アゾジカルボン酸ジエチル
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アゾジカルボン酸ジエチル(アゾジカルボンさんジエチル、diethyl azodicarboxylate)は有機化合物である。しばしばDEADと略記される。アゾ基と2つのエステル基を持つ。赤橙色の液体であり、様々な場面で反応試薬として用いられるが、極めて有害である。
合成
広く用いられており市販もされているが、研究室で合成することも可能である。ヒドラジンをクロロギ酸エチルでアルキル化し、続いて塩素と反応させることで得られる[1]。
応用
アゾ基に電子求引性のエトキシカルボニル基が2つ結合した構造であるため、電子受容体として優れている。この性質を生かし、光延反応やクリックケミストリーで重要な反応試薬として用いられている。ディールス・アルダー反応の基質にも用いられ、ビシクロ [2.1.0] ペンタンの前駆体合成への利用例が報告されている[3]。
ただし現在は、安全性が高いテンプレート:仮リンク(DIAD)が用いられることが多い。DIADは、イソプロピル基に由来する立体障害が大きいこと、副生成物としてヒドラジドを生成しにくいことなどの利点がある。
安全性
毒性を持っており、衝撃に弱く、熱的にも不安定である。このため以前は純粋なものが市販されていたが、最近では40%トルエン溶液などとして供給されることが多い。
出典
外部リンク
- Safety data for diethyl azodicarboxylate - The Physical and Theoretical Chemistry Laboratory, Oxford University, Chemical and Other Safety Information
- MSDS - Aldrich Chemical Co., Inc.