同変コホモロジー上の局所化公式

提供: testwiki
2024年12月30日 (月) 23:57時点におけるimported>Kekeroによる版
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
ナビゲーションに移動 検索に移動

軌道体 M に代数的トーラス T が代数的に作用しているとする。また、その T 固定点は有限集合であると仮定する。このとき局所化公式(Localization formula)は、M 上の任意の同変閉形式 α 及び、十分に小さな ξLie(T) に対し、次のことが成り立つことを主張する。

1dMMα(ξ)=F1dFFα(ξ)eT(F)(ξ)

ここで、和は T 固定点 MT の全ての連結成分 F に渡り、dMMT 同変重複度、eT(F)F の法束の同変オイラー類を表す。

局所化公式の重要性は、M のトーラス作用の固定点の同変コホモロジー環(特定の可微分代数的スタック)の情報から、重複度とオイラー形式の違いを除いて、軌道体 M の同変コホモロジー環を計算可能であるという点にある。但し、同様の結果は、非可変コホモロジーにおいては成り立たない。

局所化公式の主要な帰結の一つは、Duistermaat–Heckmanの定理として知られている。即ち、コンパクトな 2n 次元シンプレクティック多様体 M 上にハミルトニアン S1 作用が存在するとき

MetHωn/n!=petH(p)tnαj(p).

但し、和は S1 作用の固定点全体に渡り、HS1 作用に対するハミルトニアン、αj(p) は接空間 TpM 上の S1 作用の重みである。(Lie groupを参照)

局所化公式は、余随伴軌道上のKirillov-Kostant-Souriauシンプレクティック形式のフーリエ変換に対しても適用される。この場合、局所化公式はHarish-Chandraの積分公式に帰着し、結果として、Kirillovの指標公式の証明を与える。

また、非有理係数における同変コホモロジーの局所化については、ダニエル・キレンの論文において議論されている。

非可換局所化

局所化定理は、多様体の同変コホモロジーが、捻れ元の違いを除いて、その固定点集合の同変コホモロジーから復元されることを主張する。同様のことは非可換作用に対しては成立しないが、類似の局所化定理が存在する。

参考文献