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[[環 (数学)|環]] ''A'' 上の(左または右)[[環上の加群|加群]] ''M'' は、その[[零化イデアル]] Ann<sub>''A''</sub> (''M'') が {0} であるときに、'''忠実'''({{lang-en-short|faithful}})であるという。言い換えると、各 <math>\alpha \in A \setminus \{0\}</math> の作用が自明でない(ある ''x'' ∈ ''M'' に対して α・''x'' ≠ 0)ということである。別の言い方をすれば、対応する表現 <math>\psi\colon A \to \operatorname{End}(M)</math> が[[単射]]である。 任意の加群に対して、次のようにして忠実加群を対応させることができる。環[[準同型]] <math>\psi\colon A \to \operatorname{End}(M)</math> は、単射準同型 <math>\tilde\psi\colon A/\ker\psi \to \operatorname{End}(M)</math> によって分解する。ker ψ は Ann<sub>''A''</sub> (''M'') に他ならないので、<math>\tilde\psi</math> によって ''M'' に ''A'' / Ann<sub>''A''</sub> (''M'')-加群としての構造が入り、このとき <math>\tilde\psi</math> は単射なので ''M'' は忠実である。 == 性質 == ''A''-加群 ''M'' の任意の元 ''x'' に対して ''M''<sub>''x''</sub> = ''M'' とおくと、写像 :<math>\phi\colon A \to \prod_{x\in M} M_x,\quad a\mapsto (ax)_{x\in M}</math> は ''A''-準同型である。このとき ker φ = Ann<sub>''A''</sub> (''M'') なので、準同型定理より :<math>A/\operatorname{Ann}_A(M)\cong\phi(A)\subseteq\prod_{x\in M}M_x</math> を得る。したがって ''M'' が忠実加群であれば、''A'' は(自然に''A''-加群と見て)<math>\prod_{x\in M} M_x</math> の部分加群に同型である。 == 参考文献 == * {{Cite book |和書 |last1 = 岩永 |first1 = 恭雄 |author = 岩永恭雄 |last2 = 佐藤 |first2 = 眞久 |coauthors = 佐藤眞久 |year = 2002 |title = [http://www.nippyo.co.jp/book/1984.html 環と加群のホモロジー代数的理論] |edition = 第1版 |publisher = 日本評論社 |isbn = 4-535-78367-5 |ref = harv }} {{DEFAULTSORT:ちゆうしつかくん}} [[Category:環論]] [[Category:加群]] [[Category:加群論]] [[Category:数学に関する記事]]
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