分圧

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テンプレート:Otheruses 分圧(ぶんあつ、テンプレート:Lang-en)とは、多成分からなる混合気体において、ある1つの成分が混合気体と同じ体積を単独で占めたときの圧力をいう[1]。たとえば酸素の分圧は酸素分圧と呼ばれる。

ドルトン分圧の法則によれば、混合気体の圧力(全圧)は各成分の分圧の和に等しい。よって、分圧の法則が成り立つ混合気体であれば、ある成分 テンプレート:Mvar の分圧 テンプレート:Mvarテンプレート:Indent のように全圧 テンプレート:Mvar に係数としてモル分率 テンプレート:Mvar を使って簡単に表すことができる。混合気体が理想気体の状態方程式 テンプレート:Math に従うなら、この混合気体では分圧の法則が成り立つ。すなわち、理想混合気体の成分 テンプレート:Mvar の分圧は テンプレート:Math で表すことができる。それに対して混合気体が テンプレート:Math に従わないときには、ふつうは分圧の法則が成り立たないので テンプレート:Math である。

専門的な定義

混合気体中の2つの成分が化学平衡の状態にあるときには、これらの成分は混合気体と同じ体積を単独では占めることができない。よって、上述の方法ではこれらの成分の分圧を定義することはできない。たとえば二酸化窒素四酸化二窒素テンプレート:Indent で表される平衡状態にある。そのため、NOテンプレート:Sub と Nテンプレート:SubOテンプレート:Sub の混合気体から NOテンプレート:Sub または Nテンプレート:SubOテンプレート:Sub の一方のみを取り出すことは不可能である。

このような場合でも各成分の分圧が定義できるように、専門的には成分 テンプレート:Mvar の分圧 テンプレート:Mvar を次式で定義する[2]テンプレート:Indent ここで テンプレート:Mvar は混合気体の全圧で、テンプレート:Mvar は成分 テンプレート:Mvarモル分率である。この式を定義式とすることで、混合気体と同じ体積を単独では占めることができない成分についても分圧を定義することができる。また、分圧の法則が成り立たない混合気体についても テンプレート:Math がすべての成分について成り立つ。すなわち、理想気体であれ実在気体であれ任意の混合気体について分圧が定義できる[3]

分圧を テンプレート:Math で定義すると、各成分の分圧の和はいつでも全圧に等しい。ドルトンの法則が成り立たないような混合気体においても、各成分の分圧の和が全圧に等しくなる。したがって、この定義のもとでドルトンの法則について述べるときは テンプレート:Quotation というように、分圧という言葉を使わずに述べなければならない。

脚注

テンプレート:Reflist

参考文献

関連項目

テンプレート:Normdaten

  1. ムーア物理化学 p.28
  2. IUPAC. Compendium of Chemical Terminology, 2nd ed. (the "Gold Book"). Compiled by A. D. McNaught and A. Wilkinson. Blackwell Scientific Publications, Oxford (1997). XML on-line corrected version: http://goldbook.iupac.org (2006-) created by M. Nic, J. Jirat, B. Kosata; updates compiled by A. Jenkins. テンプレート:Doi
  3. アトキンス第8版 p. 13