ダイソン級数

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量子力学場の量子論において、ダイソン級数(ダイソンきゅうすう、テンプレート:Lang-en-short)とは相互作用描像時間発展演算子を与える無限級数。時間発展演算子をハミルトニアンの相互作用項の級数として表す。米国の物理学者フリーマン・ダイソン量子電磁力学の研究において導いた[1]

概要

量子力学や場の量子論において、相互作用描像では、外部ポテンシャルや粒子間の相互作用の効果をこれらが無い状態からの摂動として扱う。 ハミルトニン演算子H^H^=H^0+V^のように固有状態完全系が求まるH^0と相互作用項V^に分けられたとする。このとき、相互作用描像の状態ベクトル|ψI(t)は通常のシュレディンガー描像での状態ベクトル|ψS(t)に対し、

|ψI(t)=eiH^0t/|ψS(t)

で与えられる。一方、相互作用描像での状態ベクトルに作用する物理量の演算子O^I(t)は、シュレディンガー描像での演算子をOSとすると、

O^I(t)=eiH^0t/O^SeiH^0t/

で与えられる。

時刻t0から時刻tへの状態ベクトルの時間発展を与える時間発展演算子は、相互作用描像では

|ψI(t)=U^(t,t0)|ψI(t0)

を満たすユニタリ演算子U^(t,t0)として、定義される。このとき、U^(t,t0)は相互作用項V^の相互作用表示V^I(t)を用いて

U^(t,t0)=n=0(i)n1n!t0tdt1t0tdtnT[VI(t1)VI(tn)]

と表すことができる。但し、T[]は時間の順序に応じて並び替える時間順序積の演算子である。この級数表示をダイソン級数と呼ぶ。

この級数は、

U^(t,t0)=T[exp(it0tdsVI(s))]

と時間順序積の指数関数形に略記される。

脚注

テンプレート:Reflist

関連項目

  1. F. Dyson, "The Radiation Theories of Tomonaga, Schwinger, and Feynman", Phys. Rev., 75, p.486 ,1949 テンプレート:Doi