ネオジム

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テンプレート:Expand English テンプレート:Elementbox ネオジムテンプレート:Lang-en-short テンプレート:IPA-enテンプレート:Lang-de-short テンプレート:IPA-de)は、原子番号60の金属元素元素記号Nd希土類元素の一つで、ランタノイドにも属する。

名称

ギリシャ語で「新しい」を意味する neos とジジミウムを合成[1]した名称である。ジジミウムはプラセオジムとネオジムの混合物で、かつては1つの元素と考えられていた。ネオジムはプラセオジムとともに1885年にジジミウムから単離・発見され、「新しいジジミウム」を意味する名称が付された。

日本語表記の「ネオジム」はドイツ語の Neodym の字訳である。さらに日本語表記では製品名などで「ネオジウム」「ネオジューム」と使用されることもある。これは商標表記やブランド表記とというビジネス視点であり、元素名表記そのものではないので混同してはならない。

性質

銀白色の金属で、常温、常圧で安定な結晶構造は複六方最密充填構造(ABACスタッキング)、868℃ - 1021℃の間は体心立方格子で安定する。比重は7.0、融点は1,024 摂氏 (℃)、沸点は3,027 ℃。安定な原子価は4f3電子配置をとる3価である。常温下の空気中では表面のみが酸化され、高温下では燃焼して淡赤紫色の酸化ネオジム(III) Nd2O3 となる。ハロゲン元素と反応してハロゲン化物 NdX3 を、熱水と徐々に反応して水素および水酸化物を、それぞれ生成する。に易溶で、3価の淡赤紫色の水和イオン Nd3+(aq) を生成する。

2Nd+6HA+(aq)NdA3+(aq)+3HA2
NdA3+(aq)+3𝑒A = Nd  E=2.32V)

ランタノイドの中では比較的イオン半径が大きい。テンプレート:Main

単斜晶構造のリン酸塩であるモナズ石 (Ce,La,Nd,Th)PO4 に含有される。単体のネオジムは、無水塩化ネオジムを融解塩電解またはカルシウムナトリウム還元して得る。

用途

磁石
強い磁力を有する永久磁石に用いられる。ネオジム、ホウ素の化合物である Ndテンプレート:SubFeテンプレート:SubB は、高磁力の永久磁石であるネオジム磁石となり高性能のモータースピーカーなどに広く利用されている。 金属ネオジムは主に非常に強力な永久磁石ネオジム鉄ホウ素磁石の製造に用いられ、特殊な高温合金とスパッタリングターゲットの製造にも用いられる。 [2]
光学材料
ガラスに適量のネオジムの酸化物を添加して得られる、可視光のうち黄色系統の光を吸収して他色の光は透過させる特性から、Ndテンプレート:SubOテンプレート:Subガラスの着色剤として用いられる。
その他

歴史

カール・アウアー・フォン・ヴェルスバッハが、元来は一つの元素と考えられていた混合物であるジジミウム (didymium) から、プラセオジムと共に1885年に発見[1]する。

化合物

化合物中の原子価は 4f3電子配置をとる3価が唯一安定なものである。4価を含む化合物が合成されたという報告もいくつかあるが、いずれも疑わしい[5]

同位体

テンプレート:Main

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

関連項目

テンプレート:Commons

テンプレート:元素周期表 テンプレート:ネオジムの化合物 テンプレート:Normdaten

  1. 1.0 1.1 テンプレート:Cite
  2. テンプレート:Cite web
  3. 岩波書店 岩波科学百科 1020頁
  4. テンプレート:PDFlink
  5. FA コットン, G. ウィルキンソン著, 中原勝翻訳 『コットン・ウィルキンソン無機化学』 培風館、1987年