クラウジウス・モソッティの関係式

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クラウジウス・モソッティの関係式(クラウジウス・モソッティのかんけいしき、テンプレート:Lang-en-short)とは、微視的分子)スケールの物理量である分極率テンプレート:Mvarと、巨視的スケールの物理量である誘電率テンプレート:Mathとの間に成り立つ関係式である。ルドルフ・クラウジウスおよびテンプレート:仮リンクにちなむ。クラウジウス・モソッティの関係式は、以下のように書き下される[1][2]

Pm=εr1εr+2Mmρ=NA3ε0α

ここで、以下の物理量および物理定数を用いた。

この関係式は、永久双極子モーメントをもたず、双極子モーメントが誘電分極モーメントのみで構成される非極性物質について成り立つ。永久双極子を持つ材料の場合、テンプレート:仮リンクが用いられる。

導出

巨視的な誘電分極モーメントテンプレート:Mvarは、すべての誘起双極子モーメントpindの和を体積で割った値(すなわち双極子密度)である。

P=Npind=NαEloc

ここでテンプレート:Mvarは粒子の数密度テンプレート:Mvarは分極率、テンプレート:Mathは粒子の位置における局所電場強度である。

巨視的な物理量である電気感受率χおよび誘電率εrと誘電分極モーメントとの間には以下のような関係式が成り立つ。

P=χε0E=(εr1)ε0E

これらの式をつなげて、次の式が得られる。

(εr1)ε0E=NαEloc

ここからさらに記述を進めるためには、局所電場強度を記述する必要がある。

希薄気体においては、誘導双極子モーメントは互いに影響を与えず、局所電場強度は印加された外場と等しくなる テンプレート:Math 。したがって次の式が得られる。

(εr1)=Nε0α

密度の高い誘電体においては、近傍の誘導双極子モーメントの作る電界の影響も受けるため、局所電場強度は印加された外場と等しくなくなる。

Eloc=E+EL
E:外部から印加される電界+誘電体表面に発生する分極電界(脱電電界)、
EL=P/(3ε0):念頭にある分子周りの架空球面上の分極電荷が作る電場(ローレンツの局所電場

したがって、局所電場密度は以下の式にしたがう。

Eloc=E+13ε0P=E+(εr1)ε03ε0E=εr+23E

これを前述の式に代入して、以下を得る。

(εr1)ε0E=Nαεr+23E

移項して整理すると、下式を得る。

εr1εr+2=Nα3ε0

テンプレート:Mathについて解けば以下の式を得る。

εr=1+χe=1+3Nα3ε0Nα

ここで、数密度テンプレート:Mvarを巨視的な物理量、密度テンプレート:Mvarモル質量Mmアボガドロ定数NAで表わすと以下のように書ける。

N=NAρMm

これを上式に代入すると、クラウジウス・モソッティの関係式が得られる。

εr1εr+2Mmρ=NA3ε0α

テンプレート:Mathについて解けば以下の式を得る。

εr=1+χe=1+3NAρα3Mmε0NAρα

ローレンツ・ローレンツ方程式

テンプレート:Main ローレンツ・ローレンツの式とは、クラウジウス・モソッティの関係式にテンプレート:Mathを代入し、誘電率の代わりに屈折率と分極率との関係を表わした下式をいう。

n21n2+2=Nα3ε0

クラウジウス・モソッティの方程式と同様、この方程式は均一な固体および液体に対して成り立つ。

大抵の気体についてはn21がなりたつことから、以下がいえる。

n21Nαε0

また、n212(n1)を用いれば次式を得る。

n1Nα2ε0

この式は、常圧下の気体について適用できる。また、モル屈折率テンプレート:Mvarを用いれば気体の屈折率テンプレート:Mvarは以下のように書ける。

n1+3ApRT

ここで、テンプレート:Mvar は気体の圧力、テンプレート:Mvarは気体定数、テンプレート:Mvar絶対温度であり、気体の状態方程式からテンプレート:Mathを用いた。また、テンプレート:Mvarモル濃度とすると、テンプレート:Mvarが成り立つことも用いている。消衰係数テンプレート:Mvarを取り入れた複素屈折率テンプレート:Mathについては以下の式が成り立つ。

m1+cNAα2ε0

したがって、虚数部、すなわち消衰係数は、モル濃度および吸光度に比例する。

kcNAα2ε0

したがって、ランベルト・ベールの法則をローレンツ・ローレンツの式から導出することができる[3]。同様に、希薄溶液の屈折率の変化も、モル濃度におおよそ比例する[4]

参考文献

出典

テンプレート:Reflist