コルモゴロフの二級数定理

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確率論におけるコルモゴロフの二級数定理(コルモゴロフのにきゅうすうていり、テンプレート:Lang-en-short)は、確率変数からなる級数の収束に関する結果の一つ。テンプレート:仮リンクから導くことができ、また大数の強法則の証明に用いられることがある。

定理の主張

(Xn)n=1独立な確率変数列とし、期待値分散E[Xn]=μn,Var(Xn)=σn2 としたとき n=1μn,n=1σn2 がいずれも有限値に収束するものとする。

このとき n=1Xnほとんど確実に有限値に収束する。

証明

μn=0 として一般性を失わない。SN=n=1NXn とおくと、確率1で

lim supNSNlim infNSN=0

となることが次のようにしてわかる。

任意の m に対し

lim supNSNlim infNSN=lim supN(SNSm)lim infN(SNSm)2maxk|i=1kXm+i|

よって任意の ϵ>0 に対し

P(lim supN(SNSm)lim infN(SNSm)ϵ)P(2maxk|i=1kXm+i|ϵ )=P(maxk|i=1kXm+i|ϵ2 )lim supN4ϵ2i=m+1m+Nσi2=4ϵ2limNi=m+1m+Nσi2

ここで2番目の不等号はコルモゴロフの不等式による。

n=1σn2 が収束するという仮定より、任意の ϵ>0 に対し、最後の項は m で 0 に収束する。よって上極限と下極限の差が正数になる確率は 0 であり、つまり差が 0 になる確率は 1 である。さらに収束先が有限であることも同様の不等式からわかり、定理が示された。

参考文献

  • Durrett, Rick. Probability: Theory and Examples. Duxbury advanced series, Third Edition, Thomson Brooks/Cole, 2005, Section 1.8, pp. 60–69.
  • M. Loève, Probability theory, Princeton Univ. Press (1963) pp. Sect. 16.3
  • W. Feller, An introduction to probability theory and its applications, 2, Wiley (1971) pp. Sect. IX.9