グルコース-1-デヒドロゲナーゼ
グルコース-1-デヒドロゲナーゼ(glucose 1-dehydrogenase; テンプレート:EC number)は、以下の化学反応を触媒する酵素である。
- β-D-グルコース + NAD(P)+ D-グルコノ-1,5-ラクトン + NAD(P)H + H+
すなわち、3種2つの基質β-D-グルコース、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド (NAD)ないしはニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)が関与して、3つの生成物としてD-グルコノ-1,5-ラクトン、NAD(P)H、H+へと導く。
この酵素の組織名はβ-D-グルコース:NAD(P)+ 1-オキシドレダクターゼ (β-D-glucose:NAD(P)+ 1-oxidoreductase)であり 、D-グルコース デヒドロゲナーゼ (NAD(P)+)(D-glucose dehydrogenase (NAD(P)+))やヘキソースホスフェートデヒドロゲナーゼ(hexose phosphate dehydrogenase)とも呼ばれる。
この酵素は酸化還元酵素に属し、特異的に電子供与体のCH-OH基に作用し、NAD+もしくはNADP+を電子受容体とする。この酵素はペントースリン酸経路に関連している。
この酵素は哺乳類(ウシ・ヒツジ・イヌ・ネコなど)の肝臓に見られる。細菌由来のグルコース-1-デヒドロゲナーゼ(NADP)(テンプレート:EC number)と異なり、NAD+もNADP+も基質とする。D-キシロースにも25%程度の活性で作用するがそれ以外の天然由来のヘキソース・ペントースにはほとんど作用しない[1]。
構造研究
2007年9月の段階において、このクラスの酵素の三次構造は次のものが決定されている。PDBアクセスコードを次に示す。
References
テンプレート:Reflist テンプレート:Enzyme references
外部リンク
- この酵素のCAS登録番号は[9028-53-9]である。
関連項目
- ↑ 八杉龍一ら(編)、「グルコース脱水素酵素」、『岩波理化学辞典』、第4版 CD-ROM版、岩波書店、1998年。