弓形のソースを表示

{{出典の明記|date=2019年6月}}
{{参照方法|date=2019年6月}}
[[初等幾何学]]における'''弓形'''（ゆみがた、{{lang-en-short|''circular segment''}} (記号: <span style="font-size:1.5em">⌓</span>）は、[[円板]]から[[割線]]または[[弦 (幾何学)|弦]]によって残りの部分から「切り取られる」部分を言う。より厳密には、円の[[劣弧]]（中心角が180°未満の弧）とその[[円弧]]の両端点を結ぶ弦で囲まれた[[二次元]]の領域を弓形という。

== 各種の公式 ==
[[File:Circularsegment.svg|thumb|弓形(緑)は、割線/弦(破線)と弧(緑の領域の天井)で囲まれる: 扇形の高さ=半径 {{mvar|R}} は、弦からの高さ {{mvar|h}} と深さ {{mvar|d}} の和]]

円の[[半径]]を {{mvar|R}}, 中心角は {{math|1=''θ'' {{bracket|rad}} = ''α'' {{bracket|[[度 (角度)|°]]}}}} とし、弦の[[長さ]] {{mvar|c}} および[[弧長]] {{mvar|s}} と[[矢 (幾何学)|矢]]の長さ {{mvar|h}} および扇形の三角形部分の高さを {{mvar|d}} とする。

円の半径は <math display="block">R = h + d = \frac{h}{2}+\frac{c^2}{8h}</math> と表せる。

後者の {{mvar|h}} と {{mvar|c}} で表された式は、{{math|2''R''}}（[[直径]]の長さ）と {{mvar|c}} が互いに直交する弦の長さであることに注意すれば{{ill2|交弦定理|en|Intersecting chords theorem}}（[[方冪の定理]]の特別の場合）から <math display="block">\begin{align}
 &(2R-h)\cdot h = \frac{c}{2}\cdot\frac{c}{2} = \frac{c^2}{4}\\
 &\iff 2R = \frac{c^2}{4h} + h\\
 &\iff R = \frac{c^2}{8h} + \frac{h}{2}
\end{align}</math> と求められる。

円弧の長さは <math display="block">s = \frac{\alpha}{180}\pi R = \theta R = \arcsin\!\Big(\frac{c}{h+(c^2/4h)}\Bigr)\Bigl(h + \frac{c^2}{4h}\Bigr)</math> と書ける。

最後の逆正弦函数 {{math|arcsin}} を用いた式は、同じ弧を見込み一辺が直径となるような[[円周角]]を考えることで導かれる。実際、[[円周角の定理|円周角の大きさ]]は {{sfrac|''θ''|2}} であり、その角を含む[[斜辺]]が直径であるような直角三角形が作れる。このような設定は、以下で見るようなほかの逆三角函数公式を導くにも有用である。

さらに[[三角関数の公式の一覧#倍角・三倍角・半角の公式|半角公式]]や[[三角関数の公式の一覧#ピタゴラスの定理|ピタゴラス関係式]]などを用いれば、[[弦 (幾何学)|弦長]] <math display="block">c = 2R\sin\frac{\theta}{2} = R\sqrt{2-2\cos\theta} = 2R\sqrt{1-(d/R)^2}</math> あるいは矢の長さ <math display="block">h = R\Bigl(1-\cos\frac{\theta}{2}\Bigr) = R - \sqrt{R^2 - \frac{c^2}{4}}</math> および中心角 <math display="block"> \theta = 2\arctan\frac{c}{2d}= 2\arccos\frac{d}{R} = 2\arccos\Bigl(1- \frac{h}{R}\Bigr) = 2\arcsin\frac{c}{2R}</math> なども計算できる。

=== 面積 ===
弓形の[[面積]] {{mvar|A}} は[[扇形]]の面積から、三角形部分の面積を引いて <math display="block">A = \frac{R^2}{2} (\theta - \sin \theta) = R^2 \Bigl(\arcsin \frac{c}{2R} - \frac{c}{2R} \sqrt{1 - \left(\frac{c}{2R}\right)^2\,}\,\Bigr)</math> で求められる。あるいは中心角を度数法で測るならば <math display="block">A = \frac{R^2}{2} \Bigl(\frac{\alpha\pi}{180} - \sin \alpha\Bigr)</math> である。

円板全体の面積 {{math|1=''S'' = ''πR''{{exp|2}}}} との比をとれば、<math display="block">\frac{A}{S} = \frac{1}{2 \pi}(\theta - \sin \theta) = \frac{\alpha}{360} - \frac{\sin \alpha }{2 \pi} </math> となる。

=== 応用 ===
面積公式は、部分的に充填された円筒形の貯蔵タンクの体積を計算するのに用いることができる。

丸みのある天板を持つ窓やドアのデザインにおいて、{{mvar|c}} と {{mvar|h}} だけが分かっているという場面で、製図士がコンパスで {{mvar|R}} を計算することに利用できる。

弓形の弧長や弦長を測定して、弓形からもとの円板全体の完全な寸法を復元することができる。

円系パターンの穴の位置をチェックすること、特に機械製品の品質チェックに利用できる。

== 関連項目 ==
* [[球台]]
* [[円錐曲線]]
* [[断面]]

== 参考文献 ==
{{reflist}}
{{empty section}}

== 外部リンク ==
* {{MathWorld |urlname=CircularSegment |title=Circular Segment}}
* {{PlanetMath |urlname=CircularSegment |title=circular segment}}
* {{SpringerEOM |urlname=Segment |title=Segment|first=A.B.|last=Ivanov}}
* {{ProofWiki |urlname=Definition:Segment_of_Circle |title=Definition:Segment of Circle}}
* [http://www.mathopenref.com/segment.html Definition of a circular segment] With interactive animation
* [http://www.mathopenref.com/segmentarea.html Formulae for area of a circular segment] With interactive animation

{{DEFAULTSORT:ゆみかた}}
[[Category:円 (数学)]]
[[Category:数学に関する記事]]