オイラーの和公式

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数学において、オイラーの和公式(オイラーのわこうしき、オイラー・マクローリンの公式、テンプレート:Lang-en-short)は1735年頃オイラーマクローリンにより独立に発見された級数の和を与える公式である[1]。この公式は収束の遅い無限級数の和を求めるときに便利であるが、f(x)が多項式であるような場合を除き、mとすればベルヌーイ数が急速に大きくなって発散する。従って、漸近展開のように発散する前の適当なところで打ち切らなければならない。また、この公式は台形公式による数値積分の誤差を示すものと考えることもできる。

j=0n1f(j)=0nf(x)dx+k=1mBkk!(f(k1)(n)f(k1)(0))+Rm
j=1n1f(j)+12(f(0)+f(n))=0nf(x)dx+k=1mB2k(2k)!(f(2k1)(n)f(2k1)(0))+R2m+1
Rm=(1)m+10nBm(xx)m!f(m)(x)dx

但し、Bnベルヌーイ数Bn(x)ベルヌーイ多項式である。

B1=12,B2=16,B3=0,B4=130,B5=0,B6=142,B7=0,B8=130,B9=0,B10=566,
B0(x)=1,B1(x)=x12,B2(x)=x2x+16,B3(x)=x332x2+12x,B4(x)=x42x3+x2130,

なお、f(k)は導関数、x床関数を表す。

テンプレート:Illはこれの一般化である。

証明

ベルヌーイ多項式の性質(若しくは定義)により

01Bk1(x)(k1)!f(k1)(x)dx=01(Bk(x)k!)f(k1)(x)=[Bk(x)k!f(k1)(x)]0101Bk(x)k!f(k)(x)dx

である。有限回の部分積分を繰り返して

01f(x)dx=01B0(x)f(x)dx=k=1m[(1)k1Bk(x)k!f(k1)(x)]01+(1)m01Bm(x)m!f(m)(x)dx

となるが、これはf(x)f(j+x)に置き換えても成り立つから

0nf(x)dx=j=0n101f(j+x)dx=j=1n1k=1m[(1)k1Bk(x)k!f(k1)(x)]01+(1)m0nBm(xx)m!f(m)(x)dx

である。B1(0)=12,B1(1)=12,B2k(0)=B2k(1)=B2k,B2k+1(0)=B2k+1(1)=B2k+1=0を代入すれば

0nf(x)dx=j=0n1f(j)12f(0)+12f(n)k=2m(1)kBkk!(f(k1)(n)f(k1)(0))Rm
Rm=(1)m+10nBm(xx)m!f(m)(x)dx

を得る。移項して形式を整えると

j=0n1f(j)=x=0nf(x)dx+k=1mBkk!(f(k1)(n)f(k1)(0))+Rm

となる。或いは

j=1n1f(j)+12(f(0)+f(n))=0nf(x)dx+k=22m+1Bkk!(f(k1)(n)f(k1)(0))+R2m+1=0nf(x)dx+k=1mB2k(2k)!(f(2k1)(n)f(2k1)(0))+R2m+1

となる。

関連文献

  • M.ベック、S.ロビンス著 ; 岡本吉央(訳):「離散体積計算による組合せ数学入門」、シュプリンガー・ジャパン、ISBN 978-4-431-10077-5 (2010年7月4日)。※第10章 RdにおけるEuler-Maclaurin和。

関連項目

出典