {{mvar|σ}}-加法的でない関数の例として、上述の例から少し変更を加えた、次のような[[実数]]の[[冪集合]]で定義される関数 {{mvar|μ}} が考えられる: :<math> \mu (A)= \begin{cases} 1 & \mbox { if } 0 \in \bar A \\ 0 & \mbox { if } 0 \notin \bar A \end{cases}</math> ここで、上付きのバーは[[閉包 (位相空間論)|閉包]]を表す。 この関数が有限加法的であることを確かめるためには、有限数の集合の[[合併 (集合論)|合併]]の閉包はそれら各集合の閉包の合併に等しいという性質と、各集合の閉包に {{math|0}} が含まれるか否かという点に注目すれば、すぐに分かる。この関数が {{mvar|σ}}-加法的ではないことを確かめるためには、{{math|''n'' {{=}} 1, 2, 3, …}} に対して互いに素な集合の列 :<math>A_n=\left[\frac {1}{n+1},\, \frac{1}{n}\right)</math> を考えれば良い。これらの集合の合併は開区間 {{math|(0, 1)}} でありその閉包は {{math|[0, 1]}} であるため、そのような合併に対して関数 {{mvar|μ}} は値 {{math|1}} を取る。しかし、各区間毎に対する関数 {{mvar|μ}} の値は {{math|0}} であるため、そのような {{math|''μ''(''A''<sub>''n''</sub>)}} の和も {{math|0}} となる。したがって、{{mvar|μ}} は上述の定義の等式を満たさず、{{mvar|σ}}-加法的ではない。 == 一般化 == 任意の加法的な[[モノイド]](例として、任意の[[群 (数学)|群]]やより一般的な[[ベクトル空間]]が挙げられる)に値を取る有限加法的関数を定義することが出来る。{{mvar|σ}}-加法性については、さらに[[極限|列の極限]]の概念がその集合上で定義される必要がある。例えば、{{仮リンク|常微分方程式のスペクトル論|label=スペクトル測度}}は[[バナッハ代数]]に値を取る {{mvar|σ}}-加法的関数である。また別の例として、[[量子力学]]の分野における{{仮リンク|正作用素値測度|en|positive operator-valued measure}}が挙げられる。 == 関連項目 == * [[符号付測度]] * [[測度]] * [[加法的関数]] * [[劣加法性]] * [[ホップの拡張定理]] == 注 == === 注釈 === {{notelist}} === 出典 === {{reflist}} == 参考文献 == * {{Cite book | 和書 | last1 = 伊藤 | first1 = 清三 | year = 2008 | title = ルベーグ積分入門 | series = 数学選書4 | edition = 第46版 | publisher = 裳華房 | isbn = 978-4-7853-1304-3 | ref = harv }} * {{citation | last=Royden | first=H.L. | title = Real Analysis | publisher = Collier Macmillan | edition=third| year = 1988 | isbn=0-02-404151-3 }} {{DEFAULTSORT:しくまかほうせい}} [[Category:測度論]] [[Category:数学に関する記事]]
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