エンネパー曲面

数学の分科、微分幾何学と代数幾何学におけるエンネパー曲面(エンネパーきょくめん、テンプレート:Lang-en-short)とは、次の媒介変数表示で書ける、自己交差性を持つ曲面である。
この曲面は1864年、テンプレート:仮リンクによって極小曲面理論との関わりから導入された[1][2][3][4]。
テンプレート:仮リンクは非常に簡単で、 となる。実変数での媒介変数表示はこの式から容易に計算できる。この曲面は共役極小曲面(conjugate minimal surface)が自分自身と一致する(テンプレート:仮リンクを参照)。
代数幾何の陰関数表示では、上式で与えたエンネパー曲面の各点は次の9次多項式を満たす。
双対的に、媒介変数で与えられたある点での接ベクトル空間は 、ここで
と書ける。この係数は次の6次多項式を満たす。
ヤコビ行列式、ガウス曲率、テンプレート:仮リンクはそれぞれ
となる。テンプレート:仮リンクは である。テンプレート:仮リンクは、全曲率が であるような における完備な極小曲面はテンプレート:仮リンクかエンネパー曲面のいずれかであることを証明した[5]。
他の性質として、全ての双3次な(バイキュービックな, bicubical)極小テンプレート:仮リンクは、アフィン変換による差を除けば、エンネパー曲面の一部になる[6]。
エンネパー曲面は、ワイエルシュトラス–エンネパーの媒介変数表示で (k>1 は整数)とすることでより高次の対称式による曲面へと一般化することができる[3]。一方、より高次の空間へと一般化することもできる。7までのnについて空間 におけるエンネパー様(Enneper-like)超曲面の存在が知られている[7]。
脚注
外部リンク
- テンプレート:SpringerEOM
- http://www.math.hmc.edu/~gu/curves_and_surfaces/surfaces/enneper.html
- https://secure.msri.org/about/sgp/jim/geom/minimal/library/ennepern/index.html
- ↑ J.C.C. Nitsche, "Vorlesungen über Minimalflächen" , Springer (1975)
- ↑ Francisco J. López, Francisco Martín, Complete minimal surfaces in R3
- ↑ 3.0 3.1 Ulrich Dierkes, Stefan Hildebrandt, Friedrich Sauvigny (2010). Minimal Surfaces. Berlin Heidelberg: Springer. テンプレート:ISBN2.
- ↑ テンプレート:MathWorld
- ↑ R. Osserman, A survey of Minimal Surfaces. Vol. 1, Cambridge Univ. Press, New York (1989).
- ↑ Cosín, C., Monterde, Bézier surfaces of minimal area. In Computational Science — ICCS 2002, eds. J., Sloot, Peter, Hoekstra, Alfons, Tan, C., Dongarra, Jack. Lecture Notes in Computer Science 2330, Springer Berlin / Heidelberg, 2002. pp. 72-81 テンプレート:ISBN2
- ↑ Jaigyoung Choe, On the existence of higher dimensional Enneper's surface, Commentarii Mathematici Helvetici 1996, Volume 71, Issue 1, pp 556-569