Ε-カプロラクトン
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テンプレート:小文字テンプレート:Chembox ε-カプロラクトン(イプシロン-カプロラクトン、ε-caprolactone)は、環状エステルおよびラクトンの一つで、化学式が(CH2)5CO2の七員環化合物である。常温では無色の液体で、多くの有機溶媒と混和する。工業的にはε-カプロラクタムの前駆体として多量に合成される。消防法に定める第4類危険物 第3石油類に該当する[1]。
合成
ε-カプロラクトンはシクロヘキサノンと過酢酸からバイヤー・ビリガー酸化によって工業的に合成される。主に生産しているのはアメリカのBASF社、日本のダイセル、そしてイギリスのPerstorp社である。
用途
ε-カプロラクトンはその大部分がε-カプロラクタムの原料として消費される[2]。また、高度に特殊化したポリマーのモノマーとしても用いられる。開環重合させるとポリカプロラクトン(PCL)が生成する[3]。
反応
主要な反応はε-カプロラクタムへの変換で、年間10億kg単位で合成が行われている。ε-カプロラクトンを高温でアンモニア処理するとε-カプロラクタムが生成する。
ε-カプロラクトンをカルボニル化し、加水分解するとピメリン酸が得られる。ラクトン環はアルコールや水などの求核試薬により容易に開環し、ポリラクトンを経て最終的には6-ヒドロキシアジピン酸となる。
脚注
- ↑ 法規情報 (東京化成工業株式会社)
- ↑ Josef Ritz, Hugo Fuchs, Heinz Kieczka, William C. Moran "Caprolactam" in Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry 2002, Wiley-VCH, Weinheim. テンプレート:DOI
- ↑ Horst Köpnick, Manfred Schmidt, Wilhelm Brügging, Jörn Rüter, Walter Kaminsky "Polyesters" in Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry 2002, Wiley-VCH, Weinheim. テンプレート:DOI