オノの不等式

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幾何学におけるオノの不等式(オノのふとうしき、Ono's inequality)は、三角形面積に関する不等式である。

1914年に T.オノ[1]はこの式が任意の三角形について成り立つと予想したが、1916年に Balitrand によって予想が誤りであることと鋭角三角形であればこの式が成り立つことが示された。

不等式

鋭角三角形の3辺を a, b, c 、面積を S としたとき、以下の不等式が成り立つ。

27(b2+c2a2)2(c2+a2b2)2(a2+b2c2)2(4S)6.

この式は鈍角三角形だと成り立たないことがある。反例としては a = 3, b = 2, c = 4 のような例が挙げられる。

証明

与式の両辺を 64(abc)4 で割る。

27(b2+c2a2)24b2c2(c2+a2b2)24a2c2(a2+b2c2)24a2b24S2b2c24S2a2c24S2a2b2

左辺に余弦定理を適用し、右辺に S=bcsinA2 などを適用する。

27(cosAcosBcosC)2(sinAsinBsinC)2

任意の三角形について成り立つ恒等式 tanA+tanB+tanC=tanAtanBtanC を利用して変形する。

27tanAtanBtanC(tanA+tanB+tanC)3

鋭角三角形であれば各内角の正接は正なので、相加相乗平均の関係より上の式は成り立つ。

脚注

テンプレート:Reflist

関連項目

参照

外部リンク

テンプレート:否定された予想

  1. 当時第七高等学校造士館教授であった小野藤太 (ONO, Tôda) ではないかとみられる。