コンウェイの記法 (幾何学)

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幾何学において、コンウェイの記法(コンウェイのきほう、:Conway notation, Conway triangle notation)はジョン・ホートン・コンウェイにちなんで名付けられた、代数的な三角関数の表記法である[1][2]。 三角形の辺の長さをそれぞれ a, b, c 、それに対応するをそれぞれA, B, C とする。コンウェイの記法は以下のような式を簡潔にまとめることに用いられる[3]

以降は下の式で、

cyclicf(a,b,c)=f(a,b,c)+f(b,c,a)+f(c,a,b)

のように、後ろ2つの文字に関する対称式テンプレート:Mvarの和を指すとする。

記法

S=bcsinA=acsinB=absinC

ここでSは三角形の2倍の面積である。

Sφ=Scotφ.

は特定の面積を表すのに用いられる。例えば

SA=ScotA=bccosA=b2+c2a22
SB=ScotB=accosB=a2+c2b22
SC=ScotC=abcosC=a2+b2c22
Sω=Scotω=a2+b2+c22
ここで、 ωブロカール角である。
Sπ3=Scotπ3=S33

倍角・半角の公式

S2φ=Sφ2S22SφSφ2=Sφ+Sφ2+S2
ただし 0<φ<π

加法定理

Sϑ+φ=SϑSφS2Sϑ+SφSϑφ=SϑSφ+S2SφSϑ.

SϑSφ=SϑφSϑSφSψ=Sϑφψと書くと以下の等式が成り立つ。

sinA=Sbc=SSA2+S2cosA=SAbc=SASA2+S2tanA=SSA
a2=SB+SCb2=SA+SCc2=SA+SB.
cyclicSA=Sω
SBC=SBSC=S2a2SASAC=SASC=S2b2SBSAB=SASB=S2c2SC
cyclica4=2(Sω2S2)cyclicSA2=Sω22S2cyclicb2c2=Sω2+S2.

コンウェイの恒等式

下の二式はコンウェイの恒等式と呼ばれる[1]

S2=b2c2SA2=a2c2SB2=a2b2SC2

S2=SAB+SBC+SCA=SBC+a2SA=12cyclica2SA=12(a2SA+b2SB+c2SC)

その他

R外接円の半径とするとabc=2SRが成り立つ。また、r内接円の半径、sを半周長とすると、 s=a+b+c2,a+b+c=Sr が成り立つ。

SABC=SASBSC=S2(Sω4R2)Sω=s2r24rRsinAsinBsinC=S4R2cosAcosBcosC=Sω4R24R2
cyclicsinA=S2Rr=sRcycliccosA=r+RRcyclictanA=SSω4R2=tanAtanBtanC.

応用

コンウェイの記法の用例を見てみよう。

二点テンプレート:Mvar三線座標をそれぞれテンプレート:Math とし、また、テンプレート:Mathなどと書く。 二点の距離テンプレート:Mvarについて、以下の式が成り立つ[4]

D2=cyclica2SA(paKpqaKq)2.

テンプレート:Mvar垂心テンプレート:Mvar外心として、外心と垂心の距離を求める。 テンプレート:Mathが成り立つので[1]

Kp=cyclica2SA=2S2Kq=cyclicSBSC=S2.
D2=cyclica2SA(aSA2S2SBSCaS2)2=14S4cyclica4SA3SASBSCS4cyclica2SA+SASBSCS4cyclicSBSC=14S4cyclica2SA2(S2SBSC)2(Sω4R2)+(Sω4R2)=14S2cyclica2SA2SASBSCS4cyclica2SA(Sω4R2)=14S2cyclica2(b2c2S2)12(Sω4R2)(Sω4R2)=3a2b2c24S214cyclica232(Sω4R2)=3R212Sω32Sω+6R2=9R22Sω.

このようにして、外心と垂心の距離を求めることができた[5]

OH=9R22Sω.

出典

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