グルーベル=ロイド指数

提供: testwiki
ナビゲーションに移動 検索に移動

テンプレート:経済学のサイドバー グルーベル=ロイド指数(ぐるーべる=ろいどしすう、: The Grubel–Lloyd index)は、産業内貿易の普及具合を測る指数のこと[1][2]テンプレート:仮リンクピーター・ロイドによって1971年の論文で提示された[1]

概要

産業レベルの指数

ある国の産業iのグルーベル=ロイド指数(以下GL指数)は、

GLi=(Xi+Mi)|XiMi|Xi+Mi=1|XiMi|Xi+Mi; 0GLi1

と定義される。ただし、Xiは産業iの輸出額、Miは産業iの輸入額である。

  • GLi = 1であれば、その国のその産業が同じ額だけ輸出して輸入しているということなので、完全な産業内貿易が起こっていると解釈できる。
  • GLi = 0であれば、その国のその産業は輸出のみして輸入はしていない、あるいは輸入のみしていて輸出はしていないということなので、産業内貿易は全く起こっていないと解釈できる。

先に定義したGL指数では輸出と輸入で異なる文字(XM)を用いていたが、国1から国2への輸出をX12、国1の国2からの輸入(すなわち国2の国1への輸出)をX21と定義することで、より一般的な表示形式で書き直すことができる。

GL12i=(X12i+X21i)|X12iX21i|X12i+X21i=1|X12iX21i|X12i+X21i

また、次のように定義されることもあるテンプレート:Efn2

GL12i=min{X12i,X21i}12(X12i+X21i)

国レベルの指数

国1と国2のペアの全産業におけるGL指数は、個々の産業の貿易額(輸出額と輸入額の和)で加重平均をして

GL12=i=1NX12i+X21ik=1N(X12k+X21k)GL12i

のように定義することができる[3]。ただしNは産業の数である。式を展開していくと、

GL12=1i=1N|X12iX21i|i=1N(X12i+X21i)

であることを示すことができる[3]

推定値

産業をどのように定義するかでGL指数の大きさは変わってくる。大分類の産業を用いると、大分類内の別の財の貿易すべてが産業内貿易として計算されるため、産業内貿易の程度は大きくなる。小分類を用いるとより多くの品目の貿易が産業間貿易として計算されるため、産業内貿易の程度は小さくなる。2009年に出版された研究では、2006年時点の各国のそれ以外の国全体との産業内貿易指数が以下のように計算されている[3]。小分類の5桁品目データで大分類の3桁品目データよりもGL指数が大きいことがわかる。

Brülhart (2009, 表1) のGL指数
3桁品目データ 5桁品目データ
アメリカ 0.50 0.31
中国 0.31 0.18
ドイツ 0.57 0.42
日本 0.39 0.24
フランス 0.60 0.42
イギリス 0.53 0.36

また、5桁品目データに基づくと、高所得国のGL指数は平均して0.32で低所得国のGL指数は平均して0.07であることが示されている[3]。高所得国では他国からの差別化を輸入する水平的な産業内貿易が起こっていることが考えられる。また、中間財の貿易などの垂直的な産業内貿易も高所得国の製造業で起こっていることが考えられる。

脚注

注釈

テンプレート:Notelist2

出典

テンプレート:Reflist

テンプレート:国際貿易論 テンプレート:Normdaten