双対 (圏論)
圏論という数学の分野において,双対性(そうついせい,テンプレート:Lang-en-short)は圏 テンプレート:Mvar の性質と反対圏 テンプレート:Math の双対的な性質の間の対応である.圏 テンプレート:Mvar についてのステートメントが与えられると,各射の始域と終域を入れ替え,2つの射の合成の順序を入れ替えることによって,反対圏 テンプレート:Math についての対応する双対命題が得られる.双対性は,そのようなものとして,ステートメントに関するこの操作の下で正しさが不変であるという主張である.言い換えると,あるステートメントが テンプレート:Mvar について正しければ,その双対のステートメントは テンプレート:Math について正しい.また,あるステートメントが テンプレート:Mvar について間違いならば,その双対のステートメントは テンプレート:Math について間違いである.
テンプレート:仮リンク テンプレート:Mvar が与えられたとき,その反対圏 テンプレート:Math はしばしばそれ自体が抽象的である.テンプレート:Math は数学的実践から生じる圏である必要はない.この場合,別の圏 テンプレート:Mvar と テンプレート:Math が圏として同値であるとき,テンプレート:Mvar も テンプレート:Mvar と双対にあると言われる.
テンプレート:Mvar とその反対圏 テンプレート:Math が同値であるとき,そのような圏は自己双対 (self-dual) である[1].
定義
We define the elementary language of category theory as the two-sorted first order language with objects and morphisms as distinct sorts, together with the relations of an object being the source or target of a morphism and a symbol for composing two morphisms.
Let σ be any statement in this language. We form the dual σop as follows:
- テンプレート:Mvar において各「始域」と「終域」と入れ替える.
- 射を合成する順序を入れ替える.つまり,各 を に置き換える.
インフォーマルには,これらの条件はステートメントの双対は矢と合成を逆にすることによって作られるといっている.
Duality is the observation that σ is true for some category C if and only if σop is true for Cop.
例
- 射 がモノ射であるとは ならば であることをいう.双対を取れば, ならば というステートメントを得る.射 に対しこれはちょうど テンプレート:Mvar がエピ射であるということである.つまり,モノ射であるという性質はエピ射であるという性質の双対である.
双対性を適用して,これは,ある圏 テンプレート:Mvar における射がモノ射であることと反対圏 テンプレート:Math においてそれを逆向きにした射がエピ射であることが同値であることを意味する.
- 半順序の不等式の向きを逆にして例が作れる.つまり テンプレート:Mvar が集合で テンプレート:Math が半順序関係のとき,新しい半順序関係 テンプレート:Math を次で定義できる:
順序についてのこの例は実際に例である,なぜならば半順序は テンプレート:Math が高々1つの元を持つある種の圏と対応するからである.論理学に適用すれば,否定の非常に一般的な記述に見える(つまり,証明が逆向きに進む).例えば,束の逆を取れば,結びと交わりの役割が入れ替わることがわかる.これはド・モルガンの法則あるいは束に適用したテンプレート:仮リンクの抽象的な形である.
- 極限と余極限は双対概念である.
- テンプレート:仮リンクとテンプレート:仮リンクは代数トポロジーとホモトピー論における双対概念の例である.この文脈では,双対性はしばしば テンプレート:仮リンクと呼ばれる.