同変コホモロジー上の局所化公式
軌道体 に代数的トーラス が代数的に作用しているとする。また、その 固定点は有限集合であると仮定する。このとき局所化公式(Localization formula)は、 上の任意の同変閉形式 及び、十分に小さな に対し、次のことが成り立つことを主張する。
ここで、和は 固定点 の全ての連結成分 に渡り、 は の 同変重複度、 は の法束の同変オイラー類を表す。
局所化公式の重要性は、 のトーラス作用の固定点の同変コホモロジー環(特定の可微分代数的スタック)の情報から、重複度とオイラー形式の違いを除いて、軌道体 の同変コホモロジー環を計算可能であるという点にある。但し、同様の結果は、非可変コホモロジーにおいては成り立たない。
局所化公式の主要な帰結の一つは、Duistermaat–Heckmanの定理として知られている。即ち、コンパクトな 次元シンプレクティック多様体 上にハミルトニアン 作用が存在するとき
但し、和は 作用の固定点全体に渡り、 は 作用に対するハミルトニアン、 は接空間 上の 作用の重みである。(Lie groupを参照)
局所化公式は、余随伴軌道上のKirillov-Kostant-Souriauシンプレクティック形式のフーリエ変換に対しても適用される。この場合、局所化公式はHarish-Chandraの積分公式に帰着し、結果として、Kirillovの指標公式の証明を与える。
また、非有理係数における同変コホモロジーの局所化については、ダニエル・キレンの論文において議論されている。
非可換局所化
局所化定理は、多様体の同変コホモロジーが、捻れ元の違いを除いて、その固定点集合の同変コホモロジーから復元されることを主張する。同様のことは非可換作用に対しては成立しないが、類似の局所化定理が存在する。